それではこの項の最後に、当時10才の翠さんが本当にそんな物語を書いたのかとお疑いの方のために、文章の一部を所々抜粋して書き手のヒヅキさんにコピーから転記してもらいまス
(12才の時に清書しておりますので漢字が多くなっております)
第一章 出会い
その少女、リア・ロスターティンは結核でした。そのころ、結核の治りょう法はまだありませんでした。ですから、両親は涙をのんで彼女を見守るしかなかったのです。リアの命は花のようにせばまっていました。
そのころ、一台の馬車がロスターティン家の別荘へと向かっていました。乗っているのはリアのいとこで陽気なケオドフと、その友達のアレクセイ・スモレンスカヤです。二人はこの夏休みを利用して、リアに会いに来たのです。しかし、二人も本人のリアも、結核の事は全然知りませんでした。
馬車の窓から外を見ると森の木々がとび過ぎて行きます。アレクセイは、ため息をつくと向かい側にすわっているケオドフにたずねました。
「ケオドフ、まだかい。ぼく、ねむたくなったよ。」
「もうじきだからがまんしてくれよ。向こうについたらフカフカのソファーにすわらしてやるからさ。」
アレクセイはにが笑いをしました。馬車がゆれるたびにたなに乗せた青と茶の二つのトランクがガタガタ動いて、今にも落ちそうです。それをアレクセイははらはらしながら見守るのでした。やっとそのゆれが止まったかと思うと、馬車はもう別荘に着いていました。
別荘から北へ200kmほど行くと、レニングラードがあり、南東400kmほどの所には、モスクワがあります。別荘の側の湖は、イルメン湖という名です。この地方はノヴゴロドという名で知られています。みなさんも、くわしい地図でさがしてごらんなさい。
アレクセイは馬車からおりると、フラフラでトランクを持つのがやっとです。たぶん、今までモスクワにいたのでこういう旅行には慣れていなかったせいでしょう。
(以下、こんな風にして物語は続きますが、後数ヶ所載せます)
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