1.アメリカ同時多発テロ(9.11)の後、アメリカ政府はタリバン政権下にあるアフガニスタンへの攻撃を決定した。アメリカ軍によるアフガンへの報復攻撃を正当化する議論はだいたい以下のようなものだ。
アル・カイーダっていうテロ組織が、民間の飛行機を乗っ取ってビルに突っ込ませて大勢の人々を殺した。もちろん悪いのはアル・カイーダだ。このアル・カイーダってのは基本的には世界中に散々になってるテロ組織だ。けれどやっぱり司令部っていうか訓練所っていうか基地みたいなのはある。どこにある?アフガンにある。ついでにアル・カイーダのリーダーであるオサマ・ビンラディンもそこに潜伏しているらしい。でタリバン政権に「ビン・ラディンを引き渡せ」とアメリカは言う。タリバン側は「いやなこった」と突っぱねる。よくよくアメリカ側が調べてみると、タリバンはなかなかどうして、いろいろアル・カイーダに便宜を図っている。武器や土地を供与したり、テロリストを隠匿したり。これはよくない。「テロもテロを支援する国家も同じだ」とばかりにアメリカはアフガニスタンに空爆を開始する。
2.おーけ。以上の議論がとりあえず正しいとしよう。これによってアフガンへの攻撃が正当化されるとして、以下に進もう。
3.1979年、ニカラグアでサンディニスタ民族解放戦線が武装蜂起した。ソモサ大統領が米国に逃亡した結果、40年以上にわたるサモラ支配は終焉し、サンディニスタ革命が実現した。ところが、この革命を敵視したアメリカがCIAなどさまざまな組織を通じて反政府勢力で武装組織のコントラを支援した。コントラはアメリカから武器や資金、軍事技術の供与を受け、ゲリラやテロでもってニカラグア政府に攻撃する。1980年以降相次ぐテロ攻撃に多くの民間人が殺され、業を煮やしたニカラグア政府は国際司法裁判所(ICJ)に訴え出る。ICJは「米国のコントラ支援は国連憲章その他の国際法に違反する」と判決を下した。しかし、米国はコントラへの支援を止めることなく、むしろその度合いを高めていった。
4.さて、ここまでが歴史的な事実である。ここからは空想である。
5.コントラによる相次ぐテロ攻撃の後、ニカラグア政府はレーガン政権下にあるアメリカ合衆国への攻撃を決定した。ニカラグア軍によるアメリカへの報復攻撃を正当化する議論はだいたい以下のようなものだ。
コントラっていうテロ組織が、街角の飲み屋とかで爆弾を仕掛けて大勢の人々を殺した。もちろん悪いのはコントラだ。このコントラってのは基本的にはニカラグア中に散らばる反政府ゲリラ組織だ。けれどやっぱり司令部っていうか訓練所っていうか基地みたいなのはある。どこにある?アメリカににある。アメリカのCIAがコントラの兵士を訓練したり指示を出したりしている。しょうがないから国際司法裁判所に訴える。裁判所はレーガン政権に「コントラ支援はやめろ」と言う。アメリカ側は「いやなこった」と突っぱねる。よくよくニカラグア側が調べてみると、アメリカはなかなかどうして、いろいろコントラに便宜を図っている。武器や土地を供与したり、兵士を訓練したり。これはよくない。「テロもテロを支援する国家も同じだ」とばかりにニカラグアはアメリカに空爆を開始する。
5.「1」が正当化されるなら「4」も正当化されるのである。ニカラグアによるワシントン空爆を受け入れられる者のみが、アフガンへの空爆を支持できるのである。
6.以上の議論を明日の期末テストで繰り広げようと思う。
アル・カイーダっていうテロ組織が、民間の飛行機を乗っ取ってビルに突っ込ませて大勢の人々を殺した。もちろん悪いのはアル・カイーダだ。このアル・カイーダってのは基本的には世界中に散々になってるテロ組織だ。けれどやっぱり司令部っていうか訓練所っていうか基地みたいなのはある。どこにある?アフガンにある。ついでにアル・カイーダのリーダーであるオサマ・ビンラディンもそこに潜伏しているらしい。でタリバン政権に「ビン・ラディンを引き渡せ」とアメリカは言う。タリバン側は「いやなこった」と突っぱねる。よくよくアメリカ側が調べてみると、タリバンはなかなかどうして、いろいろアル・カイーダに便宜を図っている。武器や土地を供与したり、テロリストを隠匿したり。これはよくない。「テロもテロを支援する国家も同じだ」とばかりにアメリカはアフガニスタンに空爆を開始する。
2.おーけ。以上の議論がとりあえず正しいとしよう。これによってアフガンへの攻撃が正当化されるとして、以下に進もう。
3.1979年、ニカラグアでサンディニスタ民族解放戦線が武装蜂起した。ソモサ大統領が米国に逃亡した結果、40年以上にわたるサモラ支配は終焉し、サンディニスタ革命が実現した。ところが、この革命を敵視したアメリカがCIAなどさまざまな組織を通じて反政府勢力で武装組織のコントラを支援した。コントラはアメリカから武器や資金、軍事技術の供与を受け、ゲリラやテロでもってニカラグア政府に攻撃する。1980年以降相次ぐテロ攻撃に多くの民間人が殺され、業を煮やしたニカラグア政府は国際司法裁判所(ICJ)に訴え出る。ICJは「米国のコントラ支援は国連憲章その他の国際法に違反する」と判決を下した。しかし、米国はコントラへの支援を止めることなく、むしろその度合いを高めていった。
4.さて、ここまでが歴史的な事実である。ここからは空想である。
5.コントラによる相次ぐテロ攻撃の後、ニカラグア政府はレーガン政権下にあるアメリカ合衆国への攻撃を決定した。ニカラグア軍によるアメリカへの報復攻撃を正当化する議論はだいたい以下のようなものだ。
コントラっていうテロ組織が、街角の飲み屋とかで爆弾を仕掛けて大勢の人々を殺した。もちろん悪いのはコントラだ。このコントラってのは基本的にはニカラグア中に散らばる反政府ゲリラ組織だ。けれどやっぱり司令部っていうか訓練所っていうか基地みたいなのはある。どこにある?アメリカににある。アメリカのCIAがコントラの兵士を訓練したり指示を出したりしている。しょうがないから国際司法裁判所に訴える。裁判所はレーガン政権に「コントラ支援はやめろ」と言う。アメリカ側は「いやなこった」と突っぱねる。よくよくニカラグア側が調べてみると、アメリカはなかなかどうして、いろいろコントラに便宜を図っている。武器や土地を供与したり、兵士を訓練したり。これはよくない。「テロもテロを支援する国家も同じだ」とばかりにニカラグアはアメリカに空爆を開始する。
5.「1」が正当化されるなら「4」も正当化されるのである。ニカラグアによるワシントン空爆を受け入れられる者のみが、アフガンへの空爆を支持できるのである。
6.以上の議論を明日の期末テストで繰り広げようと思う。