第三章 経理
(事業年度)
第十七条 銀行の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(資本準備金及び利益準備金の額)
第十八条 銀行は、剰余金の配当をする場合には、会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金として計上しなければならない。
(業務報告書等)
第十九条 銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。以下同じ。)に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、前項の報告書のほか、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 前二項の報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(貸借対照表等の公告等)
第二十条 銀行は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、中間貸借対照表等及び貸借対照表等のほか、内閣府令で定めるところにより、当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間連結貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「連結貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
3 中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもつて作成することができる。
4 銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等を公告しなければならない。ただし、やむを得ない理由により当該三月以内にこれらの書類の公告をすることができない場合には、内閣総理大臣の承認を受けて、当該公告を延期することができる。
5 前項の規定にかかわらず、その公告方法(会社法第二条第三十三号(定義)に規定する公告方法をいう。以下同じ。)が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行は、内閣府令で定めるところにより、中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結対照表等及び連結貸借対照表等の要旨を公告することで足りる。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
6 前項に規定する銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等の内容である情報を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等の内容である情報を、五年間継続して電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、第四項の規定による公告をしたものとみなす。
7 金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない銀行については、前各項の規定は、適用しない。
(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二十一条 銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、当該銀行の営業所(無人の営業所その他の内閣府令で定める営業所を除く。次項及び第四項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項の規定により作成した書類についても、同様とする。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、前項前段の規定により作成した書類とともに当該銀行の営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項及び第二項の規定により作成した書類についても、同様とする。
3 第一項前段又は前項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
4 第一項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、銀行の営業所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
5 前項の規定は、第二項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類について準用する。
6 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
7 銀行は、前各項に規定する事項のほか、預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
(事業報告等の記載事項等)
第二十二条 銀行が会社法第四百三十五条第二項(計算書類等の作成及び保存)の規定により作成する事業報告及び附属明細書の記載事項又は記録事項は、内閣府令で定める。
(株主等の帳簿閲覧権の否認)
第二十三条 会社法第四百三十三条(会計帳簿の閲覧等の請求)の規定は、銀行の会計帳簿及びこれに関する資料については、適用しない。
第四章 監督
(報告又は資料の提出)
第二十四条 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行の子法人等(子会社その他銀行がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項、次条第二項及び第五項並びに第四十七条第二項において同じ。)又は当該銀行から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含み、前項の銀行代理業者を除く。次項並びに次条第二項及び第五項において同じ。)に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第二十五条 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に銀行の子法人等若しくは当該銀行から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、銀行に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 前条第三項の規定は、第二項の規定による銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。
(業務の停止等)
第二十六条 内閣総理大臣は、銀行の業務若しくは財産又は銀行及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該銀行の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して当該銀行の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは当該銀行の財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であつて、銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況によつて必要があると認めるときにするものは、内閣府令・財務省令で定める銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況に係る区分に応じ、それぞれ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第二十七条 内閣総理大臣は、銀行が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人の解任を命じ、又は第四条第一項の免許を取り消すことができる。
第二十八条 内閣総理大臣は、前二条の規定により、銀行に対し、その業務の全部又は一部の停止を命じた場合において、その整理の状況に照らして必要があると認めるときは、第四条第一項の免許を取り消すことができる。
(資産の国内保有)
第二十九条 内閣総理大臣は、預金者等の保護その他公益のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、政令で定めるところにより、銀行に対し、その資産のうち政令で定めるものを国内において保有することを命ずることができる。
第五章 合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受け
(合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可等)
第三十条 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併後存続する会社又は当該合併により設立される会社が銀行であるものに限るものとし、金融機関の合併及び転換に関する法律第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。以下この章において「合併」という。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 銀行を当事者とする会社分割は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 銀行を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受けは、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 銀行が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(これらの法人をもつて組織する連合会を含む。以下この章において「信用金庫等」という。)から事業の全部又は一部を譲り受ける場合においては、当該信用金庫等を会社とみなして、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第十六条(事業の譲受け等の制限)及び同条に係る同法の規定を適用する。
第三十一条 内閣総理大臣は、前条の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 前条の規定による合併、会社分割、事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(以下この条において「合併等」という。)が、当該合併等の当事者である銀行等(銀行及び長期信用銀行をいう。第五十二条の六十一を除き、以下同じ。)又は信用金庫等が業務を行つている地域(会社分割により事業の一部を承継させ、若しくは承継する場合又は事業の一部の譲渡若しくは譲受けに係る場合にあつては、当該一部の事業が行われている地域に限る。)における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、適当なものであること。
二 合併等が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないものであること。
三 前条の認可の申請をした銀行又は合併により設立される銀行が、合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
(みなし免許)
第三十二条 第三十条第一項の認可を受けて合併により設立される銀行業を営む会社は、当該設立の時に、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたものとみなす。
