goo blog サービス終了のお知らせ 

にざかな酒店

とある演劇サークルの記二章 疑心暗鬼とお弁当

はーい、昨日のうちに二章の第二話が上がっていて、連続なのでうっかり読み飛ばさないよう注意してくださーい。ととりあえず呼びかけておいて、次のお話です。
わーいやっぱりガールズトークになってて話進んでない。
さりちゃんのキャラは中途半端といえば中途半端なんだけどこれはこれで作者的には面白いかなあ、と。
もうちょっとツッコミ入れてもいいくらいかもしれないんですけどねー。
何せ元いい子ちゃんでやってきてるので微妙に自己規制がかかってるんですよ…。でもいちいちキャラ違うよ、私!って言ってるのもそれはそれで。では続きでどうぞ。

ところでうーさんは作中では「お弁当は作り置きで」って言ってますが、実は「多少遅刻しても毎日の体づくりの方が大切だし」って言ってちょっと遅刻してもゆっくりしてお弁当作ってるようです。
と、言うか彼女は起きれない体質だけど目がさめるのは早いので(二度寝とか)その時にぱってやってるとか言う話。蛇足ですが。
とある演劇サークルの記 疑心暗鬼とお弁当

うっかりなんか仲良くなっちゃったので(本も借りたし)うーさんと食堂にお弁当持ち込みでお昼を食べている私である。
それにしてもうーさんのお弁当は自分で作ってるらしいけど、緑が多いなあ。
本当は冷凍食品とか色々使ってたりして…。とか疑いつつ見てしまうけど。って、あれ。炭水化物が入ってないっぽくない?このお弁当。
「うーさん、そのお弁当、ご飯入ってなくない?」
「え?」
一瞬お箸の動きが止まったものの、うーさんはすぐにあはは、と笑いながら言う。
「これ、レタスでゆかりご飯包んでるやつなの。だからご飯は入ってるよ?」
「あ、ああ、なんだ…」
あとはなんかほうれん草とハムの炒めたやつとか、卵焼きとか、そんな感じ。
うん、まあそんなに凝ったものを毎日作ってるってわけじゃなさそうだけど、でも起きれない症候群にしては頑張ってる方じゃないかしら。って、いつも割とおにぎり弁当の私が言うことじゃないけど。ううん、友達になると色々観察できて面白い。
「さりちゃんおにぎり好きなんだ」
「うん、なんか…うちのお弁当も母さん作ったのおにぎり多かったし」
と、そこに小夜香さんと佳奈恵さんがやってきた。
うーん、小夜香さんか。小夜香さんにはあんまり嫉妬しないんだよなあ。確かに彼女も美人だけど割と一回だけ見た彼氏がちっちゃいっぽい感じだし。って言うか意外と彼氏も気が多いって聞いてるしなあ。(気が多いって言うか、すぐ人をかまっちゃう感じだっけ?)小夜香さんと天秤されるような女ってどんな感じの女よ、って思うけど。あ、またキャラちがうか、私。
「うーさん、さりちゃん、こんにちは。」
「あれ、二人仲良くなったのね?」
ええ、まあ、と濁すように笑いつつ、私。
「この間読んでる本が被ったんですよ。それでなんとなく」
と、屈託無く、うーさん。
「そうなの、なんの本?気になるから借りてっちゃおうかな」
小夜香さんの言葉にニコニコとするうーさん。ああ、なんかモヤモヤする…。
「よろしければ是非。このサークル以外と本読む人多くて嬉しいな」
「あ、それで思い出したけど、この間うーさん、シロ先輩に勉強見てもらうって提案されてたけど、シロ先輩学部違うじゃん!そんなの油断しちゃダメだよ」
「あれ?」と、うーさんはしばらく考えて。
「そういえば、そうだね。シロ先輩一瞬忘れてたのかな。」
あれ、なんか一瞬、口のはしに笑顔浮かびましたね。私は見逃しませんでした。それも、一瞬でそれを隠したよね。うーさん。意外と油断ならないのはシロ先輩の方じゃなくて彼女なんじゃ。
どうしよう、朝起きれないのまでシロ先輩ホイホイの演技だったら。
だってこうやってお弁当ちゃんと用意できてるし。
こわ…イヤイヤ、考えすぎだ。考えすぎだよ、私。
「どうしたの、さりちゃん。変な顔して」
小夜香さんがことさら優しい声で、私に聞く。
「あ、いやその…うーさん、朝起きれないのによくお弁当用意できるね、って」
「ああ、うん。前の日に作ってる。結構作り置きとかできるし。ほら、オ○ンジページの作り置きおかずとかそう言うの参考にして…」
ああ、そう言う本があるんですね…。そうですかー。
「お弁当ちゃんと作るのね。えらいわ、私も時々は作るけどなかなか毎日ってなるとちょっと…」
「ええ、小夜香さんが?意外とおにぎりていっでもいけますよー?」
「私もちょっと朝が弱いって言うか、その、作り置きにもちょっと抵抗が…」
ちょっと恥ずかしそうに言う小夜香さんにちょっと違和感。この人は美人だしもっと自信ある感じの人かと思ってたのに。
「そう?私は作り置きって別に問題じゃないわ」と藤村さん。
「冷蔵庫に入りっぱなしとか、ちょっと怖くないかしら」
「意外と賞味期限とか大丈夫よ。あれってちゃんとだいぶ早い目に言う仕組みがあるらしいわ。消費期限と賞味期限は違うって言うけど消費期限だって結構大丈夫よ」
「そう?なら大丈夫かしら…藤村さんが言うなら」
「ええー、そうなんだ。藤村さん男らしいー」
「男らしいってどう言う意味よ」
うーさんの言葉にプイッと横を向く、佳奈恵さん。
「あ、えっと。ごめんなさい。女前ー」
「女前ってのも引っかかるけど。」と、私。藤村さんもちょっと複雑がお。
「女前…ね。まあいいわ。水に流してあげる。その代わり卵焼きは一ついただくわ」
「どうぞ」
「…これ、もしかして、醤油しか味入れてないわね。」
ムグムグ、としながら藤村さん。
「私薄味なんですよー」
「いいわよ、この方が卵の味がちゃんとするから。」
お弁当ちゃんと作るとか、男子向けアピールかと思ってたけど割とみんな自分のためにちゃんとしてるんだな。薄味とか健康志向。うーさん。
でもなんかこうやって女子会話してるのもなんかいいな。
…あれ、なんか、今日変な夢見てたの、なんだっけ。
割と大切なことだったような気がしてるんだけど、思い出せない。
私があんまり女の子と話さなくなった理由。女の子でもなぜか地味な娘とばっかり話してしまう理由。何かあったはずなんだけど。
まあ、こうしてみんなに囲まれてると、このサークル確かに華やかだわ。
知らないうちに一同の話は本の話に移行していた。
そういえば、繭子さんの台本も進行状況がよくわかってないけど、なんと言うかちょっと女子校ものっぽい感じ(円城さんは教師役、渋谷くんはまだ役決まらず)だと言う。
女子校か。女子校と後ろ向きはなんとなく相性がいいな。
と、華やかな彼女たちの会話を見ながら思うのだった。でもとりあえずホラー展開とかはやめてよね。って自分が言い出した台本だけど。
そう、あの、夏休み。今は死んだ人、未来を回想する…。
本当に、私たちいつまで生きているのかな。
なぜか耳に波の音が聞こえてきた気がしていた。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ネタ、小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事