乱文御免!映画とドラマの感想を書いていくブログ

子供が生まれてからはなかなか更新出来ていない上に、子供向けコンテンツの鑑賞の機会が増えました。

吉沢亮が二役だと知らなかった「キングダム」

2020-06-26 12:06:48 | Weblog

ちょっと前の話になるが、吉沢亮の出演作の中でも評判が高い「キングダム」が地上波ノーカット放送だというので早速鑑賞。
事前知識としては、コミックが原作で山崎賢人が主役というくらい。かな〜り真っ新な頭で観ました。

冒頭、幼い信が大沢たかお演じる戦国武将を観て憧れを抱くシーン。
大沢たかおのアルカイックな表情に威厳が漂って、これはいいキャスティングなのではとテンションが上がる。

しかも、少年時代の信役の男の子が野生的でカッコ良かった。小学校のクラスメイトだったら好きになっていると思う。
あと、山崎賢人に雰囲気が似てたのも良かったな。浮浪少年みたいな男の子が成長して、山崎賢人になるのに違和感がなかった。

タイトルにある通り、吉沢亮が二役やるのを知らなかったので、序盤の段階で殺されちゃって、あれ??もう出ないの???
と非常に不安になったが(笑)、この後、別役で出てきたので、ああ、こっちがメインかと安心。

こんな程度の知識なので原作の漫画も全く読んだことがなかったのだが、キャラクターのイラストを見たら、エイ政の顔が吉沢さん演じるエイ政に凄く雰囲気が近くて「わ、似てる〜」と心の中で呟いてしまった。

エイ政の登場シーンは、明らかに漂とは違う王族の雰囲気が出ていないと成り立たなかっただろうが、これがとてもよく王族感が漂っていて印象に残った。

二役だと知らなかった私も信と同じように動揺してしまいましたとさ。

山の王を演じた長澤まさみちゃんは若い頃の可愛いイメージから成熟したイメージに上手く変わっていて、これも最初は「誰?」と思ってしまった。雰囲気は真矢ミキっぽいけど、それにしては若いし顔も違うよねと。長澤まさみちゃんはこの先、理想の上司みたいな役もやっていきそう。

ちょっと残念だったのが橋本環奈ちゃん。悪いという意味ではなく、男の子なのか女の子なのかの立ち位置の話。
被り物を外してお顔を出したら、凄い美少女出てきたーと思ったので、信と恋に発展するのかなと変な期待があったのだが、最後までずっと男の子だった。そして、男の子にしては声も顔も可愛すぎだった。


やっぱり続編も面白かった!男女7人秋物語

2016-09-26 15:16:25 | Weblog

夏物語の続編の秋物語。

大竹しのぶと明石家さんまのやりとりの面白さはそのままなものの、キャストもメインと鶴太郎演じる貞九郎以外は変わるし、ロケ地も変わるしで、テイストが違うので、夏派と秋派と好みはきれいに分かれそう。

私はどちらかといえば夏派。展開がドキドキして引き込まれるのは秋の方だけど、桃子が夏の時に友達とワイワイやってた桃子が孤独に見えて可哀想だったのと、美樹さんが素敵な女性だっただけに、あの泥沼の展開からの笑顔で敬礼は切なすぎた。スピンオフかスペシャルで、美樹さんのその後の話も観たかったなぁ。

泥沼劇では、良介桃子が高木や一枝にもガンガン責められてたけど、奴らには言われたくね〜とずっと思っていた。高木は初対面の女性にも「結婚前提に」で交際を申し込んでおきながら、自分の理想と違っていたり、見合いでもっと高スペックの相手がいれば、都度、本命を変えるし、一枝は友達が仲良くなった男でさえ大して好きでもないのに寝とる。

桃子も勝手すぎて共感は出来なかったけど、相手に対して適当な気持ちで接することはなかった分、この二人よりはマトモかなーと思う。

良介と美樹さんとはそれなりに気もあって安らぐところもあったのかもしれないけど、冗談が通じにくかったり、どこかしっくりいかない。桃子とはエンドレス卓球の如く、球がポンポン行き交うように会話が続く。

失恋の悲しみを癒すために新しい恋をしよう!と男性陣も美樹さんも張り切って始まった関係だけど、美樹さんは相手への未練はなくとも傷は癒えていないみたいだし、良介は再会した桃子が気になって仕方がない。

過去の相手を忘れるためにする新しい恋って上手くいきにくいかもしれんね。それに昔の恋人への未練はちゃんと断ち切ってからじゃないと付き合う相手に失礼かもしれない。

モテないのがコンプレックスの貞ちゃんは夏でも秋でも美女に惹かれちゃう。ここまで面食いなのは何ゆえとも思うが、ついに美女の方からも好かれてしまう。麻生祐未さん演じる波子さん、ちょっと変わった人だけど大好き。

髪の毛ツヤサラの手塚理美さんも綺麗だけど、麻生祐未さんには美貌プラス、オーラがあった。華やかだけど清楚で、大輪の花みたい。

秋物語になって変わったことと言えば、ロケ地が東京から川崎と木更津になって、男女7人の仕事が地味になった。まぁ、千明の為替ディーラーは男臭いし、香織の照明デザイナーの卵っていうのも現場仕事でガテン的なんだけど、どことなく業界臭、バブル臭がするこれらの職種に対して、公務員だのエンジニア(研究員?)だの、今でも廃れずに続く堅い職種に変わっていた。

あと、ひかるのチケットセンターの受付の仕事は、未だと派遣や契約社員で雇われるかもしれないが、当時は正社員でやれていたかもしれないね。

アゼリアができたばかりの頃の川崎はこのドラマの放映当時よく行っていた。当時住んでいたところからは横浜の方が近いのに、その頃は横浜を通り越して川崎に行ってた。川崎と言えば、ひかるが受付で働いていたチネチッタもオサレだったなぁ。川崎のイメージをガラリと変えたこのドラマ。

一枝の勤務先で鶴見線が出てきたのも凝ってたし、美樹さんが釣り船屋の後継っていうのも新鮮。良介は木更津からフェリーで通勤していて、そこで桃子とよく会っていたけど、人気のない甲板での二人のシーンは首都圏が舞台のドラマなのに通勤の喧騒感もなく、どことなく異空間。

あと、夏物語では千明部屋がおしゃれなのにキッチンだけが昭和だったのが印象的だったのが、千明と住むために買ったという貞ちゃんのマンションのキッチンがカウンターキッチンへと進化していた!

千明はアメリカに転勤した設定で、秋物語に出てくることはなかったけど、桃子にはアメリカに行くなって言っておいて、自分は行ってしまったのね。。しかも、転勤が決まった貞ちゃんに「行かないで」なんて言っていたのになぁ。それで、頑張ったけど本気で好きになることは出来ずに貞ちゃんとお別れ。でも、2か月に一度は電話してくる関係。

この千明のめんどくさい感じ、桃子とよく似ているかもしれないね。桃子と貞ちゃんとの会話で、千明がいなくなって、自分をわかって受け入れてくれる相手を失った桃子の喪失感を感じたな。メールもスカイプもSNSもない時代だから、桃子は相談できる相手もいなくて可哀想だったかも。

夏の方は桃子側でも女友達とワイワイやってて、他にも仕事仲間と一緒に行動するシーンもあったから安心感があったけど、秋物語では一人ぼっちで、健ちゃんとわがままな健ママしかプライベートな付き合いがなくて、孤独だよね。美樹さんの方は実家暮らしで妹とも何だかんだで仲がいいし、友達もいる。良介には親友の貞ちゃんがいて、高木がもれなくついてくる。

ただ、秋物語の方の女側の友情はちょっと複雑で、問題児一枝を他の二人が見捨てないのは美しい話ではあるものの、夏物語で見たような軽さがなくて、重たさがあったけどね。


「ノンママ白書」の最終回を観て

2016-09-26 13:42:26 | Weblog

鈴木保奈美演じる土井が遂に本音をぶちまけた最終回。

土井はあとで本城に感情的にならないで上手く言えよ的なことで諭されていたが、このチームは酒や怒りに身を委ねないとなかなか本音が言えないみたいだ。あ、最初から言いたい放題の野村は別か。

こんな感情任せにぶちまけるんじゃなくて、もっと早い段階で、会議かなんかで普通に言えばいいのにな。問題には気づいておきながら、ギリギリまで放置は良くなかったと思う。

ドラマの出演者のインタビューでは土井は部下の話を聞きすぎるという評らしいが、逆かなといつも思っていた。もう少し部下の話を聞いて、その上で自分の意見も言えばいいのにと。だから、最終回は野村と向き合って話すみたいな展開になったのかなと思ったが。。