(合併の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条 銀行が合併の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
(会社分割の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条の二 銀行が会社分割の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
2 会社法第七百五十九条第二項及び第三項(株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十一条第二項及び第三項(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十四条第二項及び第三項(株式会社を設立する新設分割の効力の発生等)並びに第七百六十六条第二項及び第三項(持分会社を設立する新設分割の効力の発生等)の規定は、前項の規定により催告をすることを要しないものとされる預金者等その他政令で定める債権者には、適用しない。
(事業の譲渡又は譲受けの場合の債権者の異議の催告等)
第三十四条 銀行を当事者とする事業の全部の譲渡又は譲受けについて株主総会の決議(会社法第四百六十八条(事業譲渡等の承認を要しない場合)の規定により同法第四百六十七条第一項(事業譲渡等の承認等)の決議によらずに事業の全部の譲受けを行う場合には、取締役会の決議又は執行役の決定)がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の全部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 第一項の規定にかかわらず、銀行が、同項の規定による公告を、官報のほか、第五十七条の規定による定款の定めに従い、同条各号に掲げる公告方法によりするときは、同項の各別の催告は、することを要しない。
4 債権者が第一項の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該事業の全部の譲渡又は譲受けについて承認したものとみなす。
5 債権者が第一項の期間内に異議を述べたときは、当該銀行は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む他の金融機関に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該事業の全部の譲渡又は譲受けをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
第三十五条 銀行を当事者とする事業の一部の譲渡又は譲受けについて株主総会若しくは取締役会の決議又は執行役の決定がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の一部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告することができる。ただし、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定によりされた公告及び催告に係る債権者の異議について準用する。
(会社分割又は事業の譲渡の公告等)
第三十六条 銀行は、会社分割により事業の全部若しくは一部を承継させ、又は事業の全部若しくは一部を譲渡したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
2 その公告方法が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行が前項の規定による公告をしたときは、当該公告をした銀行の債務者に対して民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があつたものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもつて確定日付とする。
第六章 廃業及び解散
(廃業及び解散等の認可)
第三十七条 次に掲げる事項は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 銀行業の廃止に係る定款の変更についての株主総会の決議
二 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(第三十条第一項に規定する合併及び金融機関の合併及び転換に関する法律第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。)
三 銀行の解散についての株主総会の決議
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該銀行業の廃止、合併又は解散が当該銀行の業務及び財産の状況に照らしてやむを得ないものであること。
二 当該銀行業の廃止、合併又は解散が、当該銀行が業務を営んでいる地域における資金の円滑な需給及び利用者の利便に支障を及ぼすおそれのないものであること。
3 内閣総理大臣は、第二十六条第一項又は第二十七条の規定による業務の全部又は一部の停止の命令をした銀行から第一項の認可の申請があつた場合においては、当該銀行に対し、同項の認可をしてはならない。これらの命令をすること又は同条の規定により第四条第一項の免許を取り消すことが必要であると認める銀行から第一項の認可の申請があつた場合も、同様とする。
(廃業等の公告等)
第三十八条 銀行は、前条第一項の認可を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、直ちに、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告するとともに、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者に通知し、かつ、一月を下らない期間、すべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
(定款の解散事由の規定の効力)
第三十九条 銀行は、会社法第四百七十一条第一号及び第二号(解散の事由)の規定にかかわらず、同条第一号又は第二号に掲げる事由によつては、解散しない。
(免許の取消しによる解散)
第四十条 銀行は、第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたときは、解散する。
(免許の失効)
第四十一条 銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。
一 銀行業の全部を廃止したとき。
二 会社分割により事業の全部を承継させ、又は事業の全部を譲渡したとき。
三 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により銀行を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 当該免許を受けた日から六月以内に業務を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
(免許の取消し等の場合のみなし銀行)
第四十二条 銀行が第二十七条若しくは第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消された場合又は前条の規定により当該免許が効力を失つた場合においては、当該銀行であつた会社は、第三十六条、第三十八条及び第四十六条第一項の規定の適用については、なお銀行とみなす。
(他業会社への転移等)
第四十三条 銀行が第四十一条第一号の規定に該当して第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つた場合において、当該銀行であつた会社に従前の預金又は定期積金等の債務が残存するときは、政令で定める場合を除き、内閣総理大臣は、当該会社が当該債務を完済する日又は当該免許が効力を失つた日以後十年を経過する日のいずれか早い日まで、当該会社に対し、当該債務の総額を限度として財産の供託を命じ、又は預金者等の保護を図るため当該債務の処理若しくは資産の管理若しくは運用に関し必要な命令をすることができる。
2 前項の規定は、銀行等以外の会社が合併又は会社分割により銀行の預金又は定期積金等の債務を承継した場合について準用する。
3 第二十四条第一項並びに第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、前二項の規定の適用を受ける会社について準用する。
(清算人の任免等)
第四十四条 銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許の取消しにより解散した場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
2 前項の場合を除くほか、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を解任することができる。この場合においては、裁判所は、清算人を選任することができる。
3 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、清算をする銀行(次項並びに次条第三項、第五項、第七項及び第八項において「清算銀行」という。)の清算人となることができない。
4 清算銀行の清算人に対する会社法第四百七十八条第八項(清算人の就任)において準用する同法第三百三十一条第一項第三号(取締役の資格等)の規定の適用については、同号中「この法律」とあるのは、「銀行法、この法律」とする。
(清算の監督)
第四十五条 銀行の清算は、裁判所の監督に属する。
2 銀行の清算の監督は、銀行の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
3 裁判所は、清算銀行の清算事務及び財産の状況を検査するとともに、当該清算銀行に対し、財産の供託を命じ、その他清算の監督に必要な命令をすることができる。この場合においては、当該検査をさせるため、特別検査人を選任することができる。
4 会社法第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第一号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は前項前段の規定による命令について、同法第八百七十四条(第二号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は同項後段の規定による特別検査人の選任について、それぞれ準用する。
5 裁判所は、第三項後段の規定により特別検査人を選任した場合には、清算銀行が当該特別検査人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
6 会社法第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の報酬の額の決定について準用する。
7 清算銀行の清算人は、その就任の日から二週間以内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
一 解散の事由(会社法第四百七十五条第二号又は第三号(清算の開始原因)に掲げる場合に該当することとなつた清算銀行にあつては、その旨)及びその年月日
二 清算人の氏名及び住所
8 清算銀行の清算人は、会社法第四百九十二条第三項(財産目録等の作成等)の規定により同項に規定する財産目録等について株主総会の承認を受けた場合には、遅滞なく、当該財産目録等(当該財産目録等が電磁的記録をもつて作成されている場合にあつては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を裁判所に提出しなければならない。
(清算手続等における内閣総理大臣の意見等)
