死ぬときは、「大石内蔵助の辞世の句」のような心境になりたい。

忠臣蔵であまりにも有名な大石内蔵助。

実は、彼の辞世の句をこの前、初めて知った。


忠臣蔵はもう何回もテレビで見たのだが、最期の切腹のシーンは見ても、彼の辞世の句にまでは、全然、注意してはいなかった。

それが、先日、なんとなく、本当になんとなく歴史の本をパラパラとめくっていたら、大石の辞世の句が載っていた。


ご存知の方も多いだろうけれど、一応、引用すると、以下の通り。


　あらたのし　思ひは晴るる　身は捨つる
　　　浮世の月に　かかる雲なし

　意訳 ：思いを晴らして死んでいくのは、何と楽しいことよ。
　　　　　見上げる月に雲がひとつもかかってないように、私の心は澄み切っている。


この句を見たときに、ああ、大石内蔵助は、本当に苦しく辛い思いを抱いていたのだな、と感じた。


彼の辛苦は、「忠臣蔵」であまりにも有名だ（もちろん、多少脚色はされているだろうけれど）。

「お家再興」のためにはどうすればいいのか、そして「討ち入り」は決行するのか、彼の苦悩は、あまりにも深いものだったことだろう。


できれば逃げ出したかっただろう。

全てを捨てて出家することも、いや、「殿の後を追う」という名分で「切腹」だって、できたはずだ。


でも、彼は現実から逃げなかった。

最後には迷いを振り切り、決断して「討ち入り」を決行した。たぶん、それが最良の道だと信じて。


彼の辞世の句からは、彼のそれまでの苦悩の大きさ、そして最後には最良の決断をした、という清々しさが伝わってくる。

彼は、本当に、「やるべきことをやった」という「安らぎ」の心境で、この句を詠んで死んでいったのだろう。


『あらたのし　思いは晴るる　身は捨つる　浮世の月に　かかる雲なし』



私も、今は、辛く苦しく、気分が沈むことも多い毎日だけど（今日は会社でかなり落ち込んだ）。

でも、死ぬときは、「やるべきことは、やったのだ」という、この大石の辞世の句のような心境で逝きたいものだと思っている。





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