故郷ありて今が

海沿いの道を登りきると急に視界が開ける。ゆるい海岸線に沿った街が故郷である。故郷の山、川、海はいつも胸に映えている。

心の命ずるままに

2017-08-29 16:25:51 | 日記・エッセイ・コラム

 広いホールには、窓際に沿ってガラステーブルがいくつも置かれている。ホールは華やかな衣装の人たちでかなり混雑していた。ホールの照明が落ちて淡い光に包まれると、窓際の長いカーテンがササーと音を立てながら開いた。対岸の流れるネオンやホテルから漏れている灯りは、まるで演出された映像のように眼の前の暗い波間に映えて いる。波間に点滅する灯りにしばし吸い込まれそうに眺めていた。
 我に返るとステージの幕が揚がって、ドラムの重い金属音がホールの空気を振動させて突風のように駈け抜けていった。 
 演奏は、ピアノ、シンセサイザー、ギター、ドラムと豪華である。
ダンスはテネシーワルツの甘い曲で始まった。外人歌手のライトイエローのロングドレスがスポットライトの光を浴びて眩しい。

 突然 「お願いします」
「私はあまり・・・・・」
「大丈夫です 私がリーダーになりますから」
 凛とした顔立の中にやさしさが漂う人で、白地に薄い黒玉模様のレースのブラウスがよく似合う。断る理由は勿論なにもない。
 
 丁度 ダニーボーイの演奏が始まった。ホールドは曲のムードをかもしだしていた。ワルツだ。いきなり連続のリバースターン、ナチュラルターンである。リルトの動きを感じながら進んでいく。組んだ左手と背中にまわした右手に伝わってくる温もり、右腕の肩近くにそっと置かれた三本の指は何かを語りかけているようだった。

 いまだに未熟なダンスしか出来ない自分だったはずなのに今日は違う。音が見えるのである。ホールは混んでいるのにLODが見える。ワルツの新しいフイガーを心の命ずるままにさわやかな風吹く草原を蝶のように舞っていった。流れている曲の風景さえ映る。時々組んだ左手に力入れてみる。抵抗ない。不思議な感覚の中に時は流れていった。

 多分自分がリードしているのではなくリードされたのであろう。あまりの鮮やかな舞にまわりは踊りを止めて見入っていた。床を打つような大きな拍手が続いた。これまで経験したことのないどよめきの世界だった。

 二人は熱い視線を受けながら窓際のテーブルについた。「感激です」「あなたは・・・・・・」言葉がでてこない。テーブルのコップを手にする間に女は消えていた。
 高い金属音のドラムの音に目が覚めた。

 


便利さの裏

2017-08-18 09:42:19 | 日記・エッセイ・コラム

 スマートウォッチに「バッテリーの充電量が少なくなりました」と表示された。コードをパソコンのUSBに接続する。これまで確かめて対応してきたことがワンステップ省かれていることになる。消費カロリーのチェックで少し「炭水化物の取りすぎです」「歩いてみましょう」等々表示されるとコントロールされている生き方になっているなと思うことである。
 AIの進化で人間の感情支配もコントロールされる日もそう遠くないであろう。かっての情報技術が超情報科学技術の世界になり人間は支配されて生きていることに配慮が必要か


スマートウォッチ

2017-08-12 11:31:24 | 日記・エッセイ・コラム

 健康管理に活用しようと思ってスマートウォッチを使い始めた。心拍計つきフイットネスリストバンドである。一日を通して心拍数を計測することで睡眠の質をチエックできる。はじめは日時を確認できればよいぐらいに考えていたが、歩数、距離。消費カロリー、アクティブな時間、自動睡眠記録、自動運動記録などのいろいろのデータをスマホで確認している。
 まだ体調管理に役立つほどの計測されたデータの見方が出来ていないが明日に課題あると無駄ではないと思う日々である。一日の歩数が少ないともっと歩かなくちゃとの思いが走るからよい刺激になっている。