第四十六条 裁判所は、銀行の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、内閣総理大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 内閣総理大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により内閣総理大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第七章 外国銀行支店
(外国銀行の免許等)
第四十七条 外国銀行が日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は、内閣府令で定めるところにより、当該外国銀行の日本における銀行業の本拠となる一の支店(以下この章において「主たる外国銀行支店」という。)を定めて、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けなければならない。
2 前項の規定により外国銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたときは、その主たる外国銀行支店及び当該外国銀行の日本における他の支店その他の営業所(以下この章において「従たる外国銀行支店」という。)(以下この章において「外国銀行支店」と総称する。)を一の銀行とみなし、当該外国銀行の日本における代表者を当該一の銀行とみなされた外国銀行支店の取締役とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、第四条の二、第五条、第六条、第七条の二第四項、第八条、第十二条の二第三項、第十三条第二項及び第四項、第十四条第二項、第二章の二、第十七条、第十八条、第十九条第二項、第二十条第二項、第二十一条第二項、第二十二条、第二十三条、第二十四条第二項及び第三項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第二十五条第二項及び第五項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第三十条第一項及び第二項、第三十二条から第三十三条の二まで、第三十六条(会社分割に係る部分に限る。)、第三十七条第一項第二号及び第三号、第三十九条、第四十条、第四十一条第二号(会社分割に係る部分に限る。)及び第三号、第四十三条、第四十四条、第七章の三、第五十三条第一項(第一号、第五号及び第八号を除く。)、第二項、第三項及び第六項、第五十五条第二項及び第三項、第五十六条第五号から第九号まで、第五十七条並びに第五十七条の二第二項の規定を除く。
3 前項の場合において、第十条第二項(第八号の二に係る部分に限る。)及び次章の規定並びにこれらの規定に係る第九章及び第十章の規定の適用については、外国銀行支店に係る外国銀行の主たる営業所及びその外国における支店その他の営業所(以下この項において「外国銀行外国営業所」と総称する。)は、一の外国銀行とみなし、当該外国銀行支店が行う当該外国銀行支店に係る外国銀行の外国銀行外国営業所とその顧客の取引の仲介(外国銀行の業務の代理又は媒介に相当するものとして内閣府令で定めるものに限る。)は、当該一の外国銀行の業務の媒介とみなし、当該取引の仲介に係る外国銀行外国営業所は、当該外国銀行支店が当該一の外国銀行の業務の媒介の委託を受ける旨の契約の相手方とみなす。
4 外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許に係る特例、外国銀行支店に対しこの法律の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(外国銀行支店の資本金に対応する資産の国内保有)
第四十七条の二 外国銀行支店は、常時、政令で定めるところにより、十億円を下回らない範囲内において政令で定める額以上の資本金に対応する資産を国内において保有していなければならない。
(従たる外国銀行支店の設置等)
第四十七条の三 外国銀行支店は、従たる外国銀行支店の設置、種類の変更又は廃止をしようとするときは、内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(外国銀行支店の事業年度)
第四十七条の四 外国銀行支店の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までの期間又は当該外国銀行支店に係る外国銀行の事業年度の期間と同一の期間(当該期間が一年であるものであつて、当該期間の開始の日が各月の初日であるものに限る。)とする。ただし、事業年度の開始の日を変更する場合における変更前の最後の事業年度については、変更後の最初の事業年度の開始の日の前日までとする。
(外国銀行支店の資料の提出等)
第四十八条 内閣総理大臣は、外国銀行支店の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行支店(当該外国銀行支店を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、外国銀行支店に係る外国銀行(当該外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(外国銀行支店の届出)
第四十九条 外国銀行支店は、当該外国銀行支店に係る外国銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 資本金又は出資の額を変更したとき。
二 商号又は本店の所在地を変更したとき。
三 合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四 解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五 銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六 破産手続開始の決定があつたとき。
七 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 主たる外国銀行支店又は従たる外国銀行支店の位置の変更をしようとするとき(内閣府令で定める場合を除く。)。
二 従たる外国銀行支店(支店でない営業所を除く。以下この号において同じ。)を主たる外国銀行支店とし、主たる外国銀行支店を従たる外国銀行支店としようとするとき。
三 外国銀行支店の事業年度の変更をしようとするとき。
四 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
(外国銀行支店の公告方法)
第四十九条の二 外国銀行支店は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。
一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二 電子公告(会社法第二条第三十四号(定義)に規定する電子公告をいう。以下同じ。)
2 会社法第九百四十条第三項(電子公告の公告期間等)、第九百四十一条(電子公告調査)、第九百四十六条(調査の義務等)、第九百四十七条(電子公告調査を行うことができない場合)、第九百五十一条第二項(財務諸表等の備置き及び閲覧等)、第九百五十三条(改善命令)及び第九百五十五条(調査記録簿等の記載等)の規定は、外国銀行支店が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告(会社法の規定による公告を除く。)をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項」とあるのは「銀行法第四十七条第二項の規定により外国銀行支店を一の銀行とみなして適用する同法第五十七条の二第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(外国銀行に対する免許の失効)
第五十条 第四十九条第一項第三号から第六号までのいずれかに該当して同項の規定による届出(同項第三号に係る届出にあつては当該合併後当該外国銀行支店に係る外国銀行が消滅することとなる合併、当該外国銀行支店に係る事業の全部を承継させることとなる会社分割及び事業の全部の譲渡に係る届出に限るものとし、同項第四号に係る届出にあつては銀行業の一部の廃止に係る届出を除く。)があつたときは、当該届出をした外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。
(外国銀行支店の清算)
第五十一条 外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本にある財産の全部について清算をしなければならない。
一 第二十七条又は第二十八条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたとき。
二 第四十一条第一号又は前条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つたとき。
2 前項の規定により外国銀行支店が清算をする場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
3 会社法第四百七十六条(清算株式会社の能力)、第二編第九章第一節第二款(清算株式会社の機関)、第四百九十二条(財産目録等の作成等)、同節第四款(債務の弁済等)、第五百八条(帳簿資料の保存)、同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)(特別清算)、第七編第三章第一節(総則)及び第三節(特別清算の手続に関する特則)並びに第九百三十八条第一項から第五項まで(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国銀行支店の財産についての清算について準用する。
4 第四条第一項の免許を受けた外国銀行については、会社法第八百二十条(日本に住所を有する日本における代表者の退任)の規定は、適用しない。
5 外国銀行支店に対する会社法第八百二十二条第一項(日本にある外国会社の財産についての清算)の規定の適用については、同項中「利害関係人」とあるのは、「利害関係人若しくは内閣総理大臣」とする。
(外国銀行の駐在員事務所の設置の届出等)
第五十二条 外国銀行(外国銀行が外国銀行支店を設けている場合は、当該外国銀行支店。以下この条において同じ。)は、次に掲げる業務を行うため、日本において駐在員事務所その他の施設を設置しようとする場合(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)には、あらかじめ、当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 銀行の業務に関する情報の収集又は提供
二 その他銀行の業務に関連を有する業務
2 内閣総理大臣は、公益上必要があると認めるときは、外国銀行に対し、前項の施設において行う同項各号に掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
3 外国銀行は、その設置した第一項の施設を廃止したとき、当該施設において行う同項各号に掲げる業務を廃止したときその他同項の規定により届け出た事項を変更したときは、遅滞なくその旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第七章の二 外国銀行代理業務に関する特則
(外国銀行代理業務に係る認可等)
第五十二条の二 銀行は、第十条第二項第八号の二に掲げる業務(次条第二号から第四号までを除き、以下「外国銀行代理業務」という。)を営もうとするときは、当該外国銀行代理業務の委託を受ける旨の契約の相手方である外国銀行(次条第二号から第四号までを除き、以下「所属外国銀行」という。)ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、銀行は、外国銀行グループ(外国銀行及びその子会社である外国銀行その他の内閣府令で定める者の集団をいう。)ごとに、認可を受けて当該外国銀行グループに属する外国銀行を所属外国銀行とする外国銀行代理業務を営むことができる。
