フーゾクに行きたい、けど行けない日記

毎日、同じことを繰り返し考えてしまう。それを、公開して書いていけば、なんとなく、おさまるのでは、と思って作ってみました。

ラブホテルで恋人気分、か。アホめ。

2004-11-16 13:41:44 | けど行けない日記
 このブログ、2ヶ月近くほっておいた。
 久々に見ると、コメントしてくれている人がいた。自分以外見ていないと思っていたのに、コメントまでいただけるとは――。

 こんな宣伝もなにもしていないところに書いてあることに、完全共感と言ってくださる人が一人。ということは、もっといるんだろうなぁ、同じような感じでフーゾクにとらわれてしまう屈託スケベ男性が。なんてことを思うのであった。

 フーゾクに行かないために書いていくつもりだったが、先月、結局、行ってしまったのだった。近頃では、もっともフーゾク的なフーゾク、ホテヘルにである。

 ホテルdeヘルス。登場したときは、いまだかつてないサービスとうたわれていた。ラブホテルまでの行き来も女の子と同道できる。恋人同士で、ラブホに行く感覚で。
 アホ丸出し。むなしくなるためだけに行くようなものではないか。

 ソープが条例で作れない大阪では、最も値段の高いフーゾクでもあり、本当は行ってみたかったというのも、正直な気持ちであったが、これまではほとんど足をむけたことがなかった。

 フーゾク構造不況(社会全体の不況→女性の就職難+性産業への抵抗感の低下+フーゾク業リクルート方法の情報化→風俗嬢の供給過多→デフレ)によって、フーゾクの値段は大きく下がっている。30分のサロピンと同じくらいの値段で、ホテヘルにも行けるようになっている。
 そんなことが頭をかすめつつ、のべにすれば何十時間も、ネットで、ホテヘルの情報を眺めて暮らしてきた今日この頃なのであった。

 その日も、いつも通り、ネットを見ていた。
 なんとなく、この店はいいのではというところを発見してしまった不幸。足は、大阪ミナミのホテル街に向いていた。

 それでも、行かないつもりではいた。写真だけ見て、好みの人は一人もいないことを確認し、納得して帰る。これまでも、何度も繰り返してきたフーゾク病の対処方法で切り抜けるつもりではあったが、それでも、ネットから印刷した割引券をちゃんと財布に入れ、銀行で資金もおろし、ホテル街を歩くのであった。

 今日も、結局行かなくてすむだろうという目論見は、彷徨をはじめてすぐに、大きく転換をせまられた。
 薄暮のホテル街を歩いてくる、オッサンと若い女性。50才くらいのと、20才前後。どうみても、金銭が介在した関係である。二人がやってきた方向からして、ネットでチェックしていた店の客と、ホテヘル嬢らしい。その女の子が、かなり可愛く見えてしまったのである。

 確か、お店のHPに載っていた女の子だ。色の黒い、今時の。
 普段の自分は、一昔前のコギャルを彷彿させるような若い子なんて、なんの興味もないはずなのである。どちらかといえば、しっとりした若年増好みのはず。それなのに、フーゾクというフィールドになると、顔の作りとかはともかくとしても、こんな今時的スタイルに、欲情を覚えるのも隠せないのである。どっちが、本当なのだろうか――。
 写真でみるより、ちらりと見たホンモノの方が、だんぜん可愛く見えた。今から、あのオッサンに、サービスをするためにホテルへ向かう、今時の若い女の子。

 冷やかしですまそうとふらふら歩いていた自分の足取りは、少し早くなる。だいたいあたりをつけていたホテヘル事務所は、すぐに見つけることができた。受付を呼び出すまでもなく、親切にも、出勤中の女の子の写真は、すぐ目につくところに並べてある。

 一番、左の写真。HPに載っていた、そして、今さっき目撃した彼女の写真である。

 浅黒い日焼けの肌に、華奢な体型、多めのピアスをしている20才前後の彼女。

「ここは行くしかない――」
 何かよくわからない、ほんとうによく分からない確信の念が、突然わき起こったのである。これで帰ったら、また無駄にネットばかり見てしまうだろう。とりあえず、行っておけばよかったと後悔するに違いないのだ、なんて思ってしまったのであった。

 待ち時間は、案の定、1時間半ほど。さっきのオッサンを待てばいいのだ。
 さっきのオッサンのモノをなめた口で、チューしてもらおう。自分もなめてもらおう。オッサンがなめ回したお乳を、僕もなめよう。

 割引券とお金を払う。11000円。安い、のか。
 ここ何ヶ月、一万円を超える、普通の買い物なんてしたことがない。2万前後の格安液晶モニターを買うのに何時間も逡巡した私である。一旦、買い物カゴに入れた国産豚バラ肉を、思い直して、アメリカ産に入れ替える私なのである。それなのに、とにかく、一時間であっという間に消えてなくなる11000円は、安いと思ってしまったのだった。

 払ってしまったら、色んなモヤモヤは、スーッと消える。
 もう引き返せないのである。決めてしまうということは、なんと楽なことか。

 10分前にまた来てくれと言われ、整理券のようなものを渡され、一時間の時間つぶしに、道頓堀の方へ向かった。ファーストフード店から、人の行き来を眺める。ナンパしている人。ものすごくがらの悪い、若い女性客グループに苦々しげに目をやる。持ってきた文庫本を読む。コーヒーを飲む。

 もし、今、知り合いに会ったらどうしよう。久しぶりやなぁ、のみにでも行こうよ。なんて、言われたら。うん、そしたら、もちろん、1万は捨てて、そっちに行こう。そのときは店に電話しよう。用事出来たから、行きませんが、規定のお金はちゃんと彼女に渡してください、と。
 何の、かっこつけなのか。アホか。
 よくわからないが、こんな妄想をしつつ、一時間の時間をつぶしたのであった。

 お金を払えば、たしかにモヤモヤは消えたのだが、それ以降、恥ずかしながら手が少し震えたりするようになった。緊張してきたのだ。何に対する緊張なんだろう。フーゾクに行って、緊張することはよくある。これは何なんだろう。そんなことを思いながら、事務所に再び行き、女の子の登場を待ったのだった。