つづき
動物病院から家に帰ってすぐ、良く寝ているハム男をそのまま置いて
ペットショップへ行き、犬用のトイレシートを買ってきました。
「敷材にタオル」と先生に言われましたが、
以前、タオルから出た糸にハム美の足が絡まって大変なことになったので、
タオルは絶対に使いたくありませんでした。
清潔で安全、簡易なものを考えていたらトイレシートが浮かびました。
犬猫は飼ったことがないのですが、思い出せて良かったです。
ハム男のケースを空にし、除菌スプレーで清掃し、
トイレシートを敷いた上に、新しい菓子箱の巣を置きました。
ハム男を移動用の小さなケースから本宅ケースへ移すと、
自分の香りが一切しないことに怒り心頭な様子でした。
トイレ砂も1粒残さず外したかったのですが、怒りで落ち着かないので
いつものトイレの場所に一つまみ「ハム男ご使用済みの砂」をのせ、
その周りを囲むように厚紙をコの字にした衝立(ついたて)を置き
「ここがトイレです。」と伝えました。
本気で納得はしていないようでしたが「しょうがない。」と諦め、
新しいトイレを認めてくれました。
衝立におしっこが少しひっかかったので、その後シートを取りかえても
その衝立を置くことでトイレと思ってもらえました。
巣箱の中がガランとしていては心細かろうと思い、
鼻セレブのちり紙を1cm幅に細く裂いたものを入れました。
長さがあると足に絡まってあぶないので、長さを半分にしました。
もう、その頃のハム男は足腰が弱く歩行がおぼつかない感じで
バリアフリー住居が必要な状態でした。
動物病院でもらった薬は1日2回3滴の飲み薬でした。
薬をもらった時「おいしくなるよう作ったはずだけど…」と先生が言いました。
薬の時間になって先生のつぶやきの意味がわかりました。
以前、体調不良で抗生剤入りのシロップをもらったことがあったのですが、
その時は、私に掴まれてイヤイヤはしても薬は普通に飲みました。
今回は、悲鳴をあげました。
ハムスターとは思えないほどの叫び声で「ギャー!」と鳴きました。
年老いたハム男が信じられないほど抵抗をして暴れました。
「その薬を飲ませるならお前を噛んでやる!」のパフォーマンスもされました。
嫌がっているのが十分わかりましたが、少しでも体が楽になればと思い、
無理やり3滴飲ませました。
ケースに戻すとダッシュで巣箱に戻り、イライラしたせいか、
私に掴まれたのが気に入らなかったのか、体を掻いているのが見えました。
それでも「薬が効けば痒みがなくなる。楽になから。」と信じていました。
朝夕、無理に起こして飲ませるのは気の毒なので、
トイレに起きた後に飲ませることにしました。
「ハム男。」と声をかけてから手を入れるのですが、
まずい薬を飲ませる私を恐怖と感じるようになり、
触れただけで「ギャー!」と悲鳴を上げビックリして倒れるようになりました。
悲しかったです。
ハム男は7匹のハムの中で唯一遠くから呼んでも走って私の掌に乗る子でした。
2年かけて作った信頼関係が、たった1日で崩れてしまいました。
崩す原因を作ったのは私です。私の不注意です。
たとえ憎まれてもハム男の炎症が治るならそれでいいんだと思いました。
これが2度目の判断ミスでした。
炎症は、良くなるどころか悪くなる一方でした。
いつものようにハム男をつかんで薬を飲ませようとすると、
いつものように暴れ、いつもと違う「ぬるっとした何か」が私の指を伝わり、
ズボンにポタッと落ちました。
ハム男の真っ赤な血でした。
暴れた時、かさぶたがとれて血が出てしまいました。
人間の鼻血程度の1滴でしたが、ハムには大出血です。
慌てて薬をその場に捨て、ハム男をケースに戻しました。
自分が正しいと信じてしていたことが、本当に正しいことだったのか…
目の前が急に歪んで涙が出ました。
安全な巣箱に戻ったハム男は傷ついた足の付け根を一生懸命舐めていました。
体全体を見て、どう見ても炎症が良くなっているようには思えませんでした。
もしかしたら良くなっていたのかも知れません。
薬は効いていたのかも知れませんが、それでもちっとも治らないのは
それ以上にストレスで傷を増やす速度の方が完全に上回っているから…
どちらにしても、私はハム男に苦痛しか与えていなかったんだと気づきました。
その場に一緒にいた子供に
「お母さんは、もうこれ以上ハム男を苦しませることはできないや。
お薬を飲ませるの…もうやめてもいいかなぁ?」と聞きました。
子供はすぐに「うん、いいよ。」と言ってくれました。
「ハム男の残り少ない時間は、ハム男に楽なことだけにしようね。」
と親子で決めました。