3 第一項の規定は、銀行が当該銀行の子会社である外国銀行その他の内閣府令で定める外国銀行を所属外国銀行として外国銀行代理業務を営もうとするときは、適用しない。この場合において、当該銀行は、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣に届け出なければならない。
(外国銀行の免許に関する特例)
第五十二条の二の二 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める業務(第十条第一項第一号又は第三号に掲げる業務に限る。)については、第四条第一項及び第四十七条第一項の規定は、適用しない。
一 銀行が、前条第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行の当該外国銀行代理業務に係る業務
二 長期信用銀行が、長期信用銀行法第六条の三第一項若しくは第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条第一項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
三 信用金庫連合会が、信用金庫法第五十四条の二第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
四 農林中央金庫が、農林中央金庫法第五十九条の四第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条第一項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の特例)
第五十二条の二の三 銀行が、第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業としてする預り金(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第二条第二項(預り金の禁止)に規定する預り金をいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項の規定は、適用しない。
(貸金業法の特例)
第五十二条の二の四 銀行が、第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業として行う貸付け(貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第一項(定義)に規定する貸付けをいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項に規定する貸金業に該当しないものとみなす。
(外国銀行代理銀行についての金融商品取引法の準用)
第五十二条の二の五 金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)、同章第二節第一款(第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、業務管理体制の整備、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五から第三十七条の七まで(保証金の受領に係る書面の交付、書面による解除、指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号、第二号、第七号及び第八号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書、第四項、第六項及び第七項(損失補塡等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の七まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、金銭の流用が行われている場合の募集等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務、のみ行為の禁止、店頭デリバティブ取引に関する電子情報処理組織の使用義務等)を除く。)(通則)及び第四十五条(第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は、外国銀行代理銀行(第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる銀行をいう。以下同じ。)が行う外国銀行代理業務に係る特定預金等契約の締結の代理又は媒介について準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定預金等契約」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定預金等契約の締結の代理又は媒介の業務」と、「締結の勧誘又は締結」とあるのは「締結の勧誘又は締結の代理若しくは媒介」と、これらの規定(同法第三十四条の規定を除く。)中「金融商品取引行為」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同法第三十四条中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)を行うことを内容とする契約」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約」と、「を過去に当該特定投資家との間で締結」とあるのは「の締結の代理又は媒介を過去に当該特定投資家との間で」と、「を締結する」とあるのは「の締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十四条の二第五項第二号中「締結する」とあるのは「締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十四条の三第二項第四号イ中「と対象契約」とあるのは「による代理若しくは媒介により対象契約」と、同条第四項第二号中「締結する」とあるのは「締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十七条の三第一項中「を締結しようとするとき」とあるのは「の締結の代理又は媒介を行うとき」と、「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、預金者等(銀行法第二条第五項に規定する預金者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定預金等契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「外国銀行代理銀行(銀行法第五十二条の二の五に規定する外国銀行代理銀行をいう。)の所属外国銀行(同法第五十二条の二第一項に規定する所属外国銀行をいう。)」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定預金等契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第二号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第三号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十五条第二号中「第三十七条の二から第三十七条の六まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項の書面の交付に係る部分に限り、同項第二号及び第六号並びに第三項を除く。)及び第三十七条の四」と、「締結した」とあるのは「締結の代理若しくは媒介をした」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(所属外国銀行に係る説明書類等の縦覧)
第五十二条の二の六 外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行及びその所属外国銀行を子会社とする持株会社で外国の法令に準拠して設立された会社(以下この項において「外国銀行持株会社」という。)がその事業年度ごとに作成した書面であつて、当該所属外国銀行又は当該外国銀行持株会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載したもの(第二十一条第一項及び第二項並びに第五十二条の二十九第一項に規定する事業年度に係る説明書類又はこれに類するものであつて、日本語又は英語により記載したものに限る。)を、当該所属外国銀行のために外国銀行代理業務を営む国内のすべての営業所(無人の営業所を除く。次項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項に規定する書面が電磁的記録をもつて作成されているときは、外国銀行代理業務を営むすべての営業所において、当該書面の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項に規定する書面を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
(外国銀行代理業務の健全化措置)
第五十二条の二の七 外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行の業務又は財産の状況に関する事項の顧客への説明その他の当該外国銀行代理銀行が営む外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
(所属外国銀行に関する資料の提出等)
第五十二条の二の八 内閣総理大臣は、外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行代理銀行に対し、その所属外国銀行(当該所属外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(所属外国銀行に関する届出等)
第五十二条の二の九 外国銀行代理銀行は、その所属外国銀行(外国銀行代理銀行(外国銀行支店に限る。)が営む外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(当該外国銀行支店に係る外国銀行に限る。)を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 資本金又は出資の額を変更したとき。
二 商号又は本店の所在地を変更したとき。
三 合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四 解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五 銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六 破産手続開始の決定があつたとき。
七 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 外国銀行代理銀行は、前項(第二号から第六号までに係る部分に限る。)の規定による届出をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その届出をした内容を公告するとともに、一月を下らない期間、当該届出に係る所属外国銀行に係る外国銀行代理業務を営む当該外国銀行代理銀行のすべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
(準用)
第五十二条の二の十 第五十二条の四十、第五十二条の四十一、第五十二条の四十三から第五十二条の四十五(第四号を除く。)まで、第五十二条の四十九及び第五十二条の五十第一項の規定は、銀行代理業者に係るものにあつては外国銀行代理銀行について、所属銀行に係るものにあつては所属外国銀行について、銀行代理業に係るものにあつては外国銀行代理業務について、それぞれ準用する。この場合において、第五十二条の四十五第五号中「所属銀行の業務」とあるのは、「外国銀行代理業務」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(事業年度)
