ABC: スペインと世界の最新ニュースと時事問題
歴史
誰も解明できなかったボルジア家の後継者殺人事件：兄セザールが殺したのか？
フアン・ボルジアは、切り傷だらけの体で金袋を持ったままテヴェレ川に浮かんでいるのが発見された。黒い伝説では、ルクレツィアの愛に嫉妬した兄チェーザレ・ボルジアの犯行とされているが、政治的な復讐だった可能性が高い。
ダンテ・ガブリエル・ロセッティ作『ボルジア家
ダンテ・ガブリエル・ロセッティ作『ボルジア家
セザール・セルベラ
セザール・セルベラ CÉSAR CERVERA
26/01/2018
2018/01/29 16:39hに更新しました。
7
2人の教皇を世に送り出したバレンシアの一族は、ローマの中心部における縁故主義、汚職、陰謀の典型例として、その黒い伝説が記憶されている。アレクサンデル6世として教皇に指名された邪悪なロドリゴ・ボルジア、淫乱なルクレツィア・ボルジア、野心家のチェーザレ・ボルジア......これらは、歴史学や文学がイタリア人の間で異質で敵対的とみなされている一族につけたレッテルであり、そのほとんどは不当なものである。ボルジア家をめぐる犯罪や謎のなかでも、長男で法王庁軍の隊長だったフアン・ボルジアの奇妙な死は、ローマの路地で犯人が見つからずに殺害されたもので、とりわけ目を引く。
フアン・デ・ボルジア・イ・カッタネイは、ロドリーゴ・ボルジアと彼の愛妾ヴァンノッツァ・カッタネイの息子だった。ロドリーゴがボルジアを寵愛した人々の長男であり、お気に入りの息子であったと言われている。
