うちのうさぎ

2005年夏、斜頚を発症。2008年秋、顎下膿瘍の手術を受ける。ホリスティック診療に挑戦し鍼灸とかしてました。

冬の雪も あなたと見たい あなたといたい

2009-10-05 | 病院
数時間目を離すと、彼は横たわって倒れていることが多くて、生きているのか、死んでいるのか、近寄って声を掛けるまで識別できない眺めというのがお約束になってそれなりの日々が経ちました。
もう、彼は、些細なことでバランスを崩して倒れても、自力で起きることはできないくらい衰弱しているのです(ごく稀に成功しているようですが)。

いつものように声を掛けながら起こしあげた、彼の片目に異変が。

固く閉じられた、その瞳には、目やになのか膿なのか判りませんが白いものが涙袋の辺りまでびっしりと覆い、目全体が腫れています。涙で濡れたのか毛が張り付いて、腫れ感は強調されて感じる。

とっさに、頭の中をよぎったのは、眼窩膿瘍と、膿瘍破裂の文字。

取り急ぎ、かかりつけの先生に連絡を取り、幸いにも連絡が取れたので、家でできる応急処置を教えていただき(他の箇所の処置の為に処方されているものが多少あるので)、翌朝の診察を承諾していただきました。

彼は、とても痛そうです。
先生に教えていただいた応急処置にも、びくびくと全身を震わせながら反応します。
その動きは、間違いなく、反射的な痛みに対する反応で。
我慢しようと頑張る彼が、押さえ切れない程の強い痛み。

翌朝、病院に向かい、先生に診ていただきました。
この状況は瞳に傷があるのが原因で、眼を自分で傷つけたのではないか、ということです。

新たに、眼科治療が追加されました。
時間間隔を置く指示がある薬剤の種類がさらに増えて。
目薬を意とも容易にさせるくらい衰弱しているのが、むしろ不幸中の幸いという変な現状。


520g。
よく生きていられるなと思います。

何十年 何百年 何千年 時を越えよう

2009-09-25 | 病院
「もう一度、一緒に来ようね。」
そう約束をしたのは、まだ、ほんの数ヶ月前のこと。



だから、生きて、もう一度、一緒に見たかった風景。
そして、君が命を懸けて、また1つ贈ってくれた、大切な贈り物。


560g
秋が来てたここには、痩せ細った君の体にはもう寒すぎたようで。


来年の夏も となりにいるのが どうか 私でありますように。
音に乗せることはできなかったけれど、そう思う気持ちは嘘じゃない。


繋いだ手を離さないで

2009-09-06 | 今日のできごと
数字を見るのが怖いので、家では体重を測っていないのですが、背中のラインとか見ていると、さらに減っている気がします。

自力で水を飲むのは何か弊害があるようで、シリンジから与えないと飲んでないようです。
しかも、普通のお水だと嫌々してくれる。
明らかに脱水状態だと言うのに。

でも、彼はまだ生きてる。
あと、一ヶ月。
お願い。
その言葉を、叶えるために。
いつも、いつも、彼は私の望みを叶えようと、一生懸命。

いつでも、どこでも、彼のことを考えると、泣いてる自分がいます。
4年前の9月、怯え続けた、あの日の既視感。

君がいないなら意味なんてなくなるから

2009-08-31 | 病院
640gを指す体重計。
思わず、「嘘」と叫んでしまった。

リセットして測り直しても、変わらない。
だって、先週720gだったのに。
まだ、一週間しか空いてないのに。
確かに、この数日少し食べ具合が落ちてはいたけど、問題に思う程激しいものでもなかったし、特別具合が悪かった訳でもない。

先生も驚いて。
同じことを思ったのだろう。
隣の診察室にある体重計で測りなおし。
でも、変わらない。

たかが、80g。
でも、今の彼には体重の一割以上。
640gって、君の生後4~5ヶ月くらいの頃の体重だよ。

先生は、うさぎに触れながら「枯れた」とおっしゃる。
中医学で言うところの「腎」が弱っている状態だそうだ。

「おじいちゃん」
と彼に声を掛けた先生の言葉にはっとする。
今まで、何度も、もう年だからねと私が言っても、全てを何を言っているのと笑い飛ばした先生なのに・・・。
ある程度は年齢的なものもあるから仕方ないと聞かされても、だからと言って、でも。


「少し、診察を空けましょう。再来週に。」
ずっと毎週だったのに、突然、そうおっしゃる先生の言葉に、彼はもしかしたら「世話になったな」とお礼を言ってるのではないかと勘ぐってしまう。
彼の先を歩いて行った子達の最後の診察のことが脳裏に浮かぶ。