第十七条 銀行の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(資本準備金及び利益準備金の額)
第十八条 銀行は、剰余金の配当をする場合には、会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金として計上しなければならない。
(業務報告書等)
第十九条 銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。以下同じ。)に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、前項の報告書のほか、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 前二項の報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(貸借対照表等の公告等)
第二十条 銀行は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、中間貸借対照表等及び貸借対照表等のほか、内閣府令で定めるところにより、当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間連結貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「連結貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
3 中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもつて作成することができる。
4 銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等を公告しなければならない。ただし、やむを得ない理由により当該三月以内にこれらの書類の公告をすることができない場合には、内閣総理大臣の承認を受けて、当該公告を延期することができる。
5 前項の規定にかかわらず、その公告方法(会社法第二条第三十三号(定義)に規定する公告方法をいう。以下同じ。)が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行は、内閣府令で定めるところにより、中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結対照表等及び連結貸借対照表等の要旨を公告することで足りる。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
6 前項に規定する銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等の内容である情報を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等の内容である情報を、五年間継続して電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、第四項の規定による公告をしたものとみなす。
7 金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない銀行については、前各項の規定は、適用しない。
(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二十一条 銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、当該銀行の営業所(無人の営業所その他の内閣府令で定める営業所を除く。次項及び第四項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項の規定により作成した書類についても、同様とする。
2 銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、前項前段の規定により作成した書類とともに当該銀行の営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項及び第二項の規定により作成した書類についても、同様とする。
3 第一項前段又は前項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
4 第一項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、銀行の営業所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
5 前項の規定は、第二項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類について準用する。
6 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
7 銀行は、前各項に規定する事項のほか、預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
(事業報告等の記載事項等)
第二十二条 銀行が会社法第四百三十五条第二項(計算書類等の作成及び保存)の規定により作成する事業報告及び附属明細書の記載事項又は記録事項は、内閣府令で定める。
(株主等の帳簿閲覧権の否認)
第二十三条 会社法第四百三十三条(会計帳簿の閲覧等の請求)の規定は、銀行の会計帳簿及びこれに関する資料については、適用しない。
第四章 監督
(報告又は資料の提出)
第二十四条 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行の子法人等(子会社その他銀行がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項、次条第二項及び第五項並びに第四十七条第二項において同じ。)又は当該銀行から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含み、前項の銀行代理業者を除く。次項並びに次条第二項及び第五項において同じ。)に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第二十五条 内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に銀行の子法人等若しくは当該銀行から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、銀行に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 前条第三項の規定は、第二項の規定による銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。
(業務の停止等)
第二十六条 内閣総理大臣は、銀行の業務若しくは財産又は銀行及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該銀行の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して当該銀行の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは当該銀行の財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であつて、銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況によつて必要があると認めるときにするものは、内閣府令・財務省令で定める銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況に係る区分に応じ、それぞれ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第二十七条 内閣総理大臣は、銀行が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人の解任を命じ、又は第四条第一項の免許を取り消すことができる。
第二十八条 内閣総理大臣は、前二条の規定により、銀行に対し、その業務の全部又は一部の停止を命じた場合において、その整理の状況に照らして必要があると認めるときは、第四条第一項の免許を取り消すことができる。
(資産の国内保有)
第二十九条 内閣総理大臣は、預金者等の保護その他公益のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、政令で定めるところにより、銀行に対し、その資産のうち政令で定めるものを国内において保有することを命ずることができる。
第五章 合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受け
(合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可等)
第三十条 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併後存続する会社又は当該合併により設立される会社が銀行であるものに限るものとし、金融機関の合併及び転換に関する法律第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。以下この章において「合併」という。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 銀行を当事者とする会社分割は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 銀行を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受けは、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 銀行が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(これらの法人をもつて組織する連合会を含む。以下この章において「信用金庫等」という。)から事業の全部又は一部を譲り受ける場合においては、当該信用金庫等を会社とみなして、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第十六条(事業の譲受け等の制限)及び同条に係る同法の規定を適用する。
第三十一条 内閣総理大臣は、前条の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 前条の規定による合併、会社分割、事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(以下この条において「合併等」という。)が、当該合併等の当事者である銀行等(銀行及び長期信用銀行をいう。第五十二条の六十一を除き、以下同じ。)又は信用金庫等が業務を行つている地域(会社分割により事業の一部を承継させ、若しくは承継する場合又は事業の一部の譲渡若しくは譲受けに係る場合にあつては、当該一部の事業が行われている地域に限る。)における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、適当なものであること。
二 合併等が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないものであること。
三 前条の認可の申請をした銀行又は合併により設立される銀行が、合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
(みなし免許)
第三十二条 第三十条第一項の認可を受けて合併により設立される銀行業を営む会社は、当該設立の時に、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたものとみなす。
(合併の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条 銀行が合併の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
