アメリカでは妊婦や授乳婦はビタミン剤のサプリメントを摂取することが勧められます。特に葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすことがわかっているので、サプリメントで補うのが一般的です。 一方、ビタミンAの過剰摂取は催奇形性があることがわかっていますし、ごく最近の研究では葉酸の過剰摂取も胎児になんらかの影響を及ぼすのではないかとの懸念も報告されつつあります。
独立行政法人国立健康・栄養研究所は、妊娠中の葉酸の摂取時期と量について下記のように示し、サプリメントではなく、できるだけ自然の食品から摂取するよう勧めています。 詳しくは こちら
1.葉酸を摂取する時期:妊娠を計画する1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで。
2.摂取量:一日400μg(0.4mg)。一日1000μg(1mg)を超えないようにする。
また、日本産婦人科学会では、日本の神経管閉鎖障害児の出生数がアメリカの8倍も高いことから(2001年)、葉酸の不足分をサプリメントで補給することをすすめています。
ビタミンAに関しては、過剰摂取が問題となるため、サプリメントで補給するよりも、緑黄色野菜からの摂取を推奨しています。 日本産婦人科学会 妊娠と食事について
アメリカで暮らしているとどうしても野菜が不足しがちですが、一日350gの野菜を食べることによって、だいたい0.4mgの葉酸を摂取することができるようです。 ビタミンAについては、日本人の普通の食生活であれば欠乏の心配はあまりないと言われています。 ご自身の食生活をふりかえり、サプリメントの利用も医師と相談しながら慎重に行いたいものです。