背中の激痛、それによる睡眠不足と
過労からの免疫力低下が原因か、リンパも腫れてる。
所謂体調不良だが、それとは裏腹に気力は上を向いている。
11月1日に急遽参加が決まった試合がそうさせている。
倒れてしまえば楽かも知れないがそれはその時だけ。
ここは無理をしてでも身体も精神も加速させた方が良い。
今までのように、いつ倒れるか、いつ壊れるかという
博打のような戦い方ではなくなった。
鈍ったエンジンは回すに限る。
静かに確実に闘志を燃やす。
腹の底からくる武者震いをエンジンに変えて
心臓の回転数を高回転域で保つ。
それを、元々無表情なこの顔でエンジンカバーにして隠す。
身体は重い。
背中が痛む。
でも、いくらでも戦える。
思い切りぶっ飛ばせる。
その原因も理由も自分でよく分かってる。
抜けるような快晴、とは言わないが
己の心に巣食っていたものを払拭した今、分厚い雲は微塵に散った。
視界に開けた青空を、上を向いて存分に見つめて、
今まで閉ざされていた瞼を見開いて瞬きする事すら惜しみ、
頂点だけを目指そうと決めた。
己が変われば他人も変わった。
他人が変われば環境も変わり、環境が変われば世界が変わる。
そうして目の前に映る世界を睨み付ける今の自分に、
何の迷いも憂いも、澱みも戸惑いもない。
一点突破 ただぶち抜くのみ。
迷い、憂い、それらは全て己が生み出したもの。
生み出してしまって、化け物に変えてしまったものだ。
それを生み出した自分を悪いとも弱いとも言わん。
だが、それにいつまでも五感を覆われてしまうようでは
「弱い」と断じる。
募る想いもあろうが、それらを掻き集め、
覆滅せんが如く一気に燃やし尽くす事が出来たなら、自分は必ずや強くなるだろう。
剥き出しの闘志、青筋の立った表情、強張り切った肩。
猛り狂った心に身を委ねる、それも良かろうが
今の自分はそれをもう超えた。
いつでも動ける。
暖気は完了した。
迷いを焼き尽くした覆滅の炎によって。