(会社分割の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条の二 銀行が会社分割の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
2 会社法第七百五十九条第二項及び第三項(株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十一条第二項及び第三項(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十四条第二項及び第三項(株式会社を設立する新設分割の効力の発生等)並びに第七百六十六条第二項及び第三項(持分会社を設立する新設分割の効力の発生等)の規定は、前項の規定により催告をすることを要しないものとされる預金者等その他政令で定める債権者には、適用しない。
(事業の譲渡又は譲受けの場合の債権者の異議の催告等)
第三十四条 銀行を当事者とする事業の全部の譲渡又は譲受けについて株主総会の決議(会社法第四百六十八条(事業譲渡等の承認を要しない場合)の規定により同法第四百六十七条第一項(事業譲渡等の承認等)の決議によらずに事業の全部の譲受けを行う場合には、取締役会の決議又は執行役の決定)がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の全部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 第一項の規定にかかわらず、銀行が、同項の規定による公告を、官報のほか、第五十七条の規定による定款の定めに従い、同条各号に掲げる公告方法によりするときは、同項の各別の催告は、することを要しない。
4 債権者が第一項の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該事業の全部の譲渡又は譲受けについて承認したものとみなす。
5 債権者が第一項の期間内に異議を述べたときは、当該銀行は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む他の金融機関に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該事業の全部の譲渡又は譲受けをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
第三十五条 銀行を当事者とする事業の一部の譲渡又は譲受けについて株主総会若しくは取締役会の決議又は執行役の決定がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の一部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告することができる。ただし、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定によりされた公告及び催告に係る債権者の異議について準用する。
(会社分割又は事業の譲渡の公告等)
第三十六条 銀行は、会社分割により事業の全部若しくは一部を承継させ、又は事業の全部若しくは一部を譲渡したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
2 その公告方法が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行が前項の規定による公告をしたときは、当該公告をした銀行の債務者に対して民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があつたものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもつて確定日付とする。
第六章 廃業及び解散
(廃業及び解散等の認可)
第三十七条 次に掲げる事項は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 銀行業の廃止に係る定款の変更についての株主総会の決議
二 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(第三十条第一項に規定する合併及び金融機関の合併及び転換に関する法律第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。)
三 銀行の解散についての株主総会の決議
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該銀行業の廃止、合併又は解散が当該銀行の業務及び財産の状況に照らしてやむを得ないものであること。
二 当該銀行業の廃止、合併又は解散が、当該銀行が業務を営んでいる地域における資金の円滑な需給及び利用者の利便に支障を及ぼすおそれのないものであること。
3 内閣総理大臣は、第二十六条第一項又は第二十七条の規定による業務の全部又は一部の停止の命令をした銀行から第一項の認可の申請があつた場合においては、当該銀行に対し、同項の認可をしてはならない。これらの命令をすること又は同条の規定により第四条第一項の免許を取り消すことが必要であると認める銀行から第一項の認可の申請があつた場合も、同様とする。
(廃業等の公告等)
第三十八条 銀行は、前条第一項の認可を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、直ちに、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告するとともに、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者に通知し、かつ、一月を下らない期間、すべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
(定款の解散事由の規定の効力)
第三十九条 銀行は、会社法第四百七十一条第一号及び第二号(解散の事由)の規定にかかわらず、同条第一号又は第二号に掲げる事由によつては、解散しない。
(免許の取消しによる解散)
第四十条 銀行は、第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたときは、解散する。
(免許の失効)
第四十一条 銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。
一 銀行業の全部を廃止したとき。
二 会社分割により事業の全部を承継させ、又は事業の全部を譲渡したとき。
三 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により銀行を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 当該免許を受けた日から六月以内に業務を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
(免許の取消し等の場合のみなし銀行)
第四十二条 銀行が第二十七条若しくは第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消された場合又は前条の規定により当該免許が効力を失つた場合においては、当該銀行であつた会社は、第三十六条、第三十八条及び第四十六条第一項の規定の適用については、なお銀行とみなす。
(他業会社への転移等)
第四十三条 銀行が第四十一条第一号の規定に該当して第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つた場合において、当該銀行であつた会社に従前の預金又は定期積金等の債務が残存するときは、政令で定める場合を除き、内閣総理大臣は、当該会社が当該債務を完済する日又は当該免許が効力を失つた日以後十年を経過する日のいずれか早い日まで、当該会社に対し、当該債務の総額を限度として財産の供託を命じ、又は預金者等の保護を図るため当該債務の処理若しくは資産の管理若しくは運用に関し必要な命令をすることができる。
2 前項の規定は、銀行等以外の会社が合併又は会社分割により銀行の預金又は定期積金等の債務を承継した場合について準用する。
3 第二十四条第一項並びに第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、前二項の規定の適用を受ける会社について準用する。
(清算人の任免等)
第四十四条 銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許の取消しにより解散した場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
2 前項の場合を除くほか、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を解任することができる。この場合においては、裁判所は、清算人を選任することができる。
3 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、清算をする銀行(次項並びに次条第三項、第五項、第七項及び第八項において「清算銀行」という。)の清算人となることができない。
4 清算銀行の清算人に対する会社法第四百七十八条第八項(清算人の就任)において準用する同法第三百三十一条第一項第三号(取締役の資格等)の規定の適用については、同号中「この法律」とあるのは、「銀行法、この法律」とする。
(清算の監督)
第四十五条 銀行の清算は、裁判所の監督に属する。
2 銀行の清算の監督は、銀行の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
3 裁判所は、清算銀行の清算事務及び財産の状況を検査するとともに、当該清算銀行に対し、財産の供託を命じ、その他清算の監督に必要な命令をすることができる。この場合においては、当該検査をさせるため、特別検査人を選任することができる。
4 会社法第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第一号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は前項前段の規定による命令について、同法第八百七十四条(第二号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は同項後段の規定による特別検査人の選任について、それぞれ準用する。
5 裁判所は、第三項後段の規定により特別検査人を選任した場合には、清算銀行が当該特別検査人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
6 会社法第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の報酬の額の決定について準用する。
7 清算銀行の清算人は、その就任の日から二週間以内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
一 解散の事由(会社法第四百七十五条第二号又は第三号(清算の開始原因)に掲げる場合に該当することとなつた清算銀行にあつては、その旨)及びその年月日
二 清算人の氏名及び住所
8 清算銀行の清算人は、会社法第四百九十二条第三項(財産目録等の作成等)の規定により同項に規定する財産目録等について株主総会の承認を受けた場合には、遅滞なく、当該財産目録等(当該財産目録等が電磁的記録をもつて作成されている場合にあつては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を裁判所に提出しなければならない。
(清算手続等における内閣総理大臣の意見等)