吉沢さんはBBA、小梨発言で完全に男尊女卑だと思ったけど、これ、中の人がインタビューで、この人にはこの人の正義があるみたいなこと言ってたけど、それでおさまる話かなぁ。最終回でも野村に子供ができたら家で弁当作ってろとか言ってたし、根底にあるこの女性蔑視はなかなか消えないだろうし、土井が一括したくらいじゃ収まらないだろう。

そこで、土井の男性向けの「あんたたち矛盾しているわよ」のくだりの主張はごもっとも。産んでも産まなくても何かしら言われる、それが女性を混乱させ、苦しませ、変なヒエラルキーを生み、女同士の対立を生むのよね。

ただ、どれだけ女性たちが傷ついてきたかのあたりはいらんかな。それは男性だって同じだろう。傷ついてきたと感情に訴えるのはあそこでは適当でない気がする。

ラスト、時短の野村のせいで過労気味だった小中が男性初の育休取得社員になったあたりは良かった。だって、それまでずっとワーママのフォローしてんだもんね。そりゃ、俺だって取れなきゃおかしいわな。

それにしても、時短で復帰しただけでこんなにチームが混乱するってことは野村の育休中はどうだったのかな。誰かが彼女の仕事の穴埋めをしていたはずだが。。新たに育休を取得する社員のために派遣を雇うみたいな話を大野がしていたから、派遣を入れていたのかな。となれば、野村が時短で復帰して忙しくなるのであれば、それについても人員補充を申し出る必要があったのではないかと思う。

人件費を考えると、下手に正社員を酷使するより、コピーなどの事務方の仕事に関してはパートで派遣入れても良かったんじゃないかと思う。割高の正社員に無理して雑務を押し付けないといけない規模の会社ではないだろうし。ギリギリの人数で、時短の人までフルタイム並に働かそうとするから無理が出てくるのでは。。

それとも、野村と入れ違いに産休に入った、りりかが育休中の野村のフォローをずっとしていて、復帰後も野村をフォローする予定だったのかな。そうするとりりかの代わりのスタッフを入れる必要があったよね。その辺、どうなっていたんだろう。

そして、大野と葉山はすったもんだの末、一人になって3人とも独身で幕を閉じる。遍歴になってもああやってバーでスーパーフードつまみながらワインを飲んでいそう。

土井は本城とよろしくやっていますみたいなラストだったが、本城が電話で呼び出された「女」って何の女だったんだろう。キャバクラの姉ちゃんなのか、友達以上恋人未満みたいな関係の女性だったのか、それとも、女の存在は嘘だったのか。

あと、土井に送られた脅迫メールの犯人は分からず仕舞いだったのかな?

このドラマ、コキン法一期生の30年後のお話というところもポイントだと思う。30年経って何が変わりましたか?変わっているところもあるけど、まだまだなところもあるんじゃない?もう30年だよ???

という。。

あと、彼女たちがボロボロになって獲得してきた女性の権利が、若い世代の女性たちは当たり前のように行使し、乱用し、子供を持てなかった上世代を、ああはなりたくないみたいな目で低く見るっていうのもありそうだなと思った。

いつも思うんだけど、女性は子供を産むからお荷物で。。とか言う割には、子供を持たない独身女性も大して出世してないよなぁと。土井がその典型なんだろうけど。一億総活躍で女性も輝かせたいなら、まずは身動きとれないワーママよりも、小梨バリバリのノンママを出世させればいいのに。

そもそも、産んで仕事セーブするのって数年くらいなんだけど、会社はそれすら耐えられないのかな。気持ちはわかるけど、その割に大企業は何も出来ない新卒をホイホイ採用して、長年かけて育てて、即戦力の中途は生え抜きより扱いの低い会社もあるよね。会社って若い社員の育成については忍耐力あるのね。

そして、土井みたいな人は外資にでも行けばいいのにと思っていたら、先週、不意に登場して、最終回ではどんなキーパーソンで出てくるんだろうと期待させていたギバちゃんが外資から来た新社長!というオチだった。

このドラマ、大げさだったり、えぐかったり、女の本音をバーの大人女子会だけで展開したりで、ジャンクフードみたいな作品だと思った。製作者側の言いたいことばかりが強調されてバランス悪く、あまり観ている人たちのことを考えず、手抜き感もあるんだけど、何となくやめられない。。みたいな。

もうちょっと話題になって欲しかったけど、このドラマをきっかけにもう少し洗練された高視聴率のノンママドラマが登場していくかもしれね。そういう人柱的な意味でも画期的な作品だったと思う。

 


懐かしい!男女7人夏物語

2016-09-13 11:29:34 | Weblog

TBSチャンネルで絶賛放送中にて、ものすごい久しぶりに鑑賞。私が中学生くらいの頃にやっていた作品だと思うが、元祖トレンディドラマだそうだ。一番気になったのは池上季実子演じる千明が着ていたダボダボのジャケットで、今見ると結構カッコ悪いんだけど(笑)、当時はおしゃれスタイルだったんだろうなぁ。

当然携帯がなかった時代なので、連絡手段は家の電話。子機もあまり普及していなかったのか、さんま演じる良介は、電話する時は電話のコードをダラダラと長く伸ばして、部屋の中を自在に動き回って話すことが多かった。電話番号を探すのにアドレス帳を開くのも懐かしい。

そして、平日の日中に電話する時は相手の職場にかけている。メールもないし、電話して確実につかまるのは会社なので仕方がないんだけど、今は仕事中にデスクで堂々と私用電話なんてほとんどないよねー、きっと。

パソコンもないので奥田瑛二演じる野上の会社のシーンでは、モニターレスで他の人の顔がよく見える。それよりも、パソコンがなかった時代はどうやってお仕事していたのだろう。まぁ、パーソナルじゃないだけで何かしらのコンピューターはあったから、めんどくさい計算とか処理はそっちを使ってやっていたんだと思うけど。

あと、今と違うのは喫煙率の高さ。会社で吸ってるのもびっくりするけど、まぁ、あっちでプカプカ、こっちでプカプカ。男も女も公共の場所でプカプカプカ。当時はそんな時代だったのね。喫煙者が差別され、禁煙外来に通ってまでタバコを辞める人が増えている昨今とは大違い。逆にこういうタバコハラスメントの歴史があるから、嫌煙派の声が今大きくなっているんだろうなと思う。

ドラマの中で一番都会的でおしゃれなライフスタイルは千明で、マンションは見晴らしのいい広いベランダが付いている物件。モノトーン調のインテリアは今見ても素敵なんだけど、キッチンだけがしっかり昭和。システムキッチンが普及するのってこの数年後くらいだったかしらね。

女性たちはみんな専門職種に就いていて、男女7人がそれぞれお仕事を頑張るシーンが時々流れるが、みんなとても輝いている。仕事にやりがいを見出せた時代だったんだなぁ。上司が部下に気を使わないといけなかったり、ブラックな労働条件で苦労するシーンなんて微塵もない。会社が倒産、リストラの危機なんてものもないし、忙しくても楽しそうだ。

この後、女性たちはみんな仕事はどうしたんだろう。続けたんだろうか。小川みどりさん演じるウグイス嬢は見合い結婚し、仕事を辞めて子どもを産んでいいお母さんになったと想像するが。

ドラマでは結婚したらみんなで集まることもないんだろうななんて語っていたから、結婚して家に引っ込んだんだろうな。女同士で集まるシーンも今だったら、独身の女性と子持ちの女性がランチしてっていうのもあるけど、当時は結婚して子供産んだ女性はあまり外には出なかったんだと思う。

結婚について女性が語るとき、旦那の話は出ても子供を産んでからの話が出ないのも当時の感じがする。今、女性が結婚したいとしたら、子供が産みたい、産むには出産リミットがある。とか、そういうことばっかり。

私もまだ子供だったのでよく分からないけど、当時はそういえば結婚ていうと旦那のお世話をするのが第一で、子供のことって二の次だったような気がする。30歳までには産みたいわとか、そういうのはあったと思うけど。少子化が問題視されるようになっていくのはこれよりもうすこし先で、この頃は小中学生だった世代が将来、彼らの親たちと同じように2人くらいは産んでくれるだろうと思われていたんだろうな。産めていれば確かにすこしは少子化対策に貢献できていたかもしれない。

さんまとしのぶのやりとりは安定の面白さで、離婚後も共演する程、相性が良かったのがうかがえる。まぁ、とにかく大竹しのぶが可愛いな。他の人たちも自然な演技で古臭く感じない。

鶴太郎が演じる貞ちゃんは第一印象から女性陣に馬鹿にされていたけど、これも当時、よくあった描写だなと思った。とにかくちょっと真面目そうな、ダサい、容姿イマイチ、田舎出身(貞ちゃんは違うかもしれないが)の男性を女性陣が鼻で笑うみたいな。

