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Tシャツとサンダルの候

懐かしい店で、友を偲ぶ。



今年の4月。

Oが旅立った。

Oとは小中高とずっと一緒。

ご丁寧にも、クラブ活動まで同じである。


私の青春の風景の中には、いつもOがいた。








もうすぐ、アイツの初盆がやって来る。








何故か、西鉄駅前にいる。



目指すのは、駅構内のレストラン街のとある店。

Oとの思い出の店だ。

坊主頭の詰襟の頃から、折に触れこの店の暖簾をくぐったものだ。


ショーケースがある店頭も、店内のレイアウトも50年前のまま。

まるでタイムスリップしたかのようだ。

粋がって煙草などを咥えた、50年前の悪ガキどもの姿が、私には鮮明に目に浮かぶ。



Oは無類のカツ丼好き。

注文は必ず、


「カツ丼頂戴!」







だから、


今日は、Oを偲んで、


「カツ丼頂戴!」


なのだ。

対面に座る家内にも、選択肢などない。

注文はカツ丼だ。


「お待たせしました。」



店の経営は代わったと聞くが、レシピはと言えば、奇跡的にも50年前と少しも変わらない。

出汁の良く効いた吸い物が付くのも、昔のままである。


頂きまーす。


恐らく100回は食べたであろう、懐かしい味がここにある。


Oよ。

やっぱ、ここのカツ丼は美味しかばい。


御馳走様。



Oとの思い出は山程ある。

多すぎて、こんなブログなんかじゃ、書き尽くす事は不可能である。

なので、私とOしか理解できぬワードを連ねて終える事にする。


山火事事件、

放置バイク事件、

深夜の高良山徘徊、

別府旅行、

松竹梅少年行商隊、

等々、あと100程はあるが、ここらで止めておく。





きっと、あの空のどこかで、苦笑いしているに違いない。

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