第四十六条 裁判所は、銀行の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、内閣総理大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 内閣総理大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により内閣総理大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第七章 外国銀行支店
(外国銀行の免許等)
第四十七条 外国銀行が日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は、内閣府令で定めるところにより、当該外国銀行の日本における銀行業の本拠となる一の支店(以下この章において「主たる外国銀行支店」という。)を定めて、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けなければならない。
2 前項の規定により外国銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたときは、その主たる外国銀行支店及び当該外国銀行の日本における他の支店その他の営業所(以下この章において「従たる外国銀行支店」という。)(以下この章において「外国銀行支店」と総称する。)を一の銀行とみなし、当該外国銀行の日本における代表者を当該一の銀行とみなされた外国銀行支店の取締役とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、第四条の二、第五条、第六条、第七条の二第四項、第八条、第十二条の二第三項、第十三条第二項及び第四項、第十四条第二項、第二章の二、第十七条、第十八条、第十九条第二項、第二十条第二項、第二十一条第二項、第二十二条、第二十三条、第二十四条第二項及び第三項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第二十五条第二項及び第五項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第三十条第一項及び第二項、第三十二条から第三十三条の二まで、第三十六条(会社分割に係る部分に限る。)、第三十七条第一項第二号及び第三号、第三十九条、第四十条、第四十一条第二号(会社分割に係る部分に限る。)及び第三号、第四十三条、第四十四条、第七章の三、第五十三条第一項(第一号、第五号及び第八号を除く。)、第二項、第三項及び第六項、第五十五条第二項及び第三項、第五十六条第五号から第九号まで、第五十七条並びに第五十七条の二第二項の規定を除く。
3 前項の場合において、第十条第二項(第八号の二に係る部分に限る。)及び次章の規定並びにこれらの規定に係る第九章及び第十章の規定の適用については、外国銀行支店に係る外国銀行の主たる営業所及びその外国における支店その他の営業所(以下この項において「外国銀行外国営業所」と総称する。)は、一の外国銀行とみなし、当該外国銀行支店が行う当該外国銀行支店に係る外国銀行の外国銀行外国営業所とその顧客の取引の仲介(外国銀行の業務の代理又は媒介に相当するものとして内閣府令で定めるものに限る。)は、当該一の外国銀行の業務の媒介とみなし、当該取引の仲介に係る外国銀行外国営業所は、当該外国銀行支店が当該一の外国銀行の業務の媒介の委託を受ける旨の契約の相手方とみなす。
4 外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許に係る特例、外国銀行支店に対しこの法律の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(外国銀行支店の資本金に対応する資産の国内保有)
第四十七条の二 外国銀行支店は、常時、政令で定めるところにより、十億円を下回らない範囲内において政令で定める額以上の資本金に対応する資産を国内において保有していなければならない。
(従たる外国銀行支店の設置等)
第四十七条の三 外国銀行支店は、従たる外国銀行支店の設置、種類の変更又は廃止をしようとするときは、内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(外国銀行支店の事業年度)
第四十七条の四 外国銀行支店の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までの期間又は当該外国銀行支店に係る外国銀行の事業年度の期間と同一の期間(当該期間が一年であるものであつて、当該期間の開始の日が各月の初日であるものに限る。)とする。ただし、事業年度の開始の日を変更する場合における変更前の最後の事業年度については、変更後の最初の事業年度の開始の日の前日までとする。
(外国銀行支店の資料の提出等)
第四十八条 内閣総理大臣は、外国銀行支店の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行支店(当該外国銀行支店を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、外国銀行支店に係る外国銀行(当該外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(外国銀行支店の届出)
第四十九条 外国銀行支店は、当該外国銀行支店に係る外国銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 資本金又は出資の額を変更したとき。
二 商号又は本店の所在地を変更したとき。
三 合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四 解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五 銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六 破産手続開始の決定があつたとき。
七 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 主たる外国銀行支店又は従たる外国銀行支店の位置の変更をしようとするとき(内閣府令で定める場合を除く。)。
二 従たる外国銀行支店(支店でない営業所を除く。以下この号において同じ。)を主たる外国銀行支店とし、主たる外国銀行支店を従たる外国銀行支店としようとするとき。
三 外国銀行支店の事業年度の変更をしようとするとき。
四 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
(外国銀行支店の公告方法)
第四十九条の二 外国銀行支店は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。
一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二 電子公告(会社法第二条第三十四号(定義)に規定する電子公告をいう。以下同じ。)
2 会社法第九百四十条第三項(電子公告の公告期間等)、第九百四十一条(電子公告調査)、第九百四十六条(調査の義務等)、第九百四十七条(電子公告調査を行うことができない場合)、第九百五十一条第二項(財務諸表等の備置き及び閲覧等)、第九百五十三条(改善命令)及び第九百五十五条(調査記録簿等の記載等)の規定は、外国銀行支店が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告(会社法の規定による公告を除く。)をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十条第三項中「前二項」とあるのは「銀行法第四十七条第二項の規定により外国銀行支店を一の銀行とみなして適用する同法第五十七条の二第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(外国銀行に対する免許の失効)
第五十条 第四十九条第一項第三号から第六号までのいずれかに該当して同項の規定による届出(同項第三号に係る届出にあつては当該合併後当該外国銀行支店に係る外国銀行が消滅することとなる合併、当該外国銀行支店に係る事業の全部を承継させることとなる会社分割及び事業の全部の譲渡に係る届出に限るものとし、同項第四号に係る届出にあつては銀行業の一部の廃止に係る届出を除く。)があつたときは、当該届出をした外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。
(外国銀行支店の清算)
第五十一条 外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本にある財産の全部について清算をしなければならない。
一 第二十七条又は第二十八条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたとき。
二 第四十一条第一号又は前条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つたとき。
2 前項の規定により外国銀行支店が清算をする場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
3 会社法第四百七十六条(清算株式会社の能力)、第二編第九章第一節第二款(清算株式会社の機関)、第四百九十二条(財産目録等の作成等)、同節第四款(債務の弁済等)、第五百八条(帳簿資料の保存)、同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)(特別清算)、第七編第三章第一節(総則)及び第三節(特別清算の手続に関する特則)並びに第九百三十八条第一項から第五項まで(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国銀行支店の財産についての清算について準用する。
4 第四条第一項の免許を受けた外国銀行については、会社法第八百二十条(日本に住所を有する日本における代表者の退任)の規定は、適用しない。
5 外国銀行支店に対する会社法第八百二十二条第一項(日本にある外国会社の財産についての清算)の規定の適用については、同項中「利害関係人」とあるのは、「利害関係人若しくは内閣総理大臣」とする。
(外国銀行の駐在員事務所の設置の届出等)
第五十二条 外国銀行(外国銀行が外国銀行支店を設けている場合は、当該外国銀行支店。以下この条において同じ。)は、次に掲げる業務を行うため、日本において駐在員事務所その他の施設を設置しようとする場合(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)には、あらかじめ、当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 銀行の業務に関する情報の収集又は提供
二 その他銀行の業務に関連を有する業務
2 内閣総理大臣は、公益上必要があると認めるときは、外国銀行に対し、前項の施設において行う同項各号に掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
3 外国銀行は、その設置した第一項の施設を廃止したとき、当該施設において行う同項各号に掲げる業務を廃止したときその他同項の規定により届け出た事項を変更したときは、遅滞なくその旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第七章の二 外国銀行代理業務に関する特則
(外国銀行代理業務に係る認可等)
第五十二条の二 銀行は、第十条第二項第八号の二に掲げる業務(次条第二号から第四号までを除き、以下「外国銀行代理業務」という。)を営もうとするときは、当該外国銀行代理業務の委託を受ける旨の契約の相手方である外国銀行(次条第二号から第四号までを除き、以下「所属外国銀行」という。)ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、銀行は、外国銀行グループ(外国銀行及びその子会社である外国銀行その他の内閣府令で定める者の集団をいう。)ごとに、認可を受けて当該外国銀行グループに属する外国銀行を所属外国銀行とする外国銀行代理業務を営むことができる。
