法事・・・～愛すべき妖怪たち Part1

法事。
それは嫁にとって魑魅魍魎が跋扈する祭典

嵐のような一日だ

その宴は顔合わせの挨拶から始まる。
「おはようございます。お元気でした？」　顔はにこやかでもしげしげと観察している。
待合室では”どこが悪いの、あそこが痛いの”健康や身体の話で盛り上がる。
ここまでは、普通の人間でもあることだが、魑魅魍魎達はここからが違う
勢力を増強するために

人の噂話
人の粗さがし
人の悪口

これら大好物を大声で話しながら、自らの勢力を増強していく。

法事が終わり精進落としの席になっても、この勢いは治まるどころか勢いを増すばかり

もうこうなるとお酒も入っているので
止められない
耳を疑うような会話が飛び交い、人のプライバシーにまで土足で踏み込み、大声で下品な笑い声をあげ、そしてそこは伏魔殿へと化していく



嵐のような一日を、”風雪を耐える”ようにじっと我慢をして過ごす。

そして最後に話すことにも疲れ果ててしまう魑魅魍魎達

この日、この時を喜びとし、生気を養うためにやってくるが歳には勝てず、

やがて、くたびれた顔をしてそれぞれの棲家へ帰って行く。


こうして悪夢のような一日が終わる。