県議会議員の秘書
会社の事業が上手くいかなかった責任を取らされる形で、地元の県議会議員の秘書になった。
ある日突然社長室に呼ばれ、こう言われた「お前は最悪な人間だ、いつクビになってもおかしくない」
意味が分からなかった。しかし、例の太鼓持ちが社長にある事ない事吹き込んでいた。
そして「俺の言う事をおとなしく聞けば、雇ってやってもいい」と言われた。
それが県議事務所へ行って秘書をやれという事だった。
今までの顧客や、部下へのあいさつも許されず、いきなり異動を命じられた。
後になって聞いたのだが、社長は「あいつが自ら望んで秘書になったんだ」と周りに言いふらしてたそうだ。
秘書になってすぐに、衆議院議員選挙が控えていた。
県議の秘書をしながら、衆議院議員の選挙の手伝いをやっていた。
異動を命じられる時は、さんざん人格を否定されまくったので、会社の人間や社長と顔を合わせなくて良いのは嬉しかった。
しかも、衆院選で知り合った人はみんな優しくて、少しずつ自分を取り戻していった。
しかし、ある日最悪な事が起こった。
衆院選も終わったある日、県議がホテルのパーティーに行くというので、送って行った。
帰りはメールするから、メールが来てから事務所を出てきていいよと言われたのでメールを待っていた。
すると、2時間後にメールが来たので、すぐに向かいますと返事をして、ホテルへ向かった。
迎えに行く途中、県議が走って車の方にやってきたのが見えたのであわてて車を停めた。
ものすごいどなり声で「貴様!降りてこいや!」と怒鳴ってる。
意味が分からず、話を聞くと「俺がメールしたのになんですぐ来なかったのか」ということらしい。
調べてみると、県議がメールを送ってから、こっちのケータイに届くまでなぜか30分以上かかっていた。
多分電波状況とかの問題なんだろうけど、酒臭い県議はいきなり胸倉を掴んできた
ネクタイを握ったままこぶしで顔を何度か殴られた。
頭にきたので、止めてくれと言うと流石に不味いと思ったのか手をとめた。
はっきり言って傷害だ。よく議員なんかになれたもんだなと思ったが、とりあえず事務所に戻って話をした。
2時間ほど説教され、謝罪を強要された。
よっぽど殴り返そうかとも思ったけど、家族のことを考えると、頭を下げるしかなかった。
あまりにひどいので、嫁さんに仕事を辞めたいと話したら「は?生活はどうすると?」と言われた。
その時に思い知った。もう自分は、自分の感情とか、やりたい事とか、楽しみとかを考えちゃいけないんだなと。
家族の為にお金を運んで、家族が嫌がる事は持ち込まず、許された範囲の中で自分の事を考えるしかないと。
子供はかわいい、嫁も好きだった。でも、自分の中でその瞬間何らかの境界線が引かれた感じがした。
ある日、本社の太鼓持ちから呼び出された。
会社の状況が厳しいので、会社の事業に直接関係しない秘書の給料を満額出すのはキツイんだそうだ。
「給料半分に減らすから。あとで社長から話があると思うけど」と伝えられた。
後日、社長は俺にこう言ってきた。「お前は秘書になっても何にも役に立たんな。人間も腐ったままだ。どんだけ最悪かわからせてやろう」
そう言って、会社の幹部を一人ずつ呼び出して、俺のどこが気に入らないか、どこが悪いのかを直接言わせた。
最後に、「ここまでしてやったのに、お前は全く反省する気配がない。いつでもクビにしてやる」といってきた。
限界だった。「クビにしてください」と社長に伝えた。
すぐに嫁に電話したら「大変やったね。」を言われて、涙が出た。
続く
会社の事業が上手くいかなかった責任を取らされる形で、地元の県議会議員の秘書になった。
ある日突然社長室に呼ばれ、こう言われた「お前は最悪な人間だ、いつクビになってもおかしくない」
意味が分からなかった。しかし、例の太鼓持ちが社長にある事ない事吹き込んでいた。
そして「俺の言う事をおとなしく聞けば、雇ってやってもいい」と言われた。
それが県議事務所へ行って秘書をやれという事だった。
今までの顧客や、部下へのあいさつも許されず、いきなり異動を命じられた。
後になって聞いたのだが、社長は「あいつが自ら望んで秘書になったんだ」と周りに言いふらしてたそうだ。
秘書になってすぐに、衆議院議員選挙が控えていた。
県議の秘書をしながら、衆議院議員の選挙の手伝いをやっていた。
異動を命じられる時は、さんざん人格を否定されまくったので、会社の人間や社長と顔を合わせなくて良いのは嬉しかった。
しかも、衆院選で知り合った人はみんな優しくて、少しずつ自分を取り戻していった。
しかし、ある日最悪な事が起こった。
衆院選も終わったある日、県議がホテルのパーティーに行くというので、送って行った。
帰りはメールするから、メールが来てから事務所を出てきていいよと言われたのでメールを待っていた。
すると、2時間後にメールが来たので、すぐに向かいますと返事をして、ホテルへ向かった。
迎えに行く途中、県議が走って車の方にやってきたのが見えたのであわてて車を停めた。
ものすごいどなり声で「貴様!降りてこいや!」と怒鳴ってる。
意味が分からず、話を聞くと「俺がメールしたのになんですぐ来なかったのか」ということらしい。
調べてみると、県議がメールを送ってから、こっちのケータイに届くまでなぜか30分以上かかっていた。
多分電波状況とかの問題なんだろうけど、酒臭い県議はいきなり胸倉を掴んできた
ネクタイを握ったままこぶしで顔を何度か殴られた。
頭にきたので、止めてくれと言うと流石に不味いと思ったのか手をとめた。
はっきり言って傷害だ。よく議員なんかになれたもんだなと思ったが、とりあえず事務所に戻って話をした。
2時間ほど説教され、謝罪を強要された。
よっぽど殴り返そうかとも思ったけど、家族のことを考えると、頭を下げるしかなかった。
あまりにひどいので、嫁さんに仕事を辞めたいと話したら「は?生活はどうすると?」と言われた。
その時に思い知った。もう自分は、自分の感情とか、やりたい事とか、楽しみとかを考えちゃいけないんだなと。
家族の為にお金を運んで、家族が嫌がる事は持ち込まず、許された範囲の中で自分の事を考えるしかないと。
子供はかわいい、嫁も好きだった。でも、自分の中でその瞬間何らかの境界線が引かれた感じがした。
ある日、本社の太鼓持ちから呼び出された。
会社の状況が厳しいので、会社の事業に直接関係しない秘書の給料を満額出すのはキツイんだそうだ。
「給料半分に減らすから。あとで社長から話があると思うけど」と伝えられた。
後日、社長は俺にこう言ってきた。「お前は秘書になっても何にも役に立たんな。人間も腐ったままだ。どんだけ最悪かわからせてやろう」
そう言って、会社の幹部を一人ずつ呼び出して、俺のどこが気に入らないか、どこが悪いのかを直接言わせた。
最後に、「ここまでしてやったのに、お前は全く反省する気配がない。いつでもクビにしてやる」といってきた。
限界だった。「クビにしてください」と社長に伝えた。
すぐに嫁に電話したら「大変やったね。」を言われて、涙が出た。
続く