貞ちゃんは中身のいい男の設定だったけど、最初のあの女性陣の態度はひどい。でも、当時は普通だったのよね。ドラマには出てこないが、男性が乗る車は品川ナンバーか横浜ナンバー以外は認められなくて、練馬や大宮、習志野あたりで来るとブーイング。今は若者が車すら所有しない時代。隔世の感あり。

これ、放映当時は、適齢期過ぎたおじさんおばさんの青春恋愛話なんて見たくもないわと思っていたんだけど、あまりに人気があったので途中から観てみたら面白かった。多分、登場人物は30歳前後くらいだよね。今ならアラフォーだって若者みたいな恋愛する時代。アラサーなんて青春ど真ん中でまだまだ若ーいよねぇ。


不倫は女の人格を変える

2016-01-13 10:33:45 | 恋愛・結婚

ベッキーの不倫騒動で盛り上がっているので便乗して日記を書いてみる。ベッキーは好きでも嫌いでもない、どちらかと言えば好き。くらいなので、ショックだとか怒りがこみ上げるなどというのはないのだが、周りの芸能人の「ベッキーはいい子」の擁護は何だかなぁと思う。本人のためを思うのならば、事実を認めて反省しましょうくらいのことは言ってあげてもいいと思う。

私の周りにも既婚男性とつき合っています!という友達が何人かいた。彼女たちは、その後、不倫相手とは別れて別の人と結婚し、今では幸せそうに暮らしている。もちろん、私はみんな大好きだし、元々、そんなことをするような性格ではないと信じている。たまたま、好きになった人が結婚していただけ。

と言い切りたいところだが、不倫していた当時の彼女たちの主張には、何て自分勝手なんだろうという印象しかなかった。もう、自己弁護ばっかりで罪悪感はなし。彼と私は運命で、中には奥さんの方に問題があると言わんばかりの人もいる。可哀想な日陰の存在なんてところは微塵もない。

じゃあ、彼女たちが本当に性格がねじ曲がっているのかというと、それも違う。止められない恋心が彼女たちを一時的に変えてしまった。そうとしか思えない。

結局、彼女たちの中で略奪婚しましたよっていう人はいなくて、みんな自分からお別れして、そして、別の人と出会った後は、何事もなかったようにお付き合いし、結婚した後は善良な妻や母として生活をする。ちなみにお別れの際には男の方が未練タラタラというパターンが多いみたいだ。勝手だわと彼女たちは怒っているが、勝手なのは自分も一緒ではないかと、ちょっと突っ込みたくもなる。

不倫の過去について、彼女たちの夫や彼氏は当然のことながら、彼女たちの前でも不倫の過去についてはもちろん言及しない。きっとなかったこととして忘れたいだろうから触れることはない。事前に直接、彼には不倫のことは内緒にしてねと口止めされたこともある。とは言え、不倫ていうのはインパクトが強すぎてどうしても私の頭から離れることがない。そして、当時の彼女たちの主張に不快感があったのも事実であるから、友達を少し違った目で見てしまう罪悪感もある。

ただの元彼の話なんかだったら、今時、結婚前に誰ともつき合っていませんでしたなんて人少ないよなーと思うし、人のことなんで私も忘れちゃうことが多いけど、不倫してましたっていう相手のことはどうしても記憶からなくならない。でも、私の記憶の中でもなかったことにしないといけない。当事者じゃないのに忘れたくても忘れられない墓場まで持っていく秘密ができたような苦しさ。

一応、不倫を含む略奪系は、友達が足を踏み込もうとしていたら、ちゃんと止めるスタンスではあるが、深く踏み込みづらいときもある。そして、会ったこともない奥さんだの、彼女さんだのの気持ちについ共感してしまい、自分の友達のせいでパートナーに裏切られて可哀想だなと思ってしまう。

私には不倫した経験があるわけではないのに、人の不倫経験に振り回されるなんて、何だか理不尽に思えてしまう。。


再び「まれ」の感想

2015-09-01 23:26:07 | Weblog

「まれ」についてはいろんな人たちが文句を書いているのである程度は割愛するとして、個人的に気になったところだけ書いておく。

この作品で一番気になる(気に入らない?)ところは、何かを決断する場面において、それが他人のお膳立てや他人の都合で成立することが多く、ひろいんが自分でリスクをとって決断できていないということである。

言わば、誰かがやれっつーからやることにした、誰かが困っているから辞めることにした、みたいなのが多い。

夢嫌いで最初に市役所に勤めたのも、夢ばかりみて自己破産や夜逃げに陥り家族に迷惑をかけてばかりの父親と逆の生き方をしたかったからだし、その公務員を半年程度で辞めて製菓店で修行をすることにしたのも世界的パティシエの婆ちゃんにプッシュされたから。最初、市役所の給料は実家に入れていたようだが、そのためか貯金はロクに出来なかったと見える。だから、製菓学校にも行けなかった。そこは親を説得して学校に行けなかったのかなと思う。

修行中の身で付き合い始めたばかりの圭太と遠距離結婚したのも圭太が見切り発車で結婚の話を進めようとしたから。その後、能登に戻って女将になりますとか言い出したのも倒れた親方の代わりを務めるという無理ゲーの末、圭太まで倒れちゃったから。そして、そのままズルズルとパティシエは辞めたままになっていたのを再開したのは、知り合いが店を譲ってくれることになったから。

それでも店の経営なんて無理と躊躇するもやっぱり店やりますとなったのはドリーマーの父親が企画書や事業計画書まで描いて娘に自分の夢を託しつつ失踪したから。その店も農協に資金を借りるところは自力で頑張ったが、何故かケーキ屋なのに午前中だけ営業して午後は女将の仕事をするという無計画さ。これもまれにしてみたら、女将の仕事も好きでどうしても辞めたくないからというよりは、女将がいないと塗師屋の家業は成り立たない(と先代は言い張っている)から。

お店が何とか軌道に乗りかけたところで妊娠発覚。確かに避妊していても子どもはできるときはできるのかもしれない。ただし、そもそも、避妊をしていたかどうかも怪しい。まぁ、授かり物だしできちゃったからという感じではなかろうか。自分の意思でバースコントロールしていたけどできちゃった風には見えない。100%の避妊方法はないにしても、それに近いことは出来るはずであるから。

その子どもというのが双子でハイリスク。そこら辺は「幸せが2倍」という圭太のお気楽宣言で帳消しになり、つわりの話もなく妊娠発覚からロクに産休もとらずにいきなり臨月。かと思えば自然分娩でポン、ポンと産まれる。そりゃ、多胎でハードワークでもモーマンタイで経膣分娩で産まれることだってあるだろうけどさー。

そして、産まれてすぐに双子の片割れが熱を出して、役立たずの亭主がオロオロして、仕事中の妻に電話。まれは大事な得意先から頼まれた仕事を誰かに引き継ぐわけでもなく、仕事をおっぽりだして病院に駆けつけるというドタバタがあり、育児と仕事の両立に悩みつつも、塗師屋のメンバーが赤子たちの面倒をみますというところでこの両立問題はあっさり解決。いきなり、双子は小学生に成長していると。

ここまでまれが自分で動いて家族や有料の託児サービスを頼みに行く形跡はなし。あくまでも、育児も店も女将の仕事も自分一人でやらねばと抱え、無理なスケジュールで動いた挙句、結局、周りが助けてくれて魔法のように上手くまわっちゃう。。そういう展開だ。

この女将の仕事も双子が就学児になって手がかからなくなったことなどを理由に辞めて、パティシエのコンクールに専念することができるようになったが、これもまれが自分で根回ししたのではなく、圭太から申し出があったから。そのコンクールを目指すきっかけも、娘の「世界一にはいつなるの?」という問いかけから。本人はあくまでも、いやいや、私なんてそんな器じゃないですし。のスタンスで、結局、周りのやれやれで弟子が勝手に応募しちゃったの〜というノリでコンテストに応募。

まるで、周りが店やれっつーからやりました。できちゃったから双子産みました。辞めていいっつーから女将やめて、みんなが勧めるから世界一のパティシエを目指しましたって言っているように見える。

これらの展開の後、とってつけたように努力するシーンが出てきたりするが、体育会系よろしく、徹夜づけの一発勝負みたいな短期集中で修行に専念するのもあざとさを感じる。

あくまでも作者の中でもまれ像は、家庭が第一の人だけど、天才的な味覚と一夜漬けみたいな短期間での努力だけで、一流パティシエと良妻賢母を両方成り立たせているスーパーウーマンである。しかし、そこに至るまでの過程がすっ飛ばされたまま、客の注文は投げ出すわ、商品売らないとか言い出すわ、コンテストも娘の相撲大会のためにすっぽかすわで、まるで成長がない。

