高校国語実践記録

向山型国語を高校で実践した授業記録です。

創業守成

2008-12-10 23:42:13 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/十八史略

「創業守成」(十八史略)では,結論を説明しない(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「創業守成」には,「創業と守成と孰れか難き。」という問いがある。
したがって,この問いに対する答えを探すのが,読解の目的となる。
しかし,太宗の答えは,「創業」でも「守成」でもない。そのことを理解させる。
音読・現代語訳をさせた後の2時間目。

復習で追い読みをした後,基本的な設定を問う。

発問1 はじめに,誰が出てきますか。(太宗)
発問2 太宗とは,誰ですか。(唐の第二代皇帝)
発問3 太宗の問いに線を引きなさい。(創業守成孰難)
指示1 現代語でノートにも写します。
板書1
【問い】(赤四角で囲む)
創業と守成とどちらが難しいのか。

テンポ良く聞く。

発問4 玄齢の答えを,一文で抜き出しなさい。(創業難矣)
発問5 魏徴の答えを,一文で抜き出しなさい。(守成難矣)
板書2
【答え】
玄齢…創業
魏徴…守成

発問6 それでは,太宗はどちらだと判断しましたか。ノートに書きます。
板書3
【答え】
玄齢…創業
魏徴…守成
太宗…

挙手で確認。「創業」「守成」「その他」で分ける。
この段階では,答えを告げない。「理由が言える人?」で発表させる。
意見が途切れたら,補助発問を入れる。

補助発問1 どこを読めば分かりますか。二文に線を引きます。(然れども~慎まん)
補助発問2 「創業」と「守成」はどう違うと言っていますか。今読んだ部分を参考にして,簡単に書きます。

書けた生徒に発表させる。ごく簡単でよい。創業は,「往(けり)」=「既に過ぎ去った」「終わった」ことであるのに対して,守成は,「方に諸公と之を慎まん」,つまり,「今から努力すべき」こととなる。

板書4
 【答え】
玄齢…創業
魏徴…守成
太宗…
      創業【終わった】
      ↑
      ↓
      守成【今から】
      
       ↓
  
     (結論)【                                 】

発問7 太宗の答えを,「難しい」「創業」「守成」という語を用いて,四十字以内でまとめなさい。(難しいのはどちらでもないが,創業は終わったので,今は守成に努力すべきである。)

発問8 太宗の考え方は,どんな考え方だと言えますか。○○的,という形で答えなさい。(現実的/実際的)


使用教科書 『新精選国語総合』(明治書院)

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鶏口牛後

2008-12-10 21:43:28 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/十八史略

「鶏口牛後」(十八史略)のポイントは比喩の言い換えである(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「鶏口牛後」で,「鶏口」と「牛後」はそれぞれどのようなたとえなのか。根拠にできることは二つある。
第一に,本文中にある言い換えである。「鶏口と為る」=「六国従親して」が同じであることを理解させる。
第二に,「諸侯」同士の力関係を理解させることである。秦が(他の諸侯に)「土地を割かんことを求」めたということは,秦の力が他と比べて強大であったということである。その点は,前提として押さえておく。

音読・現代語訳をさせた後の2時間目。

復習で追い読みをした後,基本的な設定を問う。

指示1 一文目を全員で読みます。(秦人~)
説明1 「諸侯」とは,国・大名という意味です。
発問1 何という国がありますか。箇条書きにします。(秦・燕・趙など)

簡単な問題から入る。

発問2 本文中に出てくる以外にもあります。地図から探します。(斉・魏・韓・楚など)

発問3 秦と燕では,どちらが強いのですか。(秦)
発問4 では,秦と趙では,どちらが強いのですか。(秦)

諸国の力関係は,文中に直接は書いていない。
しかし,「秦人諸侯を恐喝して,地を割かんことを求む。」を根拠にすると,土地の割譲を要求できるほどの立場だから,他と比べて秦だけが強いということになる。
後に「牛後」の意味を考える前提になる。

板書1 

◎諸侯
 1秦(強)
 2燕
 3趙
 4その他 

発問5 そのような状況で,遊説家が出てきます。遊説家の名前を答えなさい。(蘇秦) 

発問6 蘇秦は,どのようにして秦を退けよと主張したのですか。四字で抜き出します。(六国従親)