3 第一項の規定は、銀行が当該銀行の子会社である外国銀行その他の内閣府令で定める外国銀行を所属外国銀行として外国銀行代理業務を営もうとするときは、適用しない。この場合において、当該銀行は、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣に届け出なければならない。
(外国銀行の免許に関する特例)
第五十二条の二の二 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める業務(第十条第一項第一号又は第三号に掲げる業務に限る。)については、第四条第一項及び第四十七条第一項の規定は、適用しない。
一 銀行が、前条第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行の当該外国銀行代理業務に係る業務
二 長期信用銀行が、長期信用銀行法第六条の三第一項若しくは第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条第一項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
三 信用金庫連合会が、信用金庫法第五十四条の二第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
四 農林中央金庫が、農林中央金庫法第五十九条の四第二項(外国銀行代理業務に係る認可等)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条第一項に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の特例)
第五十二条の二の三 銀行が、第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業としてする預り金(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第二条第二項(預り金の禁止)に規定する預り金をいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項の規定は、適用しない。
(貸金業法の特例)
第五十二条の二の四 銀行が、第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業として行う貸付け(貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第一項(定義)に規定する貸付けをいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項に規定する貸金業に該当しないものとみなす。
(外国銀行代理銀行についての金融商品取引法の準用)
第五十二条の二の五 金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)、同章第二節第一款(第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、業務管理体制の整備、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五から第三十七条の七まで(保証金の受領に係る書面の交付、書面による解除、指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号、第二号、第七号及び第八号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書、第四項、第六項及び第七項(損失補塡等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の七まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、金銭の流用が行われている場合の募集等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務、のみ行為の禁止、店頭デリバティブ取引に関する電子情報処理組織の使用義務等)を除く。)(通則)及び第四十五条(第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は、外国銀行代理銀行(第五十二条の二第一項若しくは第二項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる銀行をいう。以下同じ。)が行う外国銀行代理業務に係る特定預金等契約の締結の代理又は媒介について準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定預金等契約」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定預金等契約の締結の代理又は媒介の業務」と、「締結の勧誘又は締結」とあるのは「締結の勧誘又は締結の代理若しくは媒介」と、これらの規定(同法第三十四条の規定を除く。)中「金融商品取引行為」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同法第三十四条中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)を行うことを内容とする契約」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約」と、「を過去に当該特定投資家との間で締結」とあるのは「の締結の代理又は媒介を過去に当該特定投資家との間で」と、「を締結する」とあるのは「の締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十四条の二第五項第二号中「締結する」とあるのは「締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十四条の三第二項第四号イ中「と対象契約」とあるのは「による代理若しくは媒介により対象契約」と、同条第四項第二号中「締結する」とあるのは「締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十七条の三第一項中「を締結しようとするとき」とあるのは「の締結の代理又は媒介を行うとき」と、「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、預金者等(銀行法第二条第五項に規定する預金者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定預金等契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「外国銀行代理銀行(銀行法第五十二条の二の五に規定する外国銀行代理銀行をいう。)の所属外国銀行(同法第五十二条の二第一項に規定する所属外国銀行をいう。)」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定預金等契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第二号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第三号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十五条第二号中「第三十七条の二から第三十七条の六まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項の書面の交付に係る部分に限り、同項第二号及び第六号並びに第三項を除く。)及び第三十七条の四」と、「締結した」とあるのは「締結の代理若しくは媒介をした」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(所属外国銀行に係る説明書類等の縦覧)
第五十二条の二の六 外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行及びその所属外国銀行を子会社とする持株会社で外国の法令に準拠して設立された会社(以下この項において「外国銀行持株会社」という。)がその事業年度ごとに作成した書面であつて、当該所属外国銀行又は当該外国銀行持株会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載したもの(第二十一条第一項及び第二項並びに第五十二条の二十九第一項に規定する事業年度に係る説明書類又はこれに類するものであつて、日本語又は英語により記載したものに限る。)を、当該所属外国銀行のために外国銀行代理業務を営む国内のすべての営業所(無人の営業所を除く。次項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項に規定する書面が電磁的記録をもつて作成されているときは、外国銀行代理業務を営むすべての営業所において、当該書面の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項に規定する書面を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
(外国銀行代理業務の健全化措置)
第五十二条の二の七 外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行の業務又は財産の状況に関する事項の顧客への説明その他の当該外国銀行代理銀行が営む外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
(所属外国銀行に関する資料の提出等)
第五十二条の二の八 内閣総理大臣は、外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行代理銀行に対し、その所属外国銀行(当該所属外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(所属外国銀行に関する届出等)
第五十二条の二の九 外国銀行代理銀行は、その所属外国銀行(外国銀行代理銀行(外国銀行支店に限る。)が営む外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(当該外国銀行支店に係る外国銀行に限る。)を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 資本金又は出資の額を変更したとき。
二 商号又は本店の所在地を変更したとき。
三 合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四 解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五 銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六 破産手続開始の決定があつたとき。
七 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 外国銀行代理銀行は、前項(第二号から第六号までに係る部分に限る。)の規定による届出をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その届出をした内容を公告するとともに、一月を下らない期間、当該届出に係る所属外国銀行に係る外国銀行代理業務を営む当該外国銀行代理銀行のすべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
(準用)
第五十二条の二の十 第五十二条の四十、第五十二条の四十一、第五十二条の四十三から第五十二条の四十五(第四号を除く。)まで、第五十二条の四十九及び第五十二条の五十第一項の規定は、銀行代理業者に係るものにあつては外国銀行代理銀行について、所属銀行に係るものにあつては所属外国銀行について、銀行代理業に係るものにあつては外国銀行代理業務について、それぞれ準用する。この場合において、第五十二条の四十五第五号中「所属銀行の業務」とあるのは、「外国銀行代理業務」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。