さよなら、「めめ」。 「めめ」はもう帰って来ません。 今朝、彼の生涯が終わりました。 とてもつらいです。 何をしていいのかよくわかりません。 だからこれを書いています。 いつか、いつか別れる日が来ることは覚悟していました。 だけどそれが今日だとは知りませんでした。 彼が半野良な以上、事故の危険や病気の心配が常に頭から離れませんでした。 朝彼が庭にいるのを見ると、いつもほっと胸をなでおろしていました。でも今日はだめでした。 道に倒れていると近所の方に教えていただき見に行くとやはり「めめ」でした。 外傷はなくどうやら何か毒のある物を食べてしまったようで、からだは少し硬くなっていました。 ああ、波状的に悲しみが突き上げてくる。 僕は彼に何をしてあげられたのだろうか、もっとよくめんどうをみてあげればよかったと悔やんだけれど、でも、めんどうを見てくれたのは実は「めめ」なんじゃないかなと考え始めています。僕達が「めめ」を見ていたように、「めめ」も僕達を見ていてくれていたんです。 めんどうを見てくれていたのは、「めめ」の方だったんだよなと思う。 庭を見ると彼の好きだった場所、よく歩いた場所に目がいってしまいます。 でもそこにはもう「めめ」はいません。 冷蔵庫におまえ用の刺身の切れ端がまだ残っているのに、もうどこからも帰っては来ないんだね。屋根を歩く音もしない。塀の上を歩く音もしない。窓をたたく音もしなければ、網戸を引っかく音もしないんだ。もう明日からは「めめ」の音が何も聞こえない不思議な日々が始まるんだ。
９月２２日。 キンモクセイの香る朝。