まれの成長しない感じは、地道にコツコツの夢嫌いは、実は熱い心を持ったドリーマーで、昔から志は変わらないし、ブレない。夢に向かって真っしぐらな女性だというところで勝手に消化されているように見えるが、自分で取捨選択して行動している場面が少ない(せいぜい、マシェリシュシュで修行させてくれと頼みに行くところくらいか?)のと、ピンチの場面で人に何かをお願いしたり、苦労して乗り越えたりという描写が少ないので、どうしても受け身の女性が行き当たりばっかりで中途半端に夢を追って、でも、何となく周りのお膳立てで上手くいっちゃったことで成長しなくても良かったことになってしまう。

「あまちゃん」も海女になったりアイドルになったり海女に戻って地元の復興に一役買ったりと、(母親の春子曰く)自分勝手で全部中途半端で成長している風には描かれないが、人から言われたからではなく、最終的には自分で決断して行動している。それから、成長に関しては自分ではっきりと、成長ばかり追い求めるのとは違う今の自分の生き方の良さを認めている。というわけで意外と?ブレがない。何といっても「あまちゃん」の場合、ヒロインは当初からそんなに年をとらない設定だから、そんなに短期間でバーンと変わる必要があるわけでもない。そこはとっても等身大に描かれていると思う。

あと、「あまちゃん」の場合、アキだけではなく他の登場人物も、「まれ」に出てくる、仕事を途中で投げ出す能登の人達(とりわけ、まれ本人)と違って、そこまで無責任で変な行動がない。アキは夏ばっぱが倒れてもオーディションは投げ出さないし、嫌で嫌で躊躇した前髪クネ男とのキスシーンも(結局なくなったけど)、現場に現れた寿司屋の彼氏を追い払ってでもやろうとしていた。

というところで、まれの制作サイドはあれだけ「あまちゃん」を意識した設定にしておきながら、あまちゃんの中の何を見ていたんだろうと疑問。

まぁ、やっぱり一言でいうと、
「ごちゃごちゃといろんな要素を詰め込み過ぎて消化できていない」
というところなんだろうな。

詰め込み過ぎイコール破綻するとは限らない。韓流ドラマファンでもなくヨン様も好みじゃない私ですらハマった冬ソナは、昼ドラ的な要素てんこ盛りで奇想天外なストーリーでご都合主義な展開だったが、 それでもシナリオが破綻していなくて何度観ても面白いし、最後まで美しいドラマだった。

まれとよく比較される「あまちゃん」だって同じ。アキはコロコロコロコロやりたいことが変わって、母親の春子に「やりたい放題」「そのくせ、何もかも中途半端」のようなセリフで叱責されるが破綻なく、素直に展開を受け入れられる。

出産育児でキャリアを余儀なく中断させられることが多い女性にとって、競争の厳しい世界で第一線でい続けることは困難である。だから、育児を経て再び世界を目指すヒロインの生き方というのは何処かでワーキングウーマンに希望を与える内容であって欲しい。

だが、このヒロインの家庭と仕事の維持の仕方は特殊な部類だと思う。何せ、産休を3ヶ月にせざるを得なかったから故なのか、復帰後の預け先についての考えがまるでない。

輪島市周辺の保活事情は知らないのだけど、都会のような待機児童問題はなさそうに見える。午前中だけなら公立保育園で一時保育という手段は考えなかったのだろうか。もしくは、出産を機に専業主婦になるって言っていた義理の妹で友達のみのりに頼んでも良さそうなものだと思う。ここら辺は母も友達も敢えて関わらないスタンスなので2人がとっても冷たく見えてしまう。あと、近所の面々も。。

安易に周りに助けてもらうようではヒロインに困難がなさすぎる!とでも思ったのかぁ。。制作者の方々。でも、保育園にもシッターにも家族にも預けないで店やるって、子供の世話についてはどうするつもりだったの?って感じだし、結局は塗師屋の人たちに助けてもらうわけで、単なる自業自得で、困難にメゲズに頑張るヒロインでも何でもないと思う。

子供が熱出しちゃってあんなに苦悩するのも何だかなぁと。そりゃ、あの月齢で高熱出したら確かに心配だし、側にいられなかったことに後悔はするだろうけど、父親がついていながらオロオロ嫁に電話までしちゃって、姑にはまるで自分のせいで熱出したかのように責められるわ、実母は助けてくれる様子はないわで、何だかねと。そういう孤独な育児をするワーママを表現したいならこういう話もわかるけど、周りはみんな(天敵の姑でさえ)”いい人”で、頑張るという話なら、実母や義理母、ご近所の人達の助けも必要だと思う。

そして、乳児の世話に追われていたと思ったら、いきなり6年後にワープ。育児が落ち着いて店も軌道に乗ったという話になっているが、所謂、小一の壁はなかったのかな。

パティシエの世界のことは詳しくないのだけど、女性のパティシエというのは少ないという印象。お料理研究家としてマスコミに出たり、店を輪島辺りに何件か経営したりっていうのならそれなりに「上がり」だと思うのだけど、ここではあくまでも師匠の池端シェフ(というか、監修の辻口シェフ)みたいにフランスの権威のあるコンクールで優勝するっていう筋書きが最終ゴールみたいになっている。

「やりたいお菓子と現実」について、どういうお菓子を目指しているのかという答えが出ないまま、コンビニスイーツに負けたり、センスがないと言われたりして、第一線からは退いたヒロイン。結局、子供がいて、店を持って好きなことが出来て、悪くない展開。ドラマとしてはそこで終わっては欲しくないところだが。。しかし、アンチテーゼとして登場する池端シェフ、祖母の幸枝、先輩の陶子は家庭を犠牲にしてキャリアを形成した、ワークライフバランスを目指す女性には正反対の生き方。

それならば、自分なりの方法でキャリアを諦めずに家庭を維持する方法があると思うのだけど、そこをどう描いていくのかなと思う。ある程度は家庭は放ったらかしになったり、家庭を人任せにせざるを得なくなると思う。こういうときにいちいちヒロインに苦悩させていくつもりなのかな。

そりゃ、悩みはあるかもしれないけど、親の背中を見せて理解させるやり方もあるかもしれないし、それよりも自分の決断にいちいち迷うという展開でダラダラ話を続けると、視聴者はイライラするだけだと思う。こんな厳しい世界で生き残っていかないといけないのだから、迷わず突き進んで欲しいと思う。


「まれ」に見る朝ドラの伝統芸

2015-07-30 14:11:43 | Weblog

今週に入ってから能登編に戻り、パティシエの道から外れて嫁姑問題勃発!でガッカリしている視聴者が多いと思う。未だに女性が結婚で仕事を諦める展開って何なのよと思った人も多いはず。

この展開ちゃ長くは続かないだろうから、またパティシエに戻るのだろうか。そうすると遠距離結婚の行方はどうなるのかなと思ったり。。結局は能登に戻って輪島塗とコラボしたケーキを出す店を展開して、全国から人が訪ねてくるのかなと勝手に予想。能登にいたときに、ダメおやじが能登でレストランを開くプランを練っていたから、IT企業で培った経験を武器にうまく宣伝して、おやじのレストランと提携するのかなと思った。

地方にある美味しいものが食べられるレストランていうのはたくさんあるけど、洋食系の場合、シェフは大抵、三ツ星レストランで修行したり、海外のコンテストで入賞したりっていう経歴を持っていたりするんだよね。まれではそこまでの経験を積むのかどうか。。フランス行きを断った時点でちょっと怪しくなってきたけど、そこはおばあちゃんのコネで何とかするのかな。

例えば、パリで本格的な高級寿司店を営むフランス人がいたとして、その人はやっぱり日本の寿司屋で数年は修行して欲しいなと思う。これが中国人や韓国人がカリフォルニアロールを出す店でちょっと働きました。。の経歴だと、日本人としてはガッカリ。フレンチのプロが寿司をフレンチ風にアレンジして出しますっていう店ならまぁ、納得するのだが。。

だから、まれちゃんにはフランスで修行して欲しい。

ところで、遠距離結婚とか、夫の家業と継ぐとか、嫁いびりとか、行き当たりばったりのヒロインの性格とか、故郷回帰とかっていう展開を見ていると思い出す過去の朝ドラがたくさんあるよね。

夫の家業問題で本質から離れちゃったので思い出すのが、私だったら、純情きらりかなぁ。あれは、味噌屋のおかみになってからまったく違う話になっちゃったよね。でも、最後は病気で、普通の生活が一番いいということをヒロインが実感して亡くなるっていう展開で、この普通の生活が〜のくだりは作者の主張でもあったようなのでそんなに違和感がなかった。ドラマ自体、面白かったし、時代も古かったから仕方がないところもあったしね。

