007シリーズ最新作にして、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドのラストとなった「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の見た感想を記事にしようと思うもペンが走らなかったのですが、Amazonプライムでも見られるようになったので、そろそろ記事にしたいと思います。
以下、ネタバレするかもしれませんので、未視聴の方はご注意ください。
そして、「スカイフォール」が007シリーズ最高傑作で、続く「スペクター」や「ノー・タイム・トゥ・ダイ」も面白かったという方にはご不快な思いをされるかもしれませんので、あらかじめご承知おきいただければと思います。
前作「スペクター」のラストがラスト故に「女王陛下の007」や「カジノ・ロワイヤル」の終盤みたいな甘いテイストのオープニングは、やっぱり引っ張り出されてきたヴェスパーと一緒に吹っ飛ばされて、まずはその音響効果に驚きました。
ちなみにIMAXではなかったのですが、自分もボンドと一緒に吹っ飛ばされたような感覚に陥りました。
そして、前作で復活するもギネス記録で吹っ飛ばされて滅んだと思っていたスペクターの刺客が登場。
H&Mで買ってきたような敵の衣装やマセラティのギブリやギブリでも先代モデルであり、「慰めの報酬」のオープニングでボンドカーのアストンマーチンのDBSを追っかけ回したアルファロメオの159よりも古いギブリはどうかと思いましたが、それでも通販番組のコールセンター止まりだった前作のスペクターとは一味違う感じ。
やっぱりスペクターはこうでなければと、この先の展開に期待を膨らませていったのですが、Qがやっぱりハードドライブと言い出した辺りから雲行きが怪しくなってきて、、、。
「スカイフォール」では唯一有能だったレイフ・ファインズのMは前作以上の無能っぷりを発揮し、かつ「慰めの報酬」のCIAが良心的と思える程のやらかしよう、、、。
あからさまな宣伝となったアストンマーチンの新型のヴァルハラを背景に立つものですから、余計に際立っていました。
また、7代目の007となったノーミもステレオタイプな00エージョント、すなわちボンドの鏡にしようとするも鏡になりきれず。
ボンドらしくノーミもアストンマーチンのDB11をかっ飛ばしますが、タイミングがタイミングだけに頼りなさが際立っていて、決戦を前に007をボンドに返上するシーンしても胸が熱くなりませんでした、、、。
そして、ラストもやっちまった感満載。
「女王陛下の007」の♪愛はすべてを超えて、でダニエル・クレイグのラストを締めたつもりでしょうが、最後は♪YOU ONLY LIVE TWICEで締めて欲しかった。
終盤の舞台は「二度死ぬ」の終盤みたいな舞台でしたし、イアン・フレミングの原作っぽいとも言えますし。
正直希望を持って終わって欲しかった。
でないと、「カジノ・ロワイヤル」で始まったダニエル・クレイグのボンドの物語は嫉妬した義理の兄の壮大な嫌がらせで終わってしまい、そもそも007はそんな話ではなかったと思います。
皆でボンドを偲ぶシーンもほぼほぼ足を引っ張った面子が並び、嫌がらせにしか思えません。
逆に♪YOU ONLY LIVE TWICEでもう一度ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドがスクリーンに登場していたら、義理の兄の嫌がらせも水に流せていたと思いますし、007シリーズを21世紀も続けてくれたことに感動していたかもしれません。
もちろん敵役のサヒンはミスター・ホワイトや義理の兄へのリベンジがボンドとマドレーヌに向いたと思うのですが、それであそこまでやる理由になるかと言われると、これもよく分かりません。
どうせなら、ドクター・ノオを名乗って欲しかったぐらいです。
あと、中盤で♪女王陛下の007のメインテーマも流れて、ちょっと胸が熱くなったのですが、冷静に考えると「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を見ている訳で、「女王陛下の007」じゃない訳で。
「女王陛下の007」は「カジノ・ロワイヤル」同様原作にも忠実であり、内容も傑作だと思うので、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」も傑作だと錯覚しそうになります。
ですが、これも残念ながら駄作だと思いますし、Amazonプライムでこの記事を書く前にもう一度見ようと思いましたが、主題歌に辿り着く前に萎えてしまいました、、、。
あと、劇場で3時間は長く、” ノー・タイム・トゥ・トイレ "はおじさんにはきつかったです、、、。