一人の選手から、今朝方一番でクール宅急便が届いた。
僕の身体を心配して、今季色々と遠方から連絡をくれたり、
何かと励まして下さった、僕の大好きな名物選手。
僕の母の出身高校がその人の住む地と同じであり、
その人の弟子は僕と同い年、更にそのお弟子さんの母上は
僕の母と全く同じ出身地、というなんとも奇妙な縁を持つ人たち。
何より、電話口から聞こえてくる馴染みのある方言を聞いていると、
豪快で、逞しくて、それでいてひょうきんで優しい、あの地に息づく
懐かしい人々の匂いすら運んできてくれるようで、
誰に励まされるよりも心が癒されていく。
ふと、自分も長年強いられてきた関西弁を捨て去り、方言に戻っている事に気付く。
涙が出そうだ、望郷の念ってやつだろうか。
帰りたい。広島へ。僕のふるさとへ。
しかし…よくぞコレで届いたものだ、と思うほど、
そして、宅配のおねえさんが笑いを噛み殺して僕を変な目で見るほどに、
ユーモアに富み過ぎた内容の送り状だったが(笑)
同郷のよしみとは言え、昨日今日少しだけ名が知れた僕などに
格別の配慮と真心を頂き恐縮でいっぱいだ。
だけど何より、彼は約束を果たしてくれた。
彼にしてみれば、ほんの小さな約束事だったかも知れないけれど
僕には何より嬉しかった。
男が男と交わした約束を、守る。
当たり前の事だけど、それを出来る人が今は少なくなった気がする。
そして、そんな時流に慣れてしまって、約束というものに
いつしか期待しなくなった自分に気付き、悲しくなった。
昔はもっと堅苦しくて「約束」と言われたら他人にも自分にも厳しく強いたものだけど。
どっちがいいのかは人それぞれだから、上手に使い分けなきゃならない。
人によっては、それを息苦しいと思う人もいるのだから。
そんなことくらいは、いい歳だから分かる。
だけど
なんでこんなに嬉しいんだろう。
なんで、こんなにあったかい気持ちになれるんだろう。
食いんさい、それ食って元気になって、また戦おうや
その言葉に、今は首を縦には振れないけれど
だけど、ありがとう、貴方に会えて本当に良かった。
僕もいつか誰かと交わした約束を守りたい、果たしたいから、
「いつか、必ず」とだけ言わせてもらう。
ありがとう。