漢方

www.kanpoucom.com

漢方薬とは?

2007-07-27 12:17:54 | Weblog

 科学理論とは、仮説に基づく理論体系化の試みであり、現実世界に充分有効な理論であれば、一つの立派な科学理論として成立し得る。
 日本漢方では、空論臆説として退けられて来た「陰陽五行学説」は、ひとつの構造主義科学といえる。
 ちょっと難しいフランスで一時隆盛を極めた「構造主義」を引き合いに出す必要もない。
 一般の辞書的レベルでも、充分に解説されている「構造」という意味を考えるだけでも、かなり納得しやすい。

 小学館の『大辞泉』によれば、

 構造とは、物事を成り立たせている各要素の機能的な関連。または、そのように成り立たせているものの全体。

とある。

 これを敷衍して、生体内の生命活動は構造化されており、人体の生命活動を、
五行相関にもとづく五臓を頂とした五角形
が基本構造であると捉えているのが中医学である。

 五臓を頂とした五角形にゆがみやひずみが生じたときが病態であり、病態分析の基礎理論となる構造法則の原理が、陰陽五行学説である、と考えればわかりやすい。

 陰陽五行学説に基づく中医学理論は、臨床の現実に即して展開され、原理的に新たな理論の充実を図ることが可能である。

 それゆえ、治療の成否は中医学基礎理論の知識を、実際の臨床にどのように活用し、展開させるかという一事に関わって来る。

 中医学は、構造化された生体内を「五行相関に基づく五臓を頂とした五角形」として捉えることから出発し、臨床に直結した医学理論として、常に生体内に共通した普遍性の探究を継続しながら、基礎理論の確認と補完を図りつつ、疾病状態における患者個々の特殊性の認識(把握)を行なうとともに、この認識に基づく治療へとフィードバックさせる特長をもった医学である。
中国漢方会社

漢方薬とは?

2007-07-27 11:51:22 | Weblog
 漢方とは何か? 漢方薬とはどんなものか? その本質的な所を的確に表現することは容易ではありませんが、おおよそのところは以下の通りです。

 漢方を含めた東洋医学においては、どのような病気も究極的には五臓六腑のアンバランスによって生じるものと捉えています。

 一人の身体の中で起こる病気は、その人の生まれ持った体質的な素因やストレス状況、地域的な生活環境の諸条件、あるいは食生活環境の諸条件などとも大いに関係があり、現在出ている病気の症状だけでなく、過去の病歴やその他の環境的な諸条件なども配慮し、また一見無関係に思えるような症状も参考にします。

 要するに、現在の病気の解決の為には、種々の要因を総合的に分析・判断することによってはじめて、その人の体質と病状に合った漢方薬の組合せ(配合)ができるというわけです。

 やや専門的に述べれば、

 東洋医学における疾病観は、五臓間における気・血・津液の生化と輸泄(生成・輸布・排泄)の連係に異常が発生し、これらの基礎物質の生化と輸泄に過不足が生じたときが病態とされる。
 この理由から、五臓それぞれの生理機能の特性と五臓六腑に共通する「通」という性質にもとづき、病機(病理機序)と治法を分析する。
 つまり、
 ①病因・病位・病性の三者を総合的に解明し、
 ②気・血・津液の昇降出入と盈虧通滞(量的な過不足と流通の過不足)の状況を捉え、定位・定性・定量の三方面における病変の本質を把握する。
 これらの分析結果に基づき、
 病性の寒熱に対応した薬物を考慮しつつ、①発病原因を除去し、②臓腑の機能を調整し、③気血津精の疏通や補充を行う。

 以上が真の漢方と漢方薬の姿です。