パティシエから女将になるって言ったら「どんど晴れ」を思い出す人も多いと思うが(しかも、ヒロインやった人が写真で登場したよね。。そして、ヒロインは横浜出身の設定)、あれは最初から女将の話だったので、そんなに変な感じではない。そして、このパティシエとしての経験を女将の仕事でも生かすという展開にしたわけで。。。

遠距離結婚というと、古いんだけど、「ええにょぼ」を思い出す。あれは戸田菜穂がヒロインで研修医の設定だった。途中で離婚の危機もありつつ、うまくやっていくという話だったと思う。まれは圭太と離れている間にケンカしたりはしたけど、離婚の危機的なものはないよなぁ。あのまま、能登に帰らなかったらその展開っていうことになるのか。

「まれ」で気になることはたくさんあるけど、個人的に一番気になるのは、みのりの子供がまだ一人もいないことかな。これ、どういう風に処理するんだろう。最後の方でいいから、子供がやっとできたよーという展開にして欲しい。ついでにその後、双子が生まれてまた増えましたーとか。。子供たくさん欲しがってたんだから。。ここは雑にしないで欲しい。それに、みのりちゃんの出番ももっと見たいわ。

「まれ」は「あまちゃん」の設定を踏襲したと最初は言われていたけど、改めて見直してみると、あまちゃんの方がだいぶ丁寧につくられている印象がある。まれはちょっと大味かな。クドカンて小ネタをたくさん仕込んでくるだけあって実は仕事が細かい人なんだよね、きっと。作風が軽くて演出が即興っぽいからサクッと書いた脚本に見えちゃうけど、とっても繊細で情報量が多い。何よりキャラクターに対する愛情が深くて手を抜いていない。

「まれ」で心配なのは、作者がヒロインを本当に好きで思い入れがあって書いているのか疑問に思うことがあること。あと、主演の土屋さんは明るくて美人で印象の良さそうな女優さんだが、どうも一子役の清水さんに食われている印象がある。役柄ではこっちの方が性格悪いのに。。もしかしたら、朝ドラで求められる元気で一生懸命なヒロイン像に応えようと頑張るあまり空回りしているのだろうかと思ったり。

何せ、最初は夢ばかり追いかけて失敗しているダメおやじを反面教師にし、「夢は持たない」「地道にコツコツ」と言っていた子が、市役所勤めも続かず、やっと一人前になってきたところで菓子店も続かず、しかも、どちらの職場でも新人時代は普通以上に使えない人材で周りに迷惑かけっぱなし(しかも、菓子店では自分と同じ使えないド新人を採用。先輩の陶子曰く、この店は製菓学校出か何処かの店で修行した人しか入れないような店なのに!)。

しかも、恋愛もフラフラしちゃって、二人の男性の間で揺れることになって、途中でちょっと魔性の女になりかけた。

オヤジのようにはなりたくない!と言っていた子が結局はオヤジと同じ性格だったんじゃん。。というところの葛藤がないのかと疑問。

あと、味覚が優れていると言われたヒロインで思い出したのが「ほんまもん」ていう池脇千鶴主演の朝ドラだったが、あれは私のかすかな記憶では、ヒロインは天才料理人で、結婚もするのだが、夫は彼女の後見人みたいなおじさん達に「あの子は日本料理界の逸材で、お前にはその夫として、あれの能力を支える覚悟がいるぞ」みたいに釘を刺されて一時は離婚の危機になったりする話じゃなかったかと思う。

「まれ」にもそういう展開があってもいいと思うんだよね。。しかし、それを言わせるにはまだ経験が足りなさ過ぎなのかもしれないが。

美的センスがないというところも、普通はシェフに言われる前に気づくと思う。それで何処かでお菓子のデザインの勉強もするシーンがあってもいいかなと思う。シェフがお客さんに注文を受けて描いたデザイン案の素晴らしさに感動していたじゃん。絵も上手に描けるんだし。。オリジナルを作れないのにパティシエ名乗られても。。

お菓子の素晴らしさって味もさることながら、美術品のような美しさもあると思うんだよね。フランス菓子は特にそういう傾向が強いと思う。美的なこだわりがないのは味覚以上に、フランス菓子の職人としては致命的かと思うんだけど、どうなんだろう。。

という感じで、ちょっとヒロインの描写が雑だと思った。味覚が優れているっていうのも、「ほんまもん」ではもう少し丁寧に描かれていたと思うんだよね。薄味で繊細な味覚を求められる和食の料理人だからっていうのもあったと思うが。。

それと、中途半端な経験しかもたないまま、私の本当にやりたい仕事は?を探すのも朝ドラヒロインの特徴ではあると思うんだが、その答えが見つからないままパティシエを中断するのも何だかね。もう、早くお菓子の話に戻って欲しいなぁ。最後の展開に期待しよう。。

ちなみに↑の展開で思い出すのが、松嶋菜々子の「ひまわり」っていう朝ドラ。セクハラだか何だかで理不尽に会社を辞めた普通の会社員が一念発起で司法試験にチャレンジして合格。修習期間を得て就活するものの苦戦。やっと就職が決まっただか決まりかけただかで、私はがやりたいのは冤罪事件だ!(少年事件だったかも)みたいなことを言い出し、同業の恋人と独立するという話でなかったっけ?(間違っていたらごめん)

何か、あれ見て、弁護士によって得意分野はあるだろうが、それはある程度経験を積んでいく中で見つけていくものだろうし、そもそも、刑事事件やりたい新人弁護士が案件選ぶってちょっとなしではないかと思った。昔、鶴田真由が出ていた新人弁護士が出てくるドラマで「六法全書丸暗記で司法試験合格したんですってねー」と誰かから言われるくだりがあり、六法は司法試験で持ち込み可なんですが、丸暗記する意味ってあるのかとびっくりしたのと同じくらい、驚いた。もうちょっと調べたり、取材したらいいのに。。

せっかく、ここまで頑張って夢の入り口から何歩か進んだくらいのヒロインが急に自分探しに入って、自らレールを外れてしまって迷走。。

「まれ」でもロクに経験積まないまま、能登でみんなが喜んでくれるケーキちゃつくるがいね。とか言って、今までの修行は何だったんだという終わり方にならないことを望む。ちゃんと世界一を目指さないと、キャラがブレブレだと思う。


【3D吹替】アナと雪の女王

2014-05-29 13:44:26 | Weblog

字幕のアナ雪に続いて吹替の方も観て来た。

やっぱり映像は凄い迫力だなぁ。映像の美しさに圧倒されているばかりだったのが今回は少し冷静に観られたせいか、前回より今回の方が何故か3Dの価値を凄く感じた。ま、2Dでも充分いいんでしょうが。

劇場で観る良さかもしれないけど、引きの実景が奥行きが凄くあってスケールが大きく感じた。この奥行き感は3D映像ならではって感じがしたのだ。前回は描写の美しさばかり注目してしまって、あんまり俯瞰して観ていなかったんだなと思った。

さて、吹替版について。。全体的にオリジナルよりも吹替版の方がアナとエルサのキャラ対比が際立っていたという印象。オリジナルに比べて、さ~やのアナの方がハツラツとした感じを全面に出しているのと、松さんのエルサが何かを押し殺しているかのように凄く控えめだからっていうのもあるのかも。オリジナルのエルサが重厚で近寄り難い感じで、松さんのエルサは何かに怯えているのを必死で取り繕っている感じ。

さ~やが最初にアナの声を吹き込んで、その後で松さんが吹き込んだそうだから、さ~やは松さんのエルサを知らずに演じているんだよね。それもあるのか、アナっていう女の子をのびのびと自由に演じている感じがあって、逆に松さんはさ~やの演技を受けながら、アナと対照的なエルサのキャラが立つように控えめに演じたのかなという感じがした。

あと、エルサが控えめだから、余計にありの~ままの~のはっちゃけ感が印象的だった。日本語版の歌詞をつくるに辺り、フレーズの最後の音の母音をオリジナルと同じに揃えたっていう話だけど、特にO(お)の母音が揃っているのが良かったかも。エルサの口のO(お)の形がやけにツボだった。如何にも力強くてグッと迫るものがある。

さ~やの上手さは歌部分ではミュージカル女優の上手さだったが、セリフ部分は声優の上手さ。わざわざスクールに行って声優の勉強をしただけのものがあった。松さんは歌部分は歌手の上手さで、演技の部分は俳優の上手さだと思った。ディズニー側ですら深く解釈しているかどうか謎なエルサの性格を吟味して演じているのかなと思った。

