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『狼男だよ』を文庫で読んだの、いつ頃だったか。高校のいつ頃だったか。
なり切ってたなあ。月齢で生活してなかったか、ほんとに。
映画『狼の紋章』は少年犬神明に志垣太郎、敵(かたき)は羽黒、松田優作の映画デヴュだった。渋谷文化で平日観た。
この映画には黒沢年男がルポライタ神明(じんあきら)、つまりアダルト版ウルフガイ(の原型かな?)だった。
みんな見事に適役だなあと思ってた。でも、映画自体はあまりおもしろくなかった。
平井和正の原作本では当時、少年犬神明シリーズとアダルトウルフガイシリーズとが併走で進行してた。どういういきさつでそうだったのか、何かに書いてあって読んだけど忘れた。
そしてそののち、『幻魔大戦』という超大河シリーズも開始、そっちにもたしかウルフは出張って行ったような。
ような、というのはもうその頃わたしは平井和正を読まなくなっていたからだ。ストリィテリングにのってハマッてるうちはおもしろいけれど、或るひとりの女性の存在が中心に据えられてその女性の世界観・史観・宇宙観の展開だけが物語りそのものになって行くにつれ、読者は離れて行った、置き去りにされた、のではないか、少なくともわたしのようにキャラクタエンタテインメントについて行くタイプの読者は多くそうだったように思う。
月日は流れ。
最近、コミックスに目覚め始めているわたしは、BOOKOFFの棚にわたしの知らないウルフガイを見つけてしまった。
今どきの美形キャラっていうんですか、違う話かと思ってめくるとどうも動いてる分にはアダルト犬神明に違いない、エロチカルな強調はしてあっても。
わたしの知ってたヤツは、たしかアウシュビッツ帰りのジャン・ポウル・ベルモンドーだと言われてなかったか。
まあよい。しかし、これもコレクターズアイテムたるや?となんと、揃ってる四巻とも買い占めるわたしであった。
ま、@百円×四だったからね。
ウチ、帰って読んだ。
ストリィはわりに忠実に原作してた。っちゅうか「おうおう、こんなんやった、そうそう」とか記憶がぼちぼち甦ってくる、感じだったから。
アシスタントキャラやらおねえちゃんキャラが増えているのは掲載紙に合せてそうなんでしょうが。
これはたまたまこの以前に手に入れた『ウルフガイ 若き狼の肖像』角川文庫版の平井和正の当時の文章で読むよりは、今のわたしには心地よかった。
犬神明が、突然、部屋の窓から入って来て、
「ようよう、ご無沙汰! 元気してた?」
とばかりの懐かしさだったし。
「君もな! 元気そうじゃないか!」
「しけたツラはよしにして、肉でも食いに行こうぜ」
って感じかな。
惜しむらくはこの四巻で終了しちゃってるんで、しかもハナシの仕掛けはCIAまでなんで、今の世の中、
「価値有る真の情報の八十パーセントは公開情報の中に在る」なんていわれるほどだからして、コワサいまいちで終わってる、ことかな。