最近の6人の日本の総理大臣は、優れた指導者の二世や三世であるなど恵まれた家系の出身者が多いが、彼らと違うのが、昨年思いがけず首相となった野田佳彦だ。その任期は彼らよりも短くなるかもしれないが、それ以外にも、野田首相は思いがけない指導力をみせている。彼は、先の首相たちがしてきたことよりもさらに多くを達成するかもしれない。
野田の目的は、昨年の震災で揺り動かされ、高齢化し、減衰している社会を元に戻すことだ。彼は、消費税を10%に引き上げることで国家の財政を救済するべきという信念に基づいて行動している。問題なのは、彼の率いる民主党は、2009年、50年も政権を握ってきた自民党から政権奪還を果たした選挙運動中に、税金を上げないことを公約としていたことだ。選挙公約を支持する側から見れば、野田首相は裏切り者とみなされている。
さらに悪いことに、野田は、強力な官僚と、参議院を支配する自民党率いる野党に誘いをかけている。つまり、彼は自民党の総理大臣たちがやっていたのと同じように支配しているのだ。両陣営の党員が、そのことを受け入れ難く思っている。だが自民党員の多くは、自らが当初公約していた消費税案に反対したら、国民は、自民党をさらに軽蔑するだろうと恐れている。両陣営はまた、型破りな橋下徹大阪市長のことも恐れている。彼は国政で反体制の運動を始めようと目論んでいる。実質的に橋下が、自民党が野田首相と手を組むよう後押ししているのだ。
現在、与党と野党は、2014年と2015年に段階的に税率を引き上げるように駆け引きをしているようだ。そして国会の会期はおそらく1ヶ月延長され、毎年13.5兆円にもなる歳入の使い道を決めようとするだろう。自民党からの圧力下で、野田首相は、より実行不可能な年金、育児、貧困者救済に関する選挙公約からも撤退している。
更に、首相が信用の危機に瀕している理由となっているもう一つの信念は、「日本は、エネルギー不足による経済的な損失防止のためにいくつかの原子炉を再稼働する必要がある」というものだ。(福島の事故を受けた反原発感情のなか、54機すべての原子炉が停止された。)ここでも野田は自民党と協力している。独立した原子力規制機関がまもなく提案されるようだ。それによって、大阪を中心とした関西の産業県に電力供給する福井県の大飯原発再稼働の発表をいくらか後押しするだろう。
しかし、その後どうなるのか。差し当たって野田は、内部からの反対勢力は心配ないようにみえる。党内での彼の主な敵は、過去20年間、誰よりも長く政治的影響力を持ってきた小沢一郎だ。 だが、今週発覚したこと、小沢の妻が彼に最も近い支援者に、手紙で、2人の愛人と隠し子のことを伝えたことと、更に重要なのは彼の故郷岩手県の被災地訪問に何ヶ月もかかったことを非難していることによって、小沢の運命は転落した。
The public standing of the prime minister’s other foe, Mr Hashimoto, may have also peaked. The combative mayor is now having to make compromises that undermine his outsider status. He is backing away from a fervently anti-nuclear stance and he needs to mollify politicians in Tokyo to get their backing for sweeping administrative changes in Osaka. Local spending cuts are also harming his popularity.
東京に戻って、敵対勢力のメンバーの何人かは、自民党が今までopposition think that they can do business right through till next summer with the best prime minister the LDP never had. In effect, a kind of “grand coalition”, long favoured by the elites but always rejected by voters, would be at work. Mr Noda may prefer to see his twin aims passed into law and then call a snap election. On current form, he would lose. But it is when Mr Noda seems to care least about his own survival—and perhaps his party’s—that he is most effective.