今回の吹替版の配役が良かったため、ジブリに見習って欲しいという声が多く聞かれて、私も同じことをちょっと思った。まぁ、ミュージカル全面出しというコンセプトに従って、神田沙也加と松たか子をキャスティングしたのが成功したんだよね。宮崎駿が声優っぽい喋り方が嫌いだという理由で俳優(それもみんな有名な)をキャスティングしているそうだけど、かと言って有名俳優ばっかり出されても上手ければいいけど、役に合わなかったりしたらもう、何でなのって感じになるわな。

あ、吹替版はピエール瀧のオラフが評判通り良かった。オリジナルで観たときは、最初ちょっと、別にこのキャラ要らないんじゃ。。如何にもアメリカのアニメのキャラクターの顔でそんなに可愛くもないし。。。とちょっとだけ思っていたんだけど、ピエールオラフは最初から可愛くて健気で、緊張感のある設定の中、一服の清涼剤だった。

ストーリーは2回目に観たので、最初に観たときよりもより深く観られたかなと思ったけど、まぁ、正直、アナ雪についてはストーリーっていうのはそんなに大事じゃないかもしれない。そして、確かに最初の展開が早過ぎたり、後半はあっさりと問題が解決しちゃったり、展開の仕方が観客に予想がつくものだったりというところで評価はされにくいのかもしれない。

でも、あっさりしているからこそ、観る側の負担が軽く、何度でも観たくなるというところが麻薬的だと思う。映像がリッチ過ぎるから、そこだけで結構お腹いっぱいになる感じがあるので、あんまりあれやこれやと展開しない方がいいのかも。何も考えず観ることも出来るし、じっくり観ることも出来る。

そして、ストーリーが軽くてもテーマが重く感じるのは、エルサの宿命を背負った頑なキャラ設定も大きいかもしれない。

エンディングのMay.Jは、カラオケみたいで感動しないっていう声が結構あったけど、エンディングだからあれくらいの軽さでいいんじゃないかと思った。90年代のJポップと80年代の洋楽を足して2で割ったみたいな、かる~いテイスト。松さんのれりごーは映像の持つ迫力に負けない歌声で、May.Jは曲の良さに負けない歌声。

それにしても、ディズニーが、演じ手として劇中であの曲を歌う人と、歌手としてエンディングであの曲を歌う人とを分けて考えているっていうのが面白い。アメリカのエンターテイメントの考え方でもあるのかなと思った。

 


【3D字幕】アナと雪の女王

2014-04-28 08:39:14 | Weblog

普段はディズニーはそれほど観ない私だけど、知人がやたらと絶賛していたのでどうしても劇場で観ないと!という気になってつい観に行ってしまった。もしかしたら私にとっては生まれて初めて劇場で観たディズニーのアニメ作品だったかもしれない。。(記憶がちょっと曖昧)。

氷と雪の描写に圧倒されていたらあっという間に作品が終わってしまったという印象。え?思ったよりあっさりした話。。でも、子どもが観るんだったらこれでいいのかな。というか、これだけのクオリティのCGだと、いくらディズニー+ピクサーとは言え、この尺が限界だったのかなと思った。

でも、ダンボだって長編映画にしては短いけど、深い話だったんだけどなと。ああ、同じスタッフでダンボの3DCG作ってくれないかなーと。

2Dの方は観ていないんだけど、3Dと両方観た人の感想を読むと、どうも3Dの方は映像が素晴らし過ぎてそれにのめり込んでしまうので、CGすごーいとか言ってる間に話が終わっちゃうようで、お話やキャラクターの心理描写を落ち着いて観るには2Dの方がいいみたいだ。そんなこと言われると2Dも観たくなっちゃうじゃないねぇ。

氷の描写も凄い迫力で美しかったんだけど、雪のキラキラ感とか、エルサの衣装の透けた感じとか、アナのうっすら浮かんだ可愛いそばかすの描写なんかも実写以上のきれいな画になっていたのが良かった。

ラブストーリーは要らなかったんじゃないかという意見もあるようだが、なきゃないでちょっと物足りなかったかもしれないしそこは何とも言えない。ただ、ちょっとだけ展開が早いので、アナちゃん、そんなにすぐに男性を好きにならずに、もっとゆっくり男性を選んでいいんだよ。。と老婆心で言いたくなってしまった。きっと男性から見るとハードルの高いであろう姉ちゃんと足して2で割るとちょうど良さそう。

ディズニーのお姫様はどんなに強くても、もっとたくましい王子様に助けてもらって恋におちるというところの展開は忘れない。そこら辺は作品にもよるけど、ジブリのヒロインの方がストイックかも。。その分、男の子は総じてちょっと控えめだけど。強そうに見えるアシタカも村に許嫁がいるのにサンにフラフラするわ、そのサンとエボシ御前との間に立って板挟みだったりして、ちょい優柔不断だしねぇ。

ところで、日本公開にあたっては日本独自の戦略が功を奏したようで、ターゲットは子どもではなく大人の女性、ミュージカルを全面に押し出したところが本国との違いだそうだ。

確かに大人の女性がハマってしまえば、周りの人にすすめるし、すすめられた人もそうしたら観に行くし、大人は吹き替えより字幕版を好むから、最初はオリジナルを観る人も多いと思うが、松たか子のLet it goの評判が高いので、字幕を観たら吹き替え版も観たくなっちゃう。

吹き替え版の方はまだ観ていないんだけど、オリジナルを観たら、松たか子はエルサにハマり役かもしれないなと思った。そもそも、松さんはメジャーな舞台によく出ているので、ミュージカルや舞台好きの女性にとって松さんはおなじみだし、ファンも多い。神田沙也加も私は舞台で観たことはないんだけど、CMで観た感じ、声優と女優のいいところだけ持っている感じの、作品を殺さない自然な演技でアナにぴったりに思えた。

余談だが、松たか子は男性クリエイター好きしない女優だと思う。何でも出来てソツがないからである。日本の男子クリをひとくくりにするのもよくはないのかもしれないが、私の独断と偏見では、日本の男子クリの多くは、技巧派ではないけどのびしろを感じさせるような女優を好む傾向があるのかなと思うのだ。初々しさとか透明感とか大好きだと思う。

松たか子も透明感はある方だと思うが、初々しさとかのびしろはない方だと思う。むしろ、トータルパッケージの良さが目立つタイプなので、すでに完成度が高くて、男性からすると嫉妬の対象になり易いのかなぁとか。色気や可愛さで売る女優じゃないので尚更だと思う。

沙也加ちゃんも聖子ちゃんの娘という看板がだいぶ重かったと思うんだけど、この作品では評価が高いようなので良かったねぇ。彼女が小さかった頃、週刊誌の聖子ちゃんに絡んだ記事で、彼女が言った(とされる)言葉がちょいちょい紹介されていたんだけど、まぁ、賢い子だなぁという印象があった。実際、しっかりした人なんでしょうね。

というわけで吹き替え版も観ることにしました(笑)。

吹き替え版と字幕版では日本語訳が違うみたいね。字幕版の方が評判が良い。確かに良かった。自然な日本語だけど意訳し過ぎているという感じもなくて、対訳のシナリオが欲しいと思って観ていたら、字幕翻訳に「松浦美奈」と出ていて、おお~大御所キターーーーと。さすがだね。

Let it goの日本語訳を手がけた高橋知伽江さんも評判が良いそうで、英語の口の動きと合うようにフレーズの最後の母音をオリジナルと一緒にするという条件の中での訳詞だそうだ。Let it goはありのーままのー。なるほどね。日本語の歌が違和感なく聴けると思ったらそういう工夫もあったのね。母音を同じにするという発想も、そんな厳しい制約の中であんなにぴったりの歌詞をつけられるのも凄い。

 


鍵泥棒のメソッド

2013-10-30 02:52:55 | Weblog

内田監督の作品は初見だったのだけど、なるほどね。脚本も書く監督さんなのか。伏線が上手く張られていてよく出来た話だなと思った。まぁ、細かいところをつっこみたい人にとっては、後半の展開なんかはざっくり過ぎるかなという印象かもしれないけど、ストレスなく、純粋に楽しんで観られる。と言っても、軽い娯楽作というチープさもない。ちゃんとした映画になっている。ここら辺のバランスがいい作品だと思う。

記憶喪失になった香川照之が、底辺の生活をしていた堺雅人の人生を代わりに生きることになったものの、その真面目さ、几帳面さで、底辺から結構いいところまで這い上がっていくのが笑える。もし、自分が同じ立場だったらどうだっただろうか。。と思ったりもするし、人間、環境が悪くても、元の性質次第では人生って何とかなるものなのかもとも思えてくる。

