微積分を何とかせねば

微積分に再挑戦

指数関数というフィクション

2016年04月03日 | 微積分


指数関数たとえば、y=2^x とかy=3^x を思い浮かべていただきたいのですが、一番直観的につかみやすいのはグラフでしょうか。横幅2mの黒板を用意します。1cmを1めもりとして、y=3^xのグラフを描いてみます。x=200のときのy座標を描くために黒板の縦幅は何メートル必要でしょうか?100メートル、200メートル?20km、30km?これでも足りません!日本列島の長さ2000kmでも地球の赤道40000kmでも足りません。37万kmの月まで行ってもダメ。銀河を超えてもだめ、アンドロメダに到達してもだめ。じつに2.6×10^90乗kmのサイズの黒板がいるのです。たかだかy=3^xのグラフを(200、y)の範囲で描くためにです! ちなみに、2.6×10^90乗kmというのは現在観測された全宇宙の直径9.3×10の24乗kmをはるかに超えるとてつもない長さです。現実には存在しない長さという意味でいえばフィクションといえるかと思います。
数学を理解するという観点から考えると、指数関数というのは想像を越えた関数であり微積分の計算で指数関数が現れたときに意識の隅においておく必要があるのかも知れません。




実数というフィクション

2016年04月01日 | 微積分

たまたまですが、ある日、「教えてgoo」を読んでいたら次のような面白い回答に出会いとても感動したことがあります。

『実数は連続量を表すものだと、ふつうは信じ切って計算を行います。PCを使えば、10^(-300)なんて数値が平気で出てきたりします。でも例えば、10^(-300)メートルなんて長さは、一回も測られた事はありません。その意味では、実数論は数学的フィクションかも知れないんです。』

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6768585.html
No.15ベストアンサー 回答者: ddtddtddt


回答者の言われるように1/10^300メートルという長さを持つ物理的オブジェクトはありません。1/10^10メートルが原子レベルの大きさなので10の-300乗メートルとなるとだれも見たことも、さわったこともない、測ったこともない、(形容詞をもっとつけたい!)実体のない"おはなし"です。数学的には小数点以下たとえ1億ケタでも1兆ケタでも議論の対象になりますが、原子のレベルではせいぜい1メーターのスケールで小数点以下十ケタどまりなのです。
そもそもジャスト1メートルの長さの物があると思うこと自体あまりにも素朴すぎるのではないでしょうか。ちょうど1メートルの棒も、ちょうど1リットルの牛乳も、ちょうど1秒の時間も、議論をする上でのバーチャルな約束ごとに過ぎません。われわれが、0.99999999…メートルに対していだく違和感と、ジャスト1メートルというときの1に対して抱く無邪気な安心感!2つの表記の落差!しかしながら実はふたつともあやういのだと思えば案外納得いくのではないでしょうか。

素朴な実数の直観で済ませてこれた微積分以前の数学と以後の数学では、実は思っている以上に数に対するアプローチの仕方が異なるということかもしれません。無意識に同じだと思って学習すると躓き(つまづき)の原因になりかねません。
やはり微積分が分かりにくいのはそれなりの理由があるのですね。