写真と本文は関係ありません。
また、ある時、近所の子供を集めて 「天狗を見せてやろうか」 と言う
子供は興味があるから 「見せてくれ」と言うと
「ねんごろ 見よれ」と言って 祈念をしはじめた
すると 何処からとも無く 天狗が杉垣の上に来て
赤い顔 高い鼻 八手のうちわを持っているのを子供達は見たのである
しばらくすると どこかへ行っていなくなったという
この天狗 子供の時見たという人から 自分は聞いている
また、夏の終わりには
物部川の鮎が太り20cm~25cmになり浅瀬に群を作って泳いでいる
ある日の事 近所の子供に
「今、鮎をたくさん拾わせてやるから」
と言って子供を川に連れて行き 川下の浅瀬に待たせておき
自分は一段高いところから 秘法 明居古の九字を切る 12回念ずると
今まで元気に泳いでいた鮎が 急に腹を上にして川下へ流れていく
川下では 子供達が喜んで 夢中で拾っていたという
また、作者の従兄弟に宗石兼七という者がいて昭和47年まで保土野に住んでいた
彼も又、子供の時 天狗を見せてもらったり、鮎を拾ったことがあると話していた
他に 彼は 角次祈祷師から 色々習ったとも話してくれた
その中で 明居古の九字を習ったので 法試しに使ってみたという
修行が足らんのか鮎が腹を白く見せたが 流れはしなかったと聞いた
また、大正の終わりごろ頃までの話であるが
茶碗に入れた小豆を 法文で 食べれるように炊くのがあった
箸はお盆の下につけて 食べてくださいと言って 出していたとのことである
また、
山で木材を搬出するにトビ・ツルを使った
これは木に打ち込んで引き寄せる道具であり 穂先がちびると抜けるので
穂先を自分で焼いて金床の上で土で叩いて直すのである
なんと 真っ赤に焼けたトビを素手で掴んで穂をつけていたという
これも 見たという人から我が聞いたのである
どんなに思っても真っ赤に焼けた鉄を素手で掴むのは不可能と思う
何かを知っていたのではと思っている
また、昭和53年までいた人で変わった人がいたのである
リンゴを気合一つで割ることができたという
どんなリンゴでも いくつでも割っていたのを自分は見ている
現在では どんなに考えても理解できないようなことが 本当にあったのである