ネットのレビューに、役者の良さを殺している。みたいなのがあったけど、殺すまではいかなくても、脚本が中心で役者はコマだという印象はまぁ、少しだけあるかな。往年の堺雅人ファンとしては、他の作品の方がもっと堺雅人の良さが出ているぞと思ったりもするし、香川照之は相変わらずとっても上手いんだけど、この作品で良さを発揮しているというよりは、元々演技の上手い人がいつも通りに本領を発揮しているという印象。

広末涼子は良かった方だと思うけど、他の人がやってもそれなりだったかもとも思う。ただ、個人的にこのキャラは結構好き。一流品にやたらと詳しい本物志向という設定が、同じ志向の広末の家族も合わせて、嫌味を感じさせないのが良い。あと、広末が編集長を勤める編集チームの人達が広末の婚活に協力する様も、見ようによってはイタいキャラの編集長をバカにもせず、淡々と真面目に協力しているのが素敵だなと思う。

ところで、この作品での広末の役柄はそのままリーガルハイの裁判官役に引き継がれている感じがする。裁判官の方がだいぶ性格が歪んでいるけど、演技のベースは似ていると思う。両方共、地味なバリキャリで男に縁がないという設定がそう思わせるのかなと思うが。

荒川良々は悪役だったけど、最初から最後まで間抜けないい人に見えてしまった。悪役で出すなら鶴瓶みたいに、安心感がある容姿で実は鋭い人とか怖い人っていう演出の仕方もあったと思うんだが、あれはあれで良いのか???

森口瑤子は地味さと派手さのギャップが激しくて、こういう役にはピッタリの人だと思う。顔立ちの整った華やかな美人だけれども、化粧っ気がないと一気に生活感のあるおばさんになれる。

全体的に、この作品は役者の良さを生かすというよりは、脚本の面白さを、演じる人達がソツなく表現したという印象を持った。だから、エンターテイメントなんだけど、職人さんみたいな堅気の仕事振りをそれぞれに感じた。


「へルタースケルター」脱いだら負けか!?

2013-01-23 09:39:25 | Weblog

レビューでは作品の評価はばっさり分かれていたけど、話題作なのでやっぱり観たい。ので観た。原作は読んでいないけど岡崎京子は好きだし。まぁ、全体の印象としては、やっぱりちょっと品がないかなぁ。。しかも、この品のなさが売りならばまだしも、そこの狙いも分かりにくい。ただ、品がないなぁとそれだけ。冒頭で東京タワーを含んだ実景をわざと露出過多でとばして、しかも早送りとかしてるんだけど、それも如何にもって感じで、しかも、あんまり美しくなくて、そこでいきなりゲンナリ。

が、音声を消して観てみると画はやっぱりきれいだし、何と言っても分かり易いんだよね。このまま写真集が出せるクオリティ。実際、出してるし、狙ってやってるんだろうけど。なので、音楽の使い方でもちょっと損してる感じがする。これでもか、これでもかと音をかぶせてくるけど、アート写真みたいな画だけで充分だから。。。と思った。やっぱり、ちょっともったいないな。こういうのってPVならアリだけど、映画だと段々、鬱陶しくなってくる。

品をなくしているのは肝心のエロ事のシーンが全然エロくないからというのもある。女優にとって脱ぐというのはそんなに抵抗がない人も多いので、脱ぎ損とまで言ってしまっては良くないのかもしれないし、エリカ様の裸はきれいだった。が、エロシーンはもう少し艶っぽい描き方は出来なかったのかなぁ。。情感も色っぽさもなく、道具として消費されてる感じがするのが残念。要は中途半端なんだよね。あの中途半端さだったら胸なんか出さなくてもいいじゃん。。と思ってしまった。完全に見せ物扱いだもの。

もう、完全に商業路線にはまって脱いでしまった感じ。そこら辺の虚しさが役柄に合ってます!という見方も出来なくはないんだけど、だったらもっと虚無感を出して欲しかったなぁ。中途半端にAVみたいな映像にされても。。と思った。

結局は蜷川実花、岡崎京子、沢尻エリカの知名度と話題性をもってしても、映画をより多くの人に観てもらうためには、沢尻エリカの裸と大胆なエロシーンというニンジンをぶらさげるしか手段しかなかったのかもしれない。この作品を低評価する人達はそこら辺の薄っぺらさを感じて批判しているのだと思う。

きらびやかな雑誌撮影のシーンがやたらだらだらと長過ぎるとも思ったけど、でも、蜷川実花と沢尻エリカの売りって言ったらやはりそこなんだよね。売りのところをしっかりアピールするのは商業路線に乗っ取れば当たりだし、映画の表現としてはハズレ。だから、蜷川実花のファンは大喜びしてレビューで星5つとかつけるけど、そうでない人はうんざりして星1つとか2つになる。賛否両論の作品と言うと如何にも衝撃的な問題作という感じがするけど、この作品の場合、強いメッセージ性がないので、賛否両論というよりは、単に客層によって意見が分かれるというそれだけの話。

個人的に作品云々より、蜷川実花さん本人としてはこの映画は成功なのか失敗なのか、そこが気になる。興行的には大成功で、評価もそこそこ。ターゲットの女性客からは熱い支持。でも、映画監督としての才能は評価されているとは言い難い。桃井かおりが「日本には女性の監督はいないの。私と蜷川実花くらいよ」とか発言していて、ちょっとカチンときたんだけど、桃井かおり本人はまだしも、蜷川実花を映画監督と認めている観客がどれくらいいるのだろうという疑問がふつふつ。しかも、西川美和とか河瀬直美とか、監督としての評価の高い女性監督を差し置いてのこのコメントだから、凄く違和感があった。

蜷川実花は映画ビジネスという観点で観れば、成功している監督の内の一人で、そういう意味ではしっかりと職業として監督の役割は果たしているから、それで充分OKなのかもしれないが、何とも言えぬ後味の悪さがある。この後味の悪さも持ち味のひとつだと言われれば、そういう評価も出来るかもしれないが。

沢尻エリカの演技は良かったのか悪かったのかも評価が分かれると思う。後半からの壊れっぷりにひきつけられたところもあるけど、最初っから壊れてた気もするから、華やかな世界からひきずり堕ろされた女性としての怖さはなかった。が、存在感とか役へののめり込み方とか、そういうのは、この人以外にこの役が出来る人はいないという印象を観客に与えたと思う。ただただ騒いで泣きわめいてるっちゃそれだけだけど、一瞬一瞬の表情を見逃したくないような儚い美しさがあって、ビジュアルとか、役へのマッチ度でいったらやっぱり良かった。

天然美人・水原希子のナチュラルビューティーとの格差も良かった。つけまつげで全身モード仕様のエリカ様と違って、すっぴんみたいなメイクで、覚めた態度。彼女は吉川こずえという新人モデルの役柄で、このキャラは同じ原作者の「リバーズエッジ」という作品にも出て来るけど、これはイメージがぴったり。顔といいスタイルといい、普通の出で立ちでただ立ってるだけなんだけど、如何にもモデルです。という雰囲気が出てる人という感じが凄く良かったなぁ。

というわけで、ビジュアルでいったらシーンのひとつひとつはなかなか良くて、でも、音楽をつけたり映画としてつなげていったら、ものすごく駄作になってしまったというお約束のパターン。編集次第ではいくらでも良くなった気もするんだけど、編集者の権限がどれくらいあったのかも気になるな。監督の意向に従うのが基本でやっているのだとしたら、仕事としてはまっとうでも、作品作りとしては失敗しているような気がする。でも、作品としての良さを出そうとしたら監督の持ち味が多分消えるのよね。そこが難しいところなのかも。

あと、蜷川作品を観ていると、鈴木清順の作品のことをチラっと思い出すんだけど、やっぱり何処となく違う。個人的には鈴木清順の作品は正直そんなに好きじゃなくて、木村威夫さんの美術監督としての力だけで惹き付けられている部分があるんだけど、木村さんの持つ耽美な感じとか、静寂性をもっとポップでギラギラさせたのが蜷川実花の世界という感じがする。それが映画的な表現にやっぱり合っていないように思えるんだよなぁ。PVならいいけどね。鈴木清順と木村威夫のコラボはふたつの才能が上手く合わさってたんだな。きっと。。


花魁でありんす

2012-08-05 13:21:56 | Weblog
「へルタースケルター」が観たいなぁ~と少し前の日記に書いたので、蜷川監督の前作「さくらん」を観てみた。感想としては、まぁ、映画としての出来としてはイマイチなのかもしれないが、蜷川実花という写真家の作品として、あと、純粋に娯楽としては結構楽しめた。女性セブンに連載していた『花宵道中』という漫画が好きだったので、個人的に花魁ものに弱いというのもあるのかも。

