岩ぽんが言った。「お前らどうやって子供が出きるか知ちょるか?」
僕たちは小学生だった。旧校舎の跡地を掃除している時の事であった。
さて、何年前の話だ?確か新校舎が出来てまもない頃の話だから、小学校3年生とか4年生の頃だ。
僕たちは62歳なので、えっ?そうか!50年も前という事になる。
やれやれ
それから僕たちは、いろんな事があった。個人的に言うと髪の毛も薄くなったし、歯も抜けた。借金はないけど金はない。
だけど、人生を振り返ってみて、笑ったり泣いたりの、感情をグラフ化したら、笑っている数値が高いと思う。
そうだ、これも思い出した。この頃は毎日笑っていたのだ。
僕たちは岩ぽんを、中心にホウキを握りしめ岩ぽんの次の言葉を待った。
「これは男と女、そして夜の話だ。まずさ、男が女のシャツのボタンを1個づつ外すんだ」
「おっお、それは上からか?下からか?」
「それは上からよ。それは焦っちゃ駄目なんよ。ゆっくりとゆっくりと、肩から滑らすように、、」
僕たちは息をのむ。
「そんな時、女は色もの下着を着けているんだ」
「色物って?」
「赤だな」
「赤か、、そんなものどこに売っちょるんか?」
「大丸だな」
「お前、大丸に行った事あるんか!大丸って何でもあるんやな!」
「で、、その後男も女も全部脱ぐんよ」
「ぜぜぜ、、全部!!パパンツもか?」
「当たり前だろ、2人で風呂に入りるんだけぇ」
ヤバイ‼️想像すらついていけん。僕たちはホウキを握りしめた。焼却炉から白い煙が僕たちの前を通りすぎた。
「風呂に入ったらとにかく身体を暖めるんよ。身体が最高に暖まったら身体は拭かずに布団に入るんだ」
「なんで体を拭かんのよ?」
「慌てるなって。2人が布団に入ると強く抱きしめる。そしたら、凄い熱が出て風呂で濡れた身体がカラッからになる位になったら男の魂が女に入り込む」
僕たちは、呆然とした。
「そ、それで、子供が出来るんか?俺たちはそうやって出来たんか?」
「そうで」
「そうなんか、、岩ぽん凄いな!博士や」
「まあな」
チャイムが鳴った。僕たちは岩ぽんを先頭に新校舎へ戻った。
その放課後、西村とエージが登り棒を何度も滑りおりていた。そして、子供を作る核心の話をしていたとか?していなかったとか?