極力,書いてある通りに問う。

板書2 
◎蘇秦の主張
【六国従親】して秦を退ける

列で指名。

説明2 同じ事を言っているところがあります。
指示2 「寧ろ」から,全員で読みます。(寧ろ鶏口と為るとも,牛後と為ること無かれ。) 
発問7 簡単に言うと,「鶏口」「牛後」どちらになれということですか。(鶏口)


挙手をさせる。迷ったら,現代語訳を読めばよい。

板書2 
◎蘇秦の主張
【六国従親】して秦を退ける
  ||
鶏口と為る

発問8 「六国従親」することと,「鶏口と為る」ことは,何が同じなのですか。次の形で書きます。
     難しいので,近くの人と相談しても良いですよ。
板書3
鶏のように【     】国において,くちばしのように【    】こと。(小さい/重要である または 先頭にある)

発問9 「牛後(と為る)」とは,具体的にどうすることですか。一文目の言葉を使って答えます。(秦の恐喝に屈して,土地を割くこと)

「地を割かんことを求む」から考える。

板書4 
秦に土地を割く
  ||
牛後と為る

発問10 どのようなところが同じなのですか。次の形で書きます。
板書5
牛のように【    】国において,しっぽのように【    】こと。(大きな/つき従う または 重要でない)

説明3 この話から,「鶏口牛後」という四字熟語が生まれました。
発問10 「鶏口牛後」という語を用いて,短文を作りなさい。できた人は持ってきます。

もちろん,国語辞典で調べたものをそっくり写しても良い。
「『鶏口牛後』のたとえがあるので,小さな会社で頑張る。」など。


使用教科書 『新精選国語総合』(明治書院)

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先づ隗より始めよ(十八史略)

2008-11-13 20:11:52 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/故事

「先づ隗より始めよ」(十八史略)を「抑揚」を通して理解させる(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「先づ隗より始めよ」は,「死馬すら且つ之を買ふ。況んや生くる者をや。」を十分に理解させてから,賢士を募集する話へ移る。「死馬を買う」→「生きている馬はなおさら買う」の間に,「生きている馬の方が価値がある」という前提があることを確認する必要があると考えた。
音読・現代語訳をさせた後の2時間目。

復習で追い読みをした後,基本的な設定を問う。

発問1 何という国の話ですか。(燕)

簡単な問題から入る。

発問2 燕の王・昭王の家臣は何という名前ですか。(郭隗)

発問3 昭王は郭隗に,どのような願いを話しましたか。現代語訳を参照しても良いから,簡単に答えます。(賢士を集めて斉に報復すること。)

次から,抑揚の話に移る。

指示1 「死馬すら且つ~」に線を引きなさい。
説明1 この部分の意味を考えていきます。
指示2 ノートを出して,真ん中に横線を引きなさい。
 

作業が続くので,生徒が実際にノートに書いているか,確認する。

指示3 上半分に,「馬」と書きます。
発問4 「死馬」を,いくらで買ったのですか。(五百金)

ここから,「死馬すら~」を考える上での前提条件を設定する。

説明2 みんなは,生きている馬を持っているとします。
     あるとき,先生が死馬を五百万円で買ったという話を聞きつけました。
発問5 先生は,みんなの馬をいくらくらいで買うと考えますか。

列で指名。少なくとも,五百万円以上でなければ,おかしい。

補助発問1 どうしてそう考えましたか。(死馬よりも生きた馬の方が役に立ち,価値があるから。)


指示4 そのことを踏まえて,【 】に不等号を入れなさい。(∧)
板書1
     馬              |
〈事実〉死馬 …五百金       |
    【 】              |
〈推定〉生きた馬…一億金以上?|
                    | 

発問6 結果,生きている優秀な馬は集まりましたか。(集まった)
補助発問2 どこから分かりますか。(至る者三)

指示5 下半分。「家臣」と書きます。
発問7 馬の例を参考にして,【  】を埋めなさい。書き下し文からの抜き出しですが,?の付いているところは,当てずっぽうで構いません。
板書2
     馬              |     家臣
〈事実〉死馬 …五百金       |〈事実〉【郭隗】(二字) …【宮】(一字)を築いてもらう
     ∧              |     【∧】
〈推定〉生きた馬…一億金以上?|〈推定〉【隗より賢なる者】(七字)…【     】?
                    | 