日本はいわゆる玄人女性を“粋”と称えたり、水商売を生業にする女性の中でも上位の人には容貌に加えて教養が必要だったりと、色を文化として確立する風潮が伝統的にある。それは他国にはない希少な文化なのではないだろうか。この作品では、色世界は耽美で色とりどりで、現代日本女子的に通じる格好良さがありますよ。と、いうところの主張が際立っていて、明らかに観る対象を選んでいる作品。濡れ場さえもエロさはイマイチだったけど、やけにクールだった。脱ぐのは男のためではなくて自分の自己表現のためです!と言われているように思えた。まるで、若い肉体を記念に残すという目的でセルフヌードを女性誌で晒す一般人女性みたいな。

評判の映像美については、何か鈴木清順みたいだなぁと思って、そんなに目新しさはなかった。
あと、ビジュアル的には美しくても、映画としての映像美とはちょっと違うかなと思った。例えば、黒澤明の「羅生門」は白黒でビジュアルとしては派手な自己主張はないけど、陰影を生かした撮影手法により奥行きや動きを巧みに表現していて、映画としての映像美を存分に感じることができる。巨匠と比べるのもナンセンスなのかもしれないが、映画とは写真が連続していればいいというものではない。やはり動きを感じさせないといけないかなと改めて思った。さくらんのカメラワークがもの凄い単調だったからそう思ったというのもあるけど。

とは言え、世間が期待しているであろう自身の極彩色表現を映画でも期待された通りに体現できているのと、映画1本分のビジュアルネタがお腹いっぱいなくらいに詰め込まれているところに、蜷川さんて(勿論、陰で凄く苦労して努力もしているんだろうけど)放っておいてもアイデアがどんどんどんどん溢れてくる人なのかなぁと、クリエイターとしてはやっぱり天才なんだなと思う。

出演者については、西洋人顔の土屋アンナがヒロインというのは悪くない。どうせ、映像的にはパロディなのだし、彼女は現実感のないギラギラの極彩色の中で映える顔だと思う。演技は、下妻物語のいちごが印象に残っているせいか、この作品では彼女の良さが生かされていないと思ってしまったけれど、脇を固めるベテランの木村佳乃や菅野美穂がカバーしてくれているから、そんなに気にならない。冒頭に小泉今日子が出ていて、観たときには気付けなかったんだけど、出番は少ないのに、このキョンキョン演じる姉さんが最後?に言ったセリフが気になって、もっとこの人の登場シーンが見たいと思ってしまった。さすがキョンキョン。

アメイジングスパイダーマン(ややネタバレ)

2012-08-02 14:58:27 | Weblog
ちょっと前だけど観て来た。アメリカの映画館で。アメリカで見ると一人7~8ドルくらいだったかな。田舎だからというのもあるかもしれないけど、3Dでこの値段は安いなぁ。ビッグサイズのポップコーンもあるし。

前作のシリーズとキャストもスタッフ刷新でストーリーもスパイダーマンになるところまで戻るというので、旧シリーズの新作を期待していた私は少しガッカリしたけど、評判通りの面白さだった。

しかし、あのいじめっ子は何で急にピーターによくしてくれるようになったのかな。叔父さんをなくしたピーターの気持ちを考えて心境が変わったということなのかな。何だかよく分からん。あと、叔父さんを殺した犯人は結局どうなったんだろう。あれがスパイダーマンになるきっかけだったのに。。いつの間にかとかげとの戦いになってしまった。

一番感動したのは息子を助けられた市民がクレーンで掩護射撃するところ。まぁ、これは世界共通でテッパンの感動シーンかなと思う。しかし、最初は彼だと気付かず、あれ?誰??とか思ってしまった。しばらくしてやっと、ああ、あの人かぁ。。と。助けられた息子をスパイダーマンから受け取ったときの彼の表情も良かった。

ひとつだけ残念だったのは映画じゃなくて私の英語力のせいだけど、ピーターが最後にグウェンに言ったセリフが聴き取れなかったことだな。私よりリスニングが得意な夫も聴き取れていなかったので分からずじまい。。

で、いろいろ調べていたら、日本版はエンディングテーマが違うんだね。こっちのオリジナル版は暗い曲だったけど、日本の方は明るい感じで、先にオリジナル版を観てしまった私としては違和感があったけど、評判は悪くないみたいだね。ただ、日本語で歌っているのがな~。。。

観ていないけど気になる「へルタースケルター」の評判

2012-08-02 12:22:25 | Weblog
海外在住なので観られる映画と言えばスパイダーマンやバットマンくらい。今のところ「先生を流産させる会」「夢みるふたり」「苦役列車」「へルタースケルター」が観たいのだけど、海外で上映されたとしても主要都市のみでしょうし、劇場でリアルタイムで観るのは難しそう。しかし、日本で観のがしてしまった「モテキ」はiTunesにあったので観られる。嬉しいな♬

「先生を流産させる会」は5月公開だったようだが客入りはどんな調子だったのだろうか?
この作品は、タイトルが如何にも宣伝効果を狙った感じで、実話がベースの内容にもひいたんだけど、監督の他の作品の予告編を観て、監督のインタビューも読んで、レビューやブログで観た人の感想も読んで、最初は観るもんか~!と思ったけどやっぱり観よう!という結論になった。

「夢見るふたり」は西川美和監督の新作。これも予告編を観たら良作の予感がしたので観たい。
松たか子と阿部サダヲが夫婦役で出ているし、まぁ、何と言っても作品にハズレのない監督ですし。秋公開だったかな。これもアメリカでは上映されないよね。。残念。

「へルタースケルター」と「苦役列車」は公開中だよね。へルターは凄いたくさんの客が入っているそうだけど、苦役列車の方は苦戦しているようだ。でも、苦役列車の方は作品としてはなかなかの評判かなと思ったんだが、原作を読んだか読んでいないかで感想は分かれそう。私は読んでいないが。

でも、森山未來君の演技は絶対的に良いだろうし、山下監督だし。あと、個人的に前田敦子ちゃんは特別に演技が上手いわけではないのかもしれないけど、いい女優になる気がする。とても研究熱心で集中力がありそうだし、ステージで観る感じ素晴らしい感性をもっている人だと思う。何と言っても華のある笑顔が良い。

それにしても、ちょっと変わり者の原作者の発言のせいで役を奪ったみたいに言われるのが不憫すぎる。と、まぁ、観てもいないのにヲタなみにあっちゃんを絶賛・擁護する私。

気になるのはへルターの方の、有名人の感想と一般人の感想の温度差だな。試写を観た有名人の方々のコメントが余りに超絶賛すぎるので、本当にそこまで面白い作品なのか、宣伝を狙ってわざとやっているのか、コメントしている方々は蜷川実花さんとお仕事したくて媚を売っているのか、単なる身内びいきなのか、いや、やっぱり面白いのかも、と思っていたら。。一般公開後の一般のレビューでは結構ボロカス書かれてるじゃあないか。

レビューなんて当てにならんと言われても、私は観ていないし観られないので、判断できないところがもどかしいや。ふがいないや。でも、私の監督に対する偏見で長いPVみたいなんだろうなぁと勝手に予測はしている。

あと、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』が好きなので、正直、こっちが蜷川監督で映画化されなくて良かったというのも本音。幸いにしてへルターは読んでいない。読んでいたらどのような感想だったのかな。観ていないのに勝手なことを書いてごめんなさい。。。

なので、予告編を観た感想だけ。
『リバーズ・エッジ』にも出ていた吉川こずえの役を水原希子さんが演るというのはナイスなキャスティングで楽しみ。沢尻エリカ様のきれいなお胸も。ただ、エリカ様が予告編で「こんな仕事したくないよ~」と泣いているシーンは、岡崎作品のイメージとかけ離れた安っぽさに、何というへたくそな演出・・・と、思ってしまって期待値が下がった。ま、映像はきれいだったし、観て損はないだろう。ああ。でも、観られない。

取り戻した創作意欲?

2009-09-23 11:11:49 | Weblog
まぁ、仕事じゃなくて学校で!
訓練校のグループ演習は思った通り、みんなCSSで苦労している模様。
ざっとやっただけだもんね。しかも、難しいJavaプログラミングの合間にやるから、何か簡単そう~って思ってしまう。

んで、デザインは楽しいし結果が表示で華やかに表れるから、やっぱりデザインにはこだわろうって考えも出てくる。デザインに凝られてはたまったものではない、大変なのに~と思った私は、自分の班で勝手にフルCSS禁止令(笑)を出して、デザインには懲りません!宣言をしてしまった。

とは言っても、何だかんだで人に押し付けたトップページのデザインは休日をつぶして直した。ついでに使ってみたかったクエリを入れてみた。人がつくったページを直すのも勉強になるね。