つづく
動物病院から家に帰ってすぐ、良く寝ているハム男をそのまま置いて
ペットショップへ行き、犬用のトイレシートを買ってきました。
「敷材にタオル」と先生に言われましたが、
以前、タオルから出た糸にハム美の足が絡まって大変なことになったので、
タオルは絶対に使いたくありませんでした。
清潔で安全、簡易なものを考えていたらトイレシートが浮かびました。
犬猫は飼ったことがないのですが、思い出せて良かったです。
ハム男のケースを空にし、除菌スプレーで清掃し、
トイレシートを敷いた上に、新しい菓子箱の巣を置きました。
ハム男を移動用の小さなケースから本宅ケースへ移すと、
自分の香りが一切しないことに怒り心頭な様子でした。
トイレ砂も1粒残さず外したかったのですが、怒りで落ち着かないので
いつものトイレの場所に一つまみ「ハム男ご使用済みの砂」をのせ、
その周りを囲むように厚紙をコの字にした衝立(ついたて)を置き
「ここがトイレです。」と伝えました。
本気で納得はしていないようでしたが「しょうがない。」と諦め、
新しいトイレを認めてくれました。
衝立におしっこが少しひっかかったので、その後シートを取りかえても
その衝立を置くことでトイレと思ってもらえました。
巣箱の中がガランとしていては心細かろうと思い、
鼻セレブのちり紙を1cm幅に細く裂いたものを入れました。
長さがあると足に絡まってあぶないので、長さを半分にしました。
もう、その頃のハム男は足腰が弱く歩行がおぼつかない感じで
バリアフリー住居が必要な状態でした。
動物病院でもらった薬は1日2回3滴の飲み薬でした。
薬をもらった時「おいしくなるよう作ったはずだけど…」と先生が言いました。
薬の時間になって先生のつぶやきの意味がわかりました。
以前、体調不良で抗生剤入りのシロップをもらったことがあったのですが、
その時は、私に掴まれてイヤイヤはしても薬は普通に飲みました。
今回は、悲鳴をあげました。
ハムスターとは思えないほどの叫び声で「ギャー!」と鳴きました。
年老いたハム男が信じられないほど抵抗をして暴れました。
「その薬を飲ませるならお前を噛んでやる!」のパフォーマンスもされました。
嫌がっているのが十分わかりましたが、少しでも体が楽になればと思い、
無理やり3滴飲ませました。
ケースに戻すとダッシュで巣箱に戻り、イライラしたせいか、
私に掴まれたのが気に入らなかったのか、体を掻いているのが見えました。
それでも「薬が効けば痒みがなくなる。楽になから。」と信じていました。
朝夕、無理に起こして飲ませるのは気の毒なので、
トイレに起きた後に飲ませることにしました。
「ハム男。」と声をかけてから手を入れるのですが、
まずい薬を飲ませる私を恐怖と感じるようになり、
触れただけで「ギャー!」と悲鳴を上げビックリして倒れるようになりました。
悲しかったです。
ハム男は7匹のハムの中で唯一遠くから呼んでも走って私の掌に乗る子でした。
2年かけて作った信頼関係が、たった1日で崩れてしまいました。
崩す原因を作ったのは私です。私の不注意です。
たとえ憎まれてもハム男の炎症が治るならそれでいいんだと思いました。
これが2度目の判断ミスでした。
炎症は、良くなるどころか悪くなる一方でした。
いつものようにハム男をつかんで薬を飲ませようとすると、
いつものように暴れ、いつもと違う「ぬるっとした何か」が私の指を伝わり、
ズボンにポタッと落ちました。
ハム男の真っ赤な血でした。
暴れた時、かさぶたがとれて血が出てしまいました。
人間の鼻血程度の1滴でしたが、ハムには大出血です。
慌てて薬をその場に捨て、ハム男をケースに戻しました。
自分が正しいと信じてしていたことが、本当に正しいことだったのか…
目の前が急に歪んで涙が出ました。
安全な巣箱に戻ったハム男は傷ついた足の付け根を一生懸命舐めていました。
体全体を見て、どう見ても炎症が良くなっているようには思えませんでした。
もしかしたら良くなっていたのかも知れません。
薬は効いていたのかも知れませんが、それでもちっとも治らないのは
それ以上にストレスで傷を増やす速度の方が完全に上回っているから…
どちらにしても、私はハム男に苦痛しか与えていなかったんだと気づきました。
その場に一緒にいた子供に
「お母さんは、もうこれ以上ハム男を苦しませることはできないや。
お薬を飲ませるの…もうやめてもいいかなぁ?」と聞きました。
子供はすぐに「うん、いいよ。」と言ってくれました。
「ハム男の残り少ない時間は、ハム男に楽なことだけにしようね。」
と親子で決めました。
つづく