あと、一ヶ月だけ、一ヶ月だけ、お願いだからこの腕の中にいて。
あの場所へ、もう一度、もう一度だけ、生きて一緒に。
厳密に言えば、もう一ヶ月弱だから。
それが最後でも良いから、もう一度だけ。
お願い。

もう、年だから。
君が楽になれるのなら、諦めて良いよ。
何度も、そう思ってきたはずなのに。
でも、まだ、ここに居て欲しいと。
一緒にもう一度あの場所へ行きたいと、そう思う。
自分の強欲さに、今更気づいた。

僕らはきっと幸せになるために生まれてきたんだって思う日があってもいいんだよね

2009-08-28 | 今日のできごと
今年も来ました、8/28。
銀ままんさんのところの銀姫ちゃんと、うちのうさぎが斜頚になった日。
理由は様々だけど、お知り合いがここ数年バタバタと旅立っているので、去年願ったとおり、どちらも欠けることなく今日を生きて迎えることができて、本当によかったと思います。

相変わらず、つまらない日常に追われる日々に、彼に充ててあげられる時間は限られていて。
決して十分とは言えないから、不自由な思いをさせてばかりいるはずだけれど、それでも彼は今はまだここにいることを選んでいる。
人の顔を見れば、こちらが何をしていようがお構いなしに撫でてと寄ってくる。
信じきった、その瞳でじっと見つめてくる。

そんな彼が、手元にいてくれる幸せ。
いろいろあるけれど、今日は、それで良い。



そして・・・。

あれから、4年。
その数字を見ると、どれだけのうさぎさんが斜頚になったかと考えると空恐ろしい気もします。
どの仔も皆、斜頚に負けることなく、長生きしてくれますように。
あなたは唯一無二の存在なのだから。

強くなりたいと願ったのは痛みに鈍くなる為じゃない

2009-08-24 | 病院
そろそろ8月末だから、きっとまた何かあるはず。
そんな当たらなくても良い予感だけは当たるようです。

ここ暫く、彼の首の周辺が熱っぽかったのです。
耳は冷たいのに、顎下~首を中心に常に体が熱っぽいような感じ。
彼の顎下膿瘍は、二次炎症を起こしてしまいました。
洗浄の際の膿にも疑わしいものがあったので、解析に回すことに。

検査の結果は、この炎症に効く抗生物質はうさぎに使えるものはないとのこと。

その結果と説明を聞いて、一番に先生に尋ねたのは、彼の苦痛の有無でした。
帰ってきた答えは、
「元の炎症と同じで、炎症を起こしている範囲の痛みはあるけれど、特別に痛みが強くなったりするということはない。」

そう、聞いた瞬間、ほっとしました。

それなら、まぁ、いいやと。
与えたら絶命することが判っている薬しかこの世にないと嘆かなくとも、彼に与えることができる診療は今と変わらなくてそれで彼が余分に苦しい思いをしないのなら、それで良いよねと。

人間、どのような状況でも、段々慣れが出てくると、鈍くなるというか許容範囲が広くなるものなのですね。

体重は720g近辺を行ったりきたり。
体が重くなりすぎないように、自分で調整してるんだと、うさぎは言い張ってます。

また逢う日まで逢える時まで

2009-08-02 | 病院
時々、病院の待合室で一緒になる方がいます。

その中のお一方、お連れは犬なのだけど、小さな頃から病気がちで10年以上病院と縁が切れた事がない子だそうだけど、名実共にお年寄りになる歳まで文字通り頑張り続けてきたかなりの努力家さん。年故に白内障もわずらってしまっていて、物理的には白くにごっているけれど、生命力を感じる強い瞳。そして、うちのうさぎと同じように、病気が原因で、訳を知らぬ他人が見たら、その外見に無意識に反応してしまうようなハンデを持った子。

うちのうさぎが調子悪いときは、待合室で声掛けていただいたり。
そのワンコが検査前絶食の日には、検査終わったばかりでさっそくお食事なのを横でご一緒したり。
お互いに、お世辞にも良くはない幅の中ながらも、その時々で、良くなったり、悪くなったりしてて。

「また、待合室で会いましょうね。」
飼い主さんが、いつも、後に残る私に掛けてくださる言葉でした。
そう、ここで会えるということは、お互いお迎えが来ないまま生き永らえていることの方が不思議な状態を継続できているということ。

