念坊の愚直愚調

　　季節句
おほらかにサロベツ原野秋夕焼
口惜しや秋の風鈴泣いてをり

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
半袖や朝の散歩の腕の冷ゆ

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
改造をしてもヒビ入る屋台骨

念坊の愚直愚調

　　季節句
秋風や耳朶に蕭蕭身のしじむ
蟋蟀の聞き覚えさえ忘れけり

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
蘭と菊思ひめぐらす郷の娘や

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
避難多種地震水災弾道弾

念坊の愚直愚調

　　季節句
八月の諸大名みな働きて
長雨や銀河決壊ありぬべし

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
日の戻り地のあちこちのきらきらと

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
地球の環境破壊文明禍
仲良きは武器も宝の持ち腐れ

念坊の愚直愚調

　　季節句
残齢や多々思ひ入る夜半の秋
世近しの推敲むなし秋の月

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
遺像へ問はず語りて代返す

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
負けるが勝ち折り合う気持ち永遠の道
全地球理念の相違まさつ生む

念坊の愚直愚調

　　季節句
秋の日やもの静かなる汝が遺影
寸暇の世思ひ巡れば雲の峰

　　通年句　　　　　　　　　　　　　　　　　
余生をば知りたくもなし復あした

　　時事句　　　　　　　　　　　　　　　　　
あべ日本へ鉄柱飛ばすミサイル来