庭の黄色いクロッカス。父方の祖父が植えたもの。毎年、咲くのを楽しみにしていた。あたたかくなるとパッと咲き出す。「犬のとらが穴を掘って、蹴散らしてしまった」と。母が残念そうに話してた。そういえば、この場所には、もう少し黄色がにぎやかだったような。とらの本能には罪はなく。咲けるだけ咲いてくれた、今年のクロッカスに元気をもらう。小さい花が咲くのを、待ちわびていた祖父の心が少しわかる。あたたかい陽の光に照らされて、クロッカスが咲いている。のんのん