ある日のジイちゃん

ジイちゃんも８０歳を過ぎ
益々物忘れが激しくなってきて
さすがに痴ほうと呼ぶべく状態になってきた。
いろんな薬は飲んでいるものの
まだまだ体は達者で
なんと言っても口癖が
「ワシはどっこも悪ないんや。
　けど　耳は昔から悪かった」だ。
一応　薬でフォローしてもらってるんだよと
心の中でつぶやいておく（笑）

ある日　耳が悪いジイちゃんの
大事な大事な補聴器が無くなった。
当然　本人が何処かへ置き忘れたのだが
今した事も覚えていられないので
ジイちゃんに聞いても？？？
家族はさあ大変。
特にバアちゃんは家中さがして大騒ぎ。
それでもないものだから
仕方なく翌日新しい補聴器を購入すべく
お店に電話して段取りをし
ジイちゃんを連れて行こうと声をかけに行くと、、
なんと寝転んでいるジイちゃんの耳には
しっかり補聴器がつけられておった。
「ジイちゃん　補聴器あったん？」
と聞くと
「おお、あった。」
それなら言ってくれよ～と怒る前に
ジイちゃんの　余りにもあっけらかんとした様子に
力も抜け
「見つかって良かったねぇ～」
と思わず笑いながら言っていた私。
ジイちゃんの耳に戻ったのも知らず
ず～と探していたんだけど。
ま、いいか♪

家族の予想をはるかに超えた
ジイちゃんの日常は続く。。。