第一日目
吉田修一「怒り」
吉田作品は、ハズレがありません。その中でも「怒り」は、迫力あるものでした。三つの犯罪が描かれてて、犯罪者と思われる人物は元より周りにいる人達が疑心暗鬼になって、心理的に追い詰められていく様子がリアルでした。映画化されたのも見ましたが、障害を持った役の宮崎あおいの演技は上手かった。父親の渡辺謙は流石だし、目つきが好きになれなかった森山未来の演技力には脱帽しました。映画もお勧めです。
犯罪はどこにでも転がっていています。被害者と加害者の違いは何でしょう。人を殺すのと殺さないのとでは高くて違いハードルがあるはずなのですが、超えるときはいとも容易く越える様に見えます。そこにあるのは怒りでしょうか。それとも、、。その辺の心理描写も吉田修一は上手いですよ。こういうエンターティメント系も読ませますが、元々芥川賞作家です(^^)
#7日間ブックカバーチャレンジ