井原の庭 -完成-

井原の庭、完成しました。

井原の旧街道に建つ旧家であるため、
表の庭は材料の質にこだわった和の雰囲気でまとめました。


ちょっと覗き込みたくなるような雰囲気で…

　
北木石の八角生込型灯籠・布泉水鉢の組合せで、品格ある蹲踞を構成しました。
景石は、先代が造られた庭にあった地元の名石・矢掛石を、大切にリユース。


版築ブロックです。
この後ろにガス給湯器があるので、目隠しも兼ねています。


ホースも収納できる、溜めマスを利用した散水ボックス。


広い芝のスペース。
子供や犬が遊ぶ様子を見守ることができる場を、と思い造りました。
地石で積んだ石積みや、先代の矢掛石を自然に仕切り、
その後ろにやわらかな雑木を植えました。


大きな石に腰掛けて一服。


この庭は、ありがたいことに、
施主様が私の提案を快く受け入れて下さり、
自由に造らせて頂くことができました。
感謝のひと言です。

その気持ちに応えるには、自分の持つ力を出し切るしかないと思いました。

作庭中は本当に楽しく、朝は４時頃に目が覚め、
日中もずっとこの庭のことを考える日々。

石や土、樹。
それぞれ時の経過で表情が変わる素材を組合せて造っていくこの仕事は、
難しく、興味深く、そしてとにかく楽しいのです。

庭師の仕事は、私の天職だ。…と再認識した庭造りでした。