少し前、用があっていつもより早起きした、ある日の朝。
いつもなら、家では思い出すことはないその子の事が、突然どうしても気になって仕方がなくて。

その週末、待合室にいつもの姿はありませんでした。

先週、急に立ち上がれなくなってしまっていて、でも、ちょっと落ち着いているようで、声をかけたらいつものように嬉しそうに瞳を輝かせてくれたから、まさかと思いながら、先生に尋ねると、
「きっと、そちらにも、ご挨拶に行ったのね。」
私が気になって気になって不思議に思っていた、ちょうど、その頃、その子はこの世の勤めを終えて旅立ったそうです。

そして、たまに待合室でご一緒するというだけのご縁だったのに、その子はうちのうさぎに、最後に残っていたわずかな生命力をわざわざ届けにきてくれていたのでしょうか、うさぎは体重が増えて、740gになっていました。
そして、瞳はさらに輝きを増しているように思います。

世界はただ妬むばっかり

2009-07-21 | 病院
痩せ細り、あちこち禿げて、ボロっぷりにますます磨きが掛かっているうちのうさぎ。
君は、体重を720gから増やす気はないのでしょうか?

新しく買ったマットが気に入っているとか、西瓜もそこそこおいしいとか、いつのもことながら、先のことを思い悩まず、過ぎたことを悔やんだりせず、まるで、禅の悟りのような在り方をする彼。

でも、煩悩の固まりな私は、彼が治ることがないことを、ちょっとしたできたらいいなを諦めて彼の病院に通うことを、多くの人が特に無理をしなくても手に入れることができるはずなのに自分はどうあがいても手に入れることができないと知っている望みを、延々と思い悩んで。

たぶん、いつまで経っても、彼のように生きることはできないと思う。
生命体として修行が足らないのかもしれないけどね。

すれ違うだけの距離が歯痒い

2009-07-08 | 病院
体重計の表示画面はは700gと720gの間をふらふらしています。
ここ数週、きっちり720gだったので少し痩せたようです。


数日前の夜、家に帰ったら、半日で片側の後ろ脚~脇腹に掛けてがすっかり禿げ上がっていてとても驚きました。

それでも辞めない毛繕い。
何かで気を惹いて一時的に辞めさせても、目を離すと、また、その辺りだけを執拗に嘗め回します。

洗ってみてもダメ。
眠っていたり家を空けたりで、数時間目を離している間に、膿混じりの唾液でぐちゃぐちゃにして禿拡大に逆戻り。

新しい病気追加だったら、と不安に思いながらのいつもの診察だったのだけど、先生はその禿を一瞥しただけで、自由に動けない(斜頚の後遺症による体の傾きが原因で)ことにより、結果としてそこだけを集中的に毛繕いしているだけなので心配するような病的な要因はないし、辞めさせることもできないのでどうしようもないと。

ということで、彼的にはやりたいと思ってもできないストレスで、食事辞めてでも毛繕い→禿拡大&体重減少の悪循環ループ突入中なのだけど、程度っていうのがあるような気がするのですけど。


そして、顎下の膿瘍は、洗浄用の穴が塞がりつつあるのと、新しい膿瘍ができていて既存の穴とは繋がっていないので新しくまた別の穴あけ。

また、黒い血がどっと出て。

袋同士を繋ぐ穴を作ろうとするたびに、ビクビクと全身で反応するうさぎ。
先生は、膿袋は神経通っていない箇所だから痛くはないはずなのにと言いながら、敏感すぎとうさぎに愚痴ってる。

今回は、時間が経ってもなかなか腫れがひかないように見えるのですが、気のせいでしょうか。

こんなことを繰り返して、治ることのない日々しか彼にあげれらない。

キミシニタモウコトナカレ

2009-06-18 | 今日のできごと
キミの勝ち。
自分の努力でこの勝利を手に入れた君に、心からのおめでとうを。


夕張から、とうとうやってきたこの箱。

毎年、検査場からたくさんたくさん出荷されていく箱だけど、この箱は、君の為にと、君がもう一度生きて口にできるようにと、たくさんの人の想いが込められた特別な一箱でもある。
新しい箱が届く度、思い浮かぶ顔が増えて行く不思議。

今まで以上に、いろいろなことがあったこの一年。
もう一度夕張メロンが食べたいという君の望みに、もう、売ってるはずのない店頭を探し回り、予約開始を待ち侘び、正直、届いた時には、お供えになるのだろうなとそう思った日もたくさんあって、一年弱しか経っていないことが嘘のように思えるくらい、長かった。

君と同じように、私も待ちに待ったこの季節。
お腹壊すことになってしまっても構わないから心ゆくまで食べさせてあげたいと、君の体重の10倍以上届いているけど、いっそ今生の記念にジュースでお風呂でもしてみる?


2ヶ月弱、君の幸せな季節がまた始まる。
って、これ熟すまであと数日だけ待っててね。