メール

新しい治療で副作用がつらいようだ。私や娘に会いたいと、メールがくる。何をいまさら…。病気がわかった時さえ、自分の病状を軽く見て、不倫相手にメールしていたのを私はみている。メールする相手を間違えているんじゃないのと言ってやりたい。
なんて虫がいい人なんだらうと思いながらも、拒絶し続けることはつらい。もういい人なんてやめるんだと自分に言い聞かせる。お人よしの人生とはさようならだ。毎日がつらい。もう私に何も求めないでほしい。

メール

ついに不倫相手に、メールしてしまいました。あなたのせいで苦しいと…。言いたいことはあふれるほどあるのに、多すぎて言葉にならず、息苦しい思いだけが心に満ちてしまいます。でも、確かに短い言葉だけど伝えることができました。相手からの反応はありませんが。
TVや雑誌で、グルメやファッションと同じように不倫を語らないでほしいです。自分の夫や父親が当事者になってもそんなのんきなことを言っていられるのでしょうンか。信頼は壊され周りの多くの人が傷つき悲しむことを考えてほしいのです。

行動

担当医からの話は、薬を変えることだった。でも、希望とは思えない。今の治療に効果がないからということだろう。
気づけばTVでは盛んに節電の話題。確実に時計は動いている。不倫相手への憎しみが募り毎日苦しい。自分が消えてしまいたい。大きな岩がつまっている。人の苦しみなど想像できない心ない人が不倫とかするのだろう。そして今も平気で生きている。この理不尽さがつらい。

現実

逃れようとしていたけれど、現実は容赦がない。担当医から来週、今後についてのお話がある。以前、ホスピスという選択肢についてはなしがあった。その時はまださきのことだと思っていてが、時間は確実に進んでいた。
私の気持ちは、不倫を知ったその日の衝撃から立ち直れない。何の話か、よい話ではないことは予想がつく。
不倫相手からの謝罪を求めているが、一向に進展がない。少しでも、気持ちに変化が起こるかと思ったが、彼が本当に動いているかも疑わしい。不信が募るばかり…。

いのち

昨年の震災でたくさんの、尊いいのちが奪われました。理不尽にも奪われたいのちに、恥じないように生きたいと思う反面、生きることのつらさに負けそうな毎日です。
彼の命は確実に終焉にむかい、私たち家族は名ばかりのまま終わってしまうのでしょう。
温かい家庭を作ることが私の夢であり目標でした。もう、叶わないと思うと絶望感に襲われます。
病気という神様から与えられた最後のチャンスを彼は打ち捨てました。私からの誠意も捨てられました。
今更の言葉になんの価値があるでしょう。彼がしてきたことがすべてです。