しばらく子連れスキー苦行(旅行の間違いではありません)に来ているため、あまりブログ更新ができないでおります。
スキー苦行に出る前の話ですが、映画監督の岡本喜八さんが亡くなりました。真田広之さんが最後の2作に主演しているため、私もいろいろと記事を読みあさり、「岡本喜八に捧げる」と題した雑文を書いて、私のウェブサイトにアップしました。英語で書いたのですが、日本語に訳す気力がないので、ご興味のある方は、すみませんが英語のままで読んでください。
Hiroyuki Sanada Enthusiast
喜八さんの作品で見たものは、真田さん主演で遺作となった「助太刀屋助六」だけで、その前の「East Meets West」は手に入らず、見られていません。
私は真田さんを「ラストサムライ」で見てから遡っているので、以前の作品を見る目がたぶん長年のファンの方とちょっと違っていると思いますが、最初のうち、昔の作品になるにつれ、「???」と思うことがしばしばありました。その後、日本映画が一時かなり危機にあったものが、最近復活してきている、ということを知るに至り、なんとなく納得しました。
90年代半ばまでの作品は、例えば「眠らない街-新宿鮫」や「僕らはみんな生きている」などのような日本アカデミー賞作品、それにカンヌに出品して日本でもいろいろ賞をもらった「写楽」でさえ、面白いしそれなりに見所があるのですが、いまひとつ感情移入ができない、何が言いたいのかわからない、説得力に欠ける、という感じが残ります。
それが、98年の「リング」や「D坂の殺人事件」、2000年の「はつ恋」などになると、好き嫌いはいろいろあるでしょうが、何かしらスジが通っていて、ガ~ンとインパクトがあります。私の大好きな「たそがれ清兵衛」(2002)になると、もうこれは文句なく名作。米国のアカデミー賞外国語映画賞に数十年ぶりにノミネートされたというのもうなずけます。
これは、単に真田さん作品だけのことではないような気が最近しています。たぶん、日本映画の質がここ数年向上している、ということなのではないかと思っています。
岡本喜八さんの「助太刀屋助六」は、私の作品印象としては、この二つの極の中間に位置します。すかっと抜けた楽しさが喜八映画の特徴だそうで、また真田さんの演技も「清兵衛」の抑えた調子のシリアスさと全然違う、ちょっとオーバーなコミカルさと軽々とした身のこなしが魅力。でも、刀を抜いたことのない助六が、一転父親の仇討ちを思い立つ重要な展開の部分だけは、私にとってはいまひとつ説得力に欠けていて、「あれ、あれ??」という感じが残っています。(この「あれ、あれ??」感は、「壬生義士伝」でもありましたね・・・)
真田さんは、「助六」の撮影現場では、実の父親のように監督をいたわっていたという話がとても印象に残っています。2ヶ月ほど前だったか、私は珍しく真田さんの夢を見たのですが、それが「助六」の続編を撮っているという夢でした。岡本監督の次作にも出演が決まっていたと聞いていますが、それもかなわなくなってしまいました。
スキー苦行に出る前の話ですが、映画監督の岡本喜八さんが亡くなりました。真田広之さんが最後の2作に主演しているため、私もいろいろと記事を読みあさり、「岡本喜八に捧げる」と題した雑文を書いて、私のウェブサイトにアップしました。英語で書いたのですが、日本語に訳す気力がないので、ご興味のある方は、すみませんが英語のままで読んでください。
Hiroyuki Sanada Enthusiast
喜八さんの作品で見たものは、真田さん主演で遺作となった「助太刀屋助六」だけで、その前の「East Meets West」は手に入らず、見られていません。
私は真田さんを「ラストサムライ」で見てから遡っているので、以前の作品を見る目がたぶん長年のファンの方とちょっと違っていると思いますが、最初のうち、昔の作品になるにつれ、「???」と思うことがしばしばありました。その後、日本映画が一時かなり危機にあったものが、最近復活してきている、ということを知るに至り、なんとなく納得しました。
90年代半ばまでの作品は、例えば「眠らない街-新宿鮫」や「僕らはみんな生きている」などのような日本アカデミー賞作品、それにカンヌに出品して日本でもいろいろ賞をもらった「写楽」でさえ、面白いしそれなりに見所があるのですが、いまひとつ感情移入ができない、何が言いたいのかわからない、説得力に欠ける、という感じが残ります。
それが、98年の「リング」や「D坂の殺人事件」、2000年の「はつ恋」などになると、好き嫌いはいろいろあるでしょうが、何かしらスジが通っていて、ガ~ンとインパクトがあります。私の大好きな「たそがれ清兵衛」(2002)になると、もうこれは文句なく名作。米国のアカデミー賞外国語映画賞に数十年ぶりにノミネートされたというのもうなずけます。
これは、単に真田さん作品だけのことではないような気が最近しています。たぶん、日本映画の質がここ数年向上している、ということなのではないかと思っています。
岡本喜八さんの「助太刀屋助六」は、私の作品印象としては、この二つの極の中間に位置します。すかっと抜けた楽しさが喜八映画の特徴だそうで、また真田さんの演技も「清兵衛」の抑えた調子のシリアスさと全然違う、ちょっとオーバーなコミカルさと軽々とした身のこなしが魅力。でも、刀を抜いたことのない助六が、一転父親の仇討ちを思い立つ重要な展開の部分だけは、私にとってはいまひとつ説得力に欠けていて、「あれ、あれ??」という感じが残っています。(この「あれ、あれ??」感は、「壬生義士伝」でもありましたね・・・)
真田さんは、「助六」の撮影現場では、実の父親のように監督をいたわっていたという話がとても印象に残っています。2ヶ月ほど前だったか、私は珍しく真田さんの夢を見たのですが、それが「助六」の続編を撮っているという夢でした。岡本監督の次作にも出演が決まっていたと聞いていますが、それもかなわなくなってしまいました。