歌姫の日記 その2

歌姫は映画ファン

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『しのび泣き』(1945年製作)フランス映画

2019-08-26 22:46:46 | 映画
 原題は、”LA PART DE L'OMBRE”。『影の部分』とでも訳せますが。

 ※『しのび泣き』は日本的な題名だと思いつつ、YouTubeで検索したとろ、演歌の『しのび泣き』という曲がいくつも検索されました。

 監督はジャン・ドラノワ。主役のバイオリニストは『天井桟敷の人々』でピエロを演じたジャン=ルイ・バロー。

 ほろ苦い後味のフランス映画らしい作品でした。けれども、この主人公には腹が立ちましたね。意気地なしなんです。自分のことをそんなに卑下しなくてもいいのに、もっと自信を持ちなさい、なんて本気で窘めたくなりました。でも、適役でした。

 反対に、こんなモヤシが腐ったような男を愛したアニエスに心から同情しました。

 恋人役のアニエスを演じたエドウィージュ・フイエールは良かったです。この女優を見るためだけに、この映画を観ても良いと思います。彼女に興味のある方には、『青い麦』をお勧めします。

ニーチェの馬

2018-10-03 22:44:42 | 映画
 この映画に登場するのは、ジャガイモばかり食べて暮らしている父親と娘と、この親子に飼われている馬だけ、と言っても過言ではないでしょう。

 石造りの暗い家の中で、熱々の蒸したジャガイモを親子がただひたすらに食べているシーンが繰り返されます。ところがある日、娘が先に食べるのをやめるのです。その訳は、馬が餌を食べるのをやめたことに気付いたからです。

 水も無くなり、火種も途絶え、とうとう生のジャガイモを食べはじめた父親ですが、「おまえも食べろよ」と娘に言いつつ、彼もいつか食べるのをやめるのでしょうか? それはわからないまま映画はジエンドを迎えます。

 この映画のテーマはあまりにも重たくて、途中で気が滅入りそうになるのですが、そんな中で不意に笑える場面(コミックリリーフ:comic relief)が現れます。お父さんが、湯気が立っているジャガイモの皮をむいて食べようとして、「アッチッチ!」と言わんばかりに、指を振って熱がるしぐさを見せるところ。あれは演技ではなく、本当に熱かったのでしょうね。

 

『フィッシュ・タンク』(Fish Tank)

2018-09-23 10:45:11 | 映画
 アンドレア・アーノルド監督・脚本による2009年のイギリス映画。
 
 ヒロインのミア(ケイティ・ジャーヴィス)は15歳の女の子。空き地の目立つ荒れた土地に、幸福な人々から見放されたようにポツンと建っている集合住宅が、彼女の住まいらしい。けれども、そこに家庭的な温もりはない。

 母親はアル中なのか昼間から酔っぱらっていて、毎日のように妻子ある男を連れ込んでいる。9歳の妹も親の真似をして呑んだくれで、家の中を歩きながら、時にはソファーに横たわったまま、口汚い言葉を吐いている。同じ集合住宅に暮らす労働者階級の隣人たちも似たようなものだ。そしてヒロインのミアも。少なくとも最初は、彼女も同類に見える。

 ミアはなぜかいつもヒステリックで、母親や妹とも仲が悪く、友達ともトラブルを起こしてばかり、口げんかのあげくクラスメートに頭突きをくらわして鼻血を出させる。

 なぜあんなに荒れ狂っているのだろう? 私は彼女のことが理解できす、いや理解できないからこそ、「一体あの子はどうしてああなの?」と不思議に思いながら、このすさんだ物語の世界に引き込まれてしまった。

 そんな怒ってばかりいるミアが泣くシーンがある。、

 近所に鎖に繋がれた白馬がいた。その白馬は16歳、老馬で死期が迫っていて、射殺せざるを得なかった、と飼い主である近所の男から知らされる。ミアは以前からその白馬のことは気にかけていて、一度は鎖を切って逃がしてやろうとしたこともあった。

 彼女が泣くシーンは本当に悲しかった。まだ15歳なのに、もう生きて行く辛さが身に染みていて、それに耐えきれずにいたのかと……。彼女の怒りを、ここでようやく解ったような気がした。

 なおタイトルである『フィッシュタンク』(水槽)は映画の中には出てこない。なのになぜ「フィッシュタンク」なのか。「それは観た人に考えてもらいたい」と、この女性監督はインタビューで答えている。

リン・ホン(熊 黛林、Lynn Hung)

2018-09-12 20:01:27 | 映画
中国出身のファッションモデルであり、映画『イップマン』で奥さん役を演じている女優さん。身長179センチ。私が飛び上がっても彼女の背丈を超えることはできなだろう。坐っているだけ、立っているだけ、歩いているだけ、で絵になる。演技は決して上手だとは言えないけれど、ここに紹介したのは、ぜひ『イップマン』に登場する彼女を見てもらいたいと思ったから。