きまぐれな日々

日々の日記

続)宮島の鹿

2008-11-27 10:49:31 | Weblog
Angels Cafeさんから転載

前回の記事は世界遺産宮島の鹿が餓死している事を知り書きましたが、実際に自分の目で確かめる為、先日行って参りました。

宮島の鹿は神鹿(じんろく)と言われ宮島が出来た頃6000年前から生息しており、鹿は非常に絶滅しやすい動物で2度絶滅。現在の宮島の鹿は厳島神社が少なくなった鹿を檻に入れ育てたものを島内に放し現在に至っているようです。

宮島を管理している廿日市市は宮島島民の一部の声を聞き(条例ではないです。)
宮島の鹿の頭数の調整の為に餌を与えない方針を決めました。
餌を与えなければ鹿を山に還り野生鹿になるっと・・・。

「山に還す・・・。」聞こえは良いですが本当はどうなんでしょうか。
実際は餌をあげなくても鹿が生きていける環境なのか?確かめてきました。

実際に、自分の目で確かめてきた私の感想です。

今回参加したのは11月23日。9年間同じ日・同じ時間帯・同一ルートでの鹿の頭数を班ごとに分かれて調査するというもの。
広島大学教授 生態学者の林先生と共にルート上の目視調査に行ってきました。
私の担当は草地調査。比較的山手のルートを歩き鹿が食べることの出来る草地の調査でしたが・・・。
緑の草地があったとしても、鹿が食べることのできない草だったりします。

山手であるにも関わらず悲しいことに、2時間歩いて3か所。でも、食べつくされていて草地の範囲も狭く、高さ1cmあるかな?程度。
ルート沿い300頭の鹿が食べると考えると全く食べ物はなかったですね。例えると、一日の食事が豆一つあるかないか?みたいな。。。

ただ秋と冬は、ドングリを食べることによって、死なない程度に飢えをしのぐことができる。
問題はドングリがなくなる春と夏だそうです。ちなみに落ち葉や木の葉は食べないそうです。
そう考えると本当に食べ物がないですよね。

じゃあ、行政が言うように山に入れば生きていけるのか?って事ですが、答えはNOでした。
生態学者林先生のお話によると、山と草地の両方がないと鹿は生きることができないとの事。
片方だけでは生きていけないって事を今回知りました。

そして、昔から鹿は人と共存して生きてきた動物だそうです。
って事は行政がいう山に還すという言葉は「鹿の生態を調べず素人が”山に還す=自然”って思いこみ」で発言したことが実現!?
これって、鹿にとっては死活問題じゃないの!?と、言う考えが浮上します。

しかし、私が回ったルートは毛並みが良く、与える果物も選んで食べていました。

何故?

山手の鹿は以前からの住人の習慣でこっそり餌が与えられているようです。
この習慣は実は江戸時代から続いていると林先生はお話しされていました。
しかし、行政が”餌をあげちゃダメ”って言うことにより悪いことをしているっと言う意識が芽生えコッソリと与えるになったようです。

また、毛並みが良いのは秋なので、冬毛が生えてきたためでガリガリであるのかは?
この時期の鹿を見ただけでは判断できそうにないですね。
飢えているか、どうかは餌を与えると、その必至さでわかります。
山手の鹿に餌をあげるとガツガツしてなく、そこまで追ってこないけど市街地の鹿は飢えており餌を貰う為に必死の形相で餌を奪い取り、餌をくれた人の後を付けてねだります。

これは、お乳を飲んでる乳飲み子を振り払い餌を食べる鹿。餌を食べないとお乳も出ないですものね。
今回参加された方は餌が足りてない事で多くの小鹿の毛並みが悪い事を指摘する発言もでていました。

一緒の班になった奈良の鹿好きの人は、鹿の行動にビックリしたと言っていました。
奈良の鹿は飢えてないのでおとなしく、この様な事はないようですねぇ。宮島の鹿も飢えさえしなければ、大人しいと思いますが・・・。
実際に、とっても飢えているのは観光客から今まで鹿せんべいを貰って育ってきた鹿たちという事がわかりました。

毛並みも悪くなってしまった市街地の鹿。ぐったりしているようにも見えますが、ビニールを食べて具合が悪いのでしょうか?

市街地の鹿は、慢性的に飢えていて鹿せんべいは与えられず観光客の手からビニールやパンフレットを与えられていました。
その日も桟橋近くの鹿に、カップルが笑いながらビニールを与えていました。
思わず鹿からビニールを奪い取った私は、危うく怒った鹿に蹴られるところでした。

一方で、悲しいかな小学生低学年とみられる男の子がパンフレットで鹿をバシバシ叩いていました。
鹿はもちろんのこと、はたから見ている観光客はどのような気持ちでこれを受け止めたのでしょうか?
その後、この子がパンフレットを食べさせようとしてたので、これも注意しましたが・・・。正直、こういう事実に切なくなりました。

これらはお腹に入ると消化できずにお腹にたまり、いずれ餌を食べても吐いてしまい御飯が食べれなくなってしまった鹿は餓死となります。
一緒に参加した大学生の子が、夏に餌をやっても吐く鹿がいたけど今回は、その鹿がいなくなっていたと心配してました。

悲しい結果になっていないことを祈るばかりです。

山手の鹿は餌を与えても食べれる物か選び判断していました。
市街地の鹿は人が持っている物=食べれる物と判断しているようです。
判断基準は、小鹿の時に親や周りの鹿をみて覚えるのだそうです。。。

じゃあ市街地の小鹿の将来は!!不安になったのは私だけではないはず。

それから”鹿に餌を与えないでください”看板等ですが、どうやら町内会単位で行われているとかではなく。
鹿の糞害が嫌だと思っている一個人が、作成しコッソリと看板をかかげているのだそうです。

あと、去年の9月から餌を与えないようになったきっかけは、鹿に餌を与える島民が9月に亡くなった事。
小さな島であるが故に、島民がする事はお互いに黙認し話し合わず。コッソリと単独行動すると言うことを知りました。

そのため、餌を与える島民が無くなったことにより、こういう事になってしまったと言う話を聞きました。
どうやら複雑な島民事情だそうです。

足で宮島を回ってみた感想は、やはり鹿せんべいに頼ってきた鹿は慢性的に飢えているという事実を肌で感じてきました。
私は奈良県同様に宮島も続いてきた神鹿の歴史を大切にし、頭数は餌を与えながら去勢などで調整して行なっていくべきだと思っています。
そうなって行くことをせつに私は願っています。

これを読んで、あなたはどう思われましたか?
共感頂けるのであれば署名をお願いしたいと思います。

行政はたくさんの方からの投稿で行動をするようですので、良ければ一緒に廿日市市と広島県にメールして頂きたいと思います。
・広島県
〒730-8511 広島市中区基町10-52
広島県総務局広報広聴課行政情報室 県政提言コーナー 宛
FAX:082-224-4747
広島県 総務部行政情報室  
E-mail: teigen●pref.hiroshima.lg.jp
・廿日市市
〒738-8501 広島県廿日市市下平良一丁目11番1号 廿日市市役所 宛
FAX:0829-32-1059
廿日市市 産業観光部 農林水産課 
E-mail: norinsuisan●city.hatsukaichi.hiroshima.jp
●を@に変えてください。

また、共感し記事を載せていただける方は、私の記事を全てコピーで使用していただいても大丈夫です。鹿の記事に限り、私の許可は不要です。


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