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氷月神示 白鹿の77 (=その977)

アダム(=シャルル)より皆さんへ

…途中、見かねて荷をかついでくれた者がいた
そして、やがて師は丘に着いた
師を含め3人が十字かにかけられた
手と足先を打ち付けられる苦痛は激烈なものだが、師の場合は背中の時と同様、やがて傷口が麻痺したような感覚になり、痛みをあまり感じなくなった
ここで皆さんにわかってほしいのは、磔刑で何が一番の死因になるかというと、出血ではなく呼吸困難による窒息である
…左右に広げた両腕で横木から吊り下げられると、全体重が腕にかかり、やがて関節がはずれて腕が20センチ位伸びると言われる
また、普通呼吸時には横隔膜が合わせて上下するが、ずっと吊り下げられた状態だと横隔膜が引っ張り上げられたままになり、息を吸えても、吐けない状態になる
だから、息をゼエゼエ吸えても、少ししか吐けない
罪人は両足の膝を45度ほど曲げさせられている姿勢なので、初めはなんとか足で体重を支え、呼吸を楽にしようとするが、その内2、3日で力尽きて亡くなるそうだ

頭を冷やして考えよう
…師は何時間で亡くなったのか
朝の9時から始まり、午後の3時頃に亡くなったと言われる
6時間だ
スピード死去だね
おかしいと思わないか
そんなに体力がなくてひどく弱っていたのだろうか
文献によれば、亡くなる直前に師は2度ほど大声で叫んでいる
1度は、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ (わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか。)」
これは、何回もしっかりと息継ぎをしているし、特に「サバクタニ」は強く息を吐かないと出せない音の連続だ
…果たして衰弱し今にも死にかけた窒息中の男が、この文章を大声で叫べるだろうか
うつむいて小さな声でとぎれとぎれに言うならわかるが
火事場のバカ力だろうか
その後も彼は1度何かを叫んだという記述があるから、まだ余力があり最後の瞬発力で出たのではなさそうだ

…それから彼が亡くなってまもなく、ローマ兵が槍で彼の脇腹を刺してみたら、血と水が出たとある
水が出たのも不思議だが、それ以上に血が出たことが不可解だ
なぜなら人は死ぬと心臓が停止し、同時に体内の血流が止まり直ちに血液が凝固し始めるからだ
…なので血が流れ出ることはあり得ないとされる
一体、何が起きていたのだろうか

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