Bye Bye 2007

私は腹が立つとたばこの数がふえる。
きっとそれは呼吸を整えるためであり、
大きなため息をつくためでもあるんだろう。
その日も布団の上でうなだれるＭを横目にベランダに出た。
せっかくお風呂入ったのに。せっかく歯磨いたのに。
休みの夜中に寒いベランダでこごえながら、
空を見上げてたっぷり白い息を吐いた。

そんな日もあった。

きのう帰りにスタバでお茶をしていたら
Ｍが突然黒い上着の中から箱にも袋にも入っていない
裸のままのスニーカーを取り出した。
ルチャのマスクみたいに派手な色遣いのナイキ。
ずっとプレゼントあげられなかったから、って。
すごく嬉しかった。
左足の中に手紙が入ってた。たどたどしい文面。
声に出して読んで、二人して笑った。
そんなもんだ。

今年も年末進行は忙しかったな。
あんな殺人的量をよくこなしたものだと我ながら思う。
今年ももうすぐ終わり。
流れる年月。

悪くない。悪くなかったよ、今年も。

やるしかないんです

訳もわからずＭが突然不機嫌になることが今週何度かあって、
（残業して帰ってきたらプチ家出とか勘弁してください）
それが今日で３度目。

それでも持ち直さなきゃどうにもならないと、
外で食事をしたり、代々木上原～代々木八幡あたりを
ふたりで散歩したけれど、
声のトーンと素振りがお互いぎこちないまま、夜。

いたたまれず今度は私が家を出てきた。
原因と結果、原因と結果……
いくら考えても思い当たらない。
そういう私のものの考え方が理屈っぽいのか……
悶々。

思考停止したくて漫喫。

古谷実「ワニトカゲギス」、安野モヨコ「働きマン」を
ひたすら読み倒す。
サンデーナイトに何やってんだよ、まったくもー。

帰ってコンビニのおにぎりとカップラーメン食べて、寝た。

なんだかんだあったってやるしかなくて、
かわいく泣きついたりできないのは、松方と一緒だな。

冬が好きだ って話

去年の年末は実家に帰らずにＭと二人ですごしていた。
大晦日は家で天ぷらを揚げて、紅白を見ながら年越しそばを食べた。
かき揚げが思ったよりも多く出来すぎて慌てたんだった。
（そういえばうちの母もかき揚げを作ると決まって山盛りになってしまう）
その後何かくだらないことで少しケンカをして
行こうと言っていった初詣は自然と流れ、ふて腐れて寝た。
そんなことがもう懐かしい。

今年は紅葉がことさら美しく感じる。
降り重なった落ち葉の道を見つけるといつまでも歩いていたくなる。
最高裁のあたりは銀杏の葉が掃かれることもなくそのままの状態で、
神宮外苑の銀杏並木には及ばないながらもこれはこれでなかなかよく、
毎朝通勤の時に通りかかるたび豊かな気持ちになる。

さむさむ言いつつもフード付きのコートに首をうずめながら
テラス席で飲むコーヒーは、夏にクーラーでキンキンに冷えた店で飲む
アイスコーヒーより断然好みだ。
先月短く切った髪のせいで襟足が少しスースーするけれど、
だからこそマフラーの巻き甲斐もあるってもの。
だいたい冬に後ろ結びするマフラーそのものが、なんだか私は好きだ。

このごろは先に眠っているＭに後ろからぴったりくっついて
ぬくもり泥棒していると、毎晩すとんと眠りに落ちる。
これもまた、あぁ冬っていいなと思う瞬間。