mask_of_22

ここは、神話やファンタジーについて書こうと思います。

魔術師の実践

2007-10-28 22:32:07 | 魔法・魔術
魔術を実践し、あるいは研究している人々が魔術について定義しているが、魔術を正確に描き出すことは難しい。有名な魔術の実践家、研究家アレイスター・クロウリーは次のように定義している。「魔術とは意思に一致して変化を引き起こす科学、技術である」と。エリファス・レヴィとなると、「魔術とは、賢者の時代から伝承されてきた自然の秘密を扱う伝統科学である」という具合になる。
魔術は善なる目的にも邪悪なる目的にも、どんな目的にも用いることができる。それは実践者の意図次第だ。それを「白魔術」と「黒魔術」に区別化するようになったのはかなり近代になってからである。基本的に魔術は中立的で道徳の範疇を超越するものなのだ。近代科学で発明されたダイナマイトが、工事現場で用いられようと、戦争に用いられようと、それ自身は爆発物であるというだけなのと同じである。
魔術のなかに、呪術、妖術、占いがあり、これらが渾然一体となって魔術に歴史が発展してきた。最も単純な形態の魔術は呪術である。たとえば豊作を願ってまじないを唱えるとか、敵を倒すために、敵を型どった人形をつくり、その人形を燃やすなどだ。
古代エジプト人、ペルシャ人、バビロニア人、ギリシャ人、ヘブライ人、ローマ人は魔術的体系を持っていて、西洋における魔術の発展に大きな影響をおよぼしたとされている。ギリシャでは高等魔術をテウルギアを呼び、宗教に近いものであった。神的魔術の意味で、情け深い霊の援助が必要だった。それに対し、低級魔術はマゲイアと呼ばれ、つまり呪術意味だった。さらに低級なものはゴエテイアで、霊的な事柄をもとに商売する者もいた。