僕は病院が嫌いだ。病院が好きな人なんていないと思う。
でも体調を壊した時や大きな病を宣告されると行かざるを
得ない。
風邪をひいた時、腹痛や頭痛、鼻炎、虫歯。。。。。
今回、癌と告知を受けたのは東京の病院で名も知れている大学病院だった。
素人感覚で有名な病院で大きな病院なら大丈夫だろうと思った。
そしてその病院で診てもらった。
告知を受けるまでの診察は特に不愉快な思いをすることはなかった。
レントゲンとMRIの検査結果では特に問題ない、手術の必要も無い、
ほっておいても治ると言われた。
でも僕が気持ち悪いから切って取ってくださいと言って手術して
切ってもらうことになった。
ただの1cmくらいの腫れ物と思っていた。
手術後の病理検査で悪性と診断されて告知を受けた時は
ただ驚くことで精一杯。
その後の広範囲切除手術の説明をされて僕は
そんなことしたくありませんとはっきりとした口調で言った。
すると何を言ってるんだと感情的に言われた。
僕はそれに違和感を感じた。この人だと安心できないと。
悪い人ではないと思う。ただ安心できないと怖さは消えないと思った。
親族の医者に相談し信用できる医者を紹介してもらった。
そこで出会った医者は決して感情的にならずとても冷静でいて聡明な
雰囲気だった。真面目さも垣間見られ、僕はこの人なら安心できると
自分に太鼓判を押した。その先生の診察の経過経路は全くもって
信頼に値するものだった。まずは本当に癌なのか、今現在体内に
腫瘍はあるのか、転移しているのか、きちんと検査をして調べて
くれた。安心できないと判断した病院から切除した腫瘍の細胞を
取寄せて再度病理検査をしてくれた。
結果は変わらなかったけど、適切な検査を経ての結果ならとても
納得できる。信頼できる。安心できる。
病名の
滑膜肉腫の病理検査は日本一だと親族の医者から聞いた。
病理検査が信用できないと病気でなくても病気と診断される。
こんな頼もしい病院で治療が受けられるなら、この先生に
手術してもらえるならと希望に満ちた安心感を抱きながら
手術を受けることを決断できた。
術後も先生に会うのが嬉しくて仕方なかった。先生に言われたことは
守ろう、我慢しよう、がんばろうって素直に思えた。
自然と入院生活も笑顔になる。
当然術後の回復も早かった。
ちょっとでも違和感を感じたら病院は変えた方が良い。
結局自分の体である訳で自分が安心して治療を受けられる
環境をみつけることが重要なんだと今回の病気で痛感した。
この病院で入院中にお世話になった看護師の人達も
みんな一生懸命でとても安心できたし信頼できた。
抗がん剤は他の病院で受けた。病棟が一杯で再入院できなかったからだ。
病院が変わり、食事も不味い、看護師も信用できない、
信用できるのは先生だけ。居心地のよい病院から
真逆の病院で入院するとストレスも多くイライラしていた。
自分に合う病院、合わない病院がある。
抗がん剤治療は点滴をうつだけなので我慢できた。
そうじゃなかったら断ってたと思う。
病院が有名だから、大きいから、患者さんが多いからと
いうのは1つの選択肢ではあるけれど
自分に合うかどうかが重要だということを
痛感した。