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小川耕太郎が語ります! ~雑誌寄稿、講演会~

第6回屋根に特化した工務店編/リフォーム産業新聞2007.2.13

2007-02-13 10:02:30 | リフォーム産業新聞2006~
リフォーム産業新聞 2007年2月13日付 No.768

●しぜんな自然派家造り
 第6回屋根に特化した工務店編

 ~店頭でのチラシ配布で商機発見~


 横浜市金沢文庫に創業24年の「トンカチ」という名前の小さなホームセンターがある。その店のレジを出た正面に通称「根岸小屋」と呼ばれる8畳ほどのプレハブが建っている。

 そこの責任者、根岸由民さんはトンカチの経営母体ジューテックの元社員で、過去には建築会社を20年ほど経営していたこともあった。ある事情で別会社の経営を頼まれ、しばらく社長をしていたが、何年かしてやめる事になってしまった。仕事を失った根岸さんに「トンカチを手伝ってくれないか?」と声がかかった。

 トンカチのリフォーム部門を手伝うにあたり、「根岸小屋」という「リフォーム相談室」を作ってはどうだろうかとなった。つまり、トンカチはプレハブ小屋を提供し、事務機器一式を使えるようにし、根岸さんはその小屋を拠点にリフォームの相談を受付け、受注した相談は根岸さんが責任施工するというシステムである。

 そこあkら根岸さんの悪戦苦闘が始まった。以前からホームセンターに出入りしている業者の仕事を取るわけにはいかない。当初、数ヶ月の販売金額は微々たるもので、収入は無いに等しかった。しかし、「これで食べていけるだろうか?」という不安はしばらくして拭い去れた。金沢文庫周辺は横浜でも高級住宅地が多い。店頭でチラシ配りをしていて60歳以上のお客様が過半数であることを実感し、ある考えが閃いたのである。そこから毎日近隣を車でぐるぐる回ってみると、家が語っていた。「やっぱりな!」確信だった。

 戦略はこうだ。20年以上経った高級住宅地、住人は60歳以上、平均寿命からいえばまだ20年以上住むことになる。ジューテックは高級鋼板系屋根材「マックス瓦」の総代理店である。ここに、顧客と売り手のニーズとウォンツが一致を見る。

 「屋根に特化しよう。これで一本で10年は間違いなく食べていける。」

(次号へ続く)


文:小川耕太郎

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