先日のBASK‼︎‼︎な夜では""三者三様""というショウタイムがありました
これは3人のダンサーのソロであり、また打楽器奏者の私のソロでもありました
ソロ対ソロ
1対1
裸対裸
ごまかしのきかないショウタイム
ATSUSHI、FUSE、GAN
それぞれで使った楽器にも個性とプライドがありました
自然と楽器がプレイヤーを選ぶんですね
本当に
ATSUSHIのソロ
ライヴでは初登場のウドゥドラムのTAMBUTAを使いました
(ウドゥドラムとは陶器製のツボのドラム。ナイジェリアのイボ族から発祥したと伝えられています)
これがハマりました
ATSUSHIにしかできないTAMBUTAとのマッチアップ
ATSUSHIからはいつも、人間の血の流れを感じます
土を水で捏ね火で焼き風で乾かす
ATSUSHIはこの壺のドラムが楽器として完成するまでをダンスで表現しました
TAMBUTAの壺に水が滴るようなサウンドとATSUSHIの持つ世界観が見事に融合した瞬間でした
FUSEのソロ
FUSEの発想にはいつも驚かされます
絶対にミュージシャンには思いつかない切り口でアレンジを考えてくる
今回の三様三様でも彼が指定した楽器は、なんとカシシ‼︎
(カシシ(Caxixi)とは細めの木で編んだ入れ物の中に豆や木の実などを入れて演奏するシェイカーのような打楽器。アフリカや南米が発祥とされますが、ブラジル音楽やカポエイラでビリンバウの演奏で使われる事が多い)
このミニマムなカシシのサウンドを最大限のダイナミクスを使っての演奏
この時は演奏というより2人で芝居をやっているような感覚でした
カシシだけのサウンドではなく、オーディエンスの声、足音、無音を巧みに織り交ぜたFUSEならではの素敵な空間が会場を包みました
GANのソロ
""三様三様""ラストはGAN
使用楽器はシンバル1枚
(シンバルはトルコ発祥といわれています。その他に中国発祥という説もありますが、世界的にもトルコのシンバルが流通の多数をしめています。
今回も1960年代にイスタンブールで製作された16インチのライドシンバルを使いました)
これはまさに裸一貫というパフォーマンスだったと思います
常にシンバルからは無限の宇宙を感じていますが、この日は更にそれを強く感じる瞬間でした
GANはショウの前日にある事を言いました
シンバルプレイに合わせるのではなく、自分の踊りに音を付けてもらう感覚で踊ると
これはダンサーの中でも1番付き合いが長く私のプレイを熟知しているからこそのGANのチャレンジだと感じました
完全即興での一発勝負に裸一貫で挑み、お互いに今できる全てを出し尽くして本気で宇宙までぶっ飛んだ瞬間でした
この""三様三様""
後から気がついたのですが、使った楽器にいわゆる皮物のパーカッションが無く、すべて体鳴楽器でした
自然の力を改めて感じ自然の力に深く感謝を捧げました
土と水と火と風で創られたウドゥ、豆や木の実で編み込まれたカシシからは地球とその営みを、シンバルからはやはり無限の宇宙を感じました
そして何よりパフォーマンスをするもの自身が覚悟と勇気を持ってステージに上がるという事を強く感じた夜でした
3人のダンサーには心から感謝です