実家におりますと、
色んなモノが出てまいります。
基本的に捨てられないタチで、
部屋を片せと言われますと、
それはそれは懐かしいモノが現れます。
そう。
実家の中でも引越しをしているもんで、
もぉかれこれ一月は部屋か片付かない。
6畳弱の(アップライトのピアノもある)部屋から7畳へ。
広くなったけど、
とにかく汚い。
片付かない。
まぁそんなこんなでね、
旧あたしの部屋のモノの最終片付けに取り掛かっていたところ、
数年分の手帳が出て来たのです。
そこからこれまた色んなモノが出てくるよね。
日記とかね、
なんやかやね。
その中に一通の手紙。
めぇーーーーっっちゃくちゃ懐かしい手紙でした。
懐かしすぎて、
涙が出てきちまいやした。
可愛かったなぁ、
と。
子供だったなぁ、
と。
でもあの頃は必死で必死で、
一生懸命恋をしていた。
恋しかしていなかったから、
見えなくなったものも沢山あった。
もしも今みたいに生きていたなら、
そんなことはなかったんじゃないかって思うんだけど、
それはそれで思い上がっているだけであって、
失敗しなければ気づかなかったこともたくさんあったのです。
もうこの手紙のことなんて忘れてるでしょう?
長い人生のほんの一欠片で重なった時間の中で、
それなのにあたしはどれだけ心を奪われたのだろう。
何もわからない。
今何をしていて、
何を考えていて、
誰を想っているのだろう。
キミとの思い出は、
いつも夏。
キミの好きな冬がもうすぐ終わって、
あたしの好きな春が来る。
何もわからない。
何もわからないから、
生きていてくれればそれで良い。
同じ空の下で生きていればそれで良い。
あたしは相変わらずキミの幸せを想ってる。
だけどね、
この手紙のことなんて忘れているだろうけどね、
あの頃と同じ様に「待っててくれ」って言ってくれれば、
あたしはキミを信じて待っているのに。
なぁーんて、
おこがましいね。
やっぱり、
季節は夏、
あの夏に欲しかった言葉は、
これだったのかもしれない。