?以外の三箇所は,隣同士確認させて答え合わせ。
?のところは,挙手で発表させる。意見が出尽くしたら,「先生は,『お城』だと考えました。」「今だと,『ジェット機』になると思います。」など,スケールの大きな答えを出し,楽しく次へ進む。

発問8 賢士は,集まりましたか。(集まった)
補助発問3 どこから分かりますか。(士争ひて燕に趨く)
発問9 それは,賢士たちがどのように考えたからですか。図示された言葉を参考にして,三十字以内でまとめなさい。(郭隗より賢ければ,宮を築くより厚い報酬を受け取れる。)

ノートを持ってこさせ,板書させる。
板書された答えを評定する。
基準は,「隗より」…3点 「賢い」…3点 「宮」…2点 「報酬」「待遇」など…2点。
満点を取るのは少し難しいが,妥協しない。
満点が出なければ,評定を参考にして書き直させ,再度評定する。

説明3 良い待遇をアピールするために,最も身近な家臣・郭隗に贅沢をさせたのですね。
発問10 この話から生まれた故事成語「先ず隗より始めよ」は現在,どのような意味で使われていますか。(事をなすには,まず自分から行動を起こすべきだ。) 

その場で辞書を引いても構わない。ただし,辞書的意味をなぞるだけでは,今ひとつ納得できる感じがないだろう。そこで,具体的に例を作らせる。

指示6 「先ず隗より始めよ」で返答させるような文を,1つ作ります。たとえば,「『マラソン,頑張って走れよ。』→『先ず隗より始めよ。』」のようにします。 

次への伏線となるので,必ず全員に書かせる。
そのために,近くと相談しても良い。同じ答えを書いても良い。

説明4 答えを発表してもらいます。一人ずつ答えを読み上げたら,みんなが「先ず隗より始めよ。」と答えてあげましょう。○○君から,どうぞ!

「カラオケ,誰から歌う?」→「先ず隗より始めよ。」
「ちゃんと掃除するんだぞ。」→「先ず隗より始めよ。」
など。相手に厳しい要求をするほど,その厳しさがそっくり自分に返ってくる仕組みである。


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苛政は虎よりも猛なり

2008-09-26 22:29:15 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/故事

「苛政は虎よりも猛なり」(故事)のポイントは「苛政」のイメージを具体的に持たせることである(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「苛政は虎よりも猛なり」は,「猛なり」の理由を推定しなければならないという点が難しい。そこで, どのようなものを「苛政(厳しい政治)」と呼ぶのかを発表させ,具体的なイメージを全員に持たせた後に「苛政は虎よりも猛なり」の理由を説明させた。
音読・現代語訳をさせた後の2時間目。「使役」と「疑問」の句法を扱って,内容を読み取る。

指示1 孔子は,誰に会いますか。(婦人。)

説明1 この文章は,婦人との会話ですね。
発問1 孔子は,どのような結論を出していますか。一文で探して,指を置きます。置いた人は,隣を見ます。(苛政は虎よりも猛なり)

隣と一緒だった生徒を指名。「最後にありますね。」と念を押す。

発問2 「苛政」とは何ですか。現代語訳を見てもいいですよ。(厳しい政治)
発問3 具体的に,どのような政治が考えられますか。近くと相談。

「税金が高い」「罰が重い」「労働がきつい」などが出される。答えは一つではないので,「例えばそのようなことでいいんだ!」と励ます。

発問4 それが,「虎より獰猛だ」とは,どういうことでしょう。
指示2 婦人のセリフに,2カ所,線を引きなさい。

「然り。昔~」と,「苛政無ければなり。」である。

説明2 今線を引いた部分を参考にして,「苛政は虎よりも猛なり」の理由を説明します。ただし,書き方は,「政治の厳しい土地に行くと,具体的にどのようなことが起こるから,とします。」
板書1 政治の厳しい土地に行くと,
    【                  】
     から。
指示3 書けた人は,前に持ってきます。

ここで,発問3が意味を持つ。「苛政」のイメージを持つことが,前提条件なのである。

評定する。正解の基準は,
1,虎に3人を喰い殺されるよりも危険であること
2,具体的であること
以上2条件を満たすことである。
正解を,板書させる。

正解例;
「多くの人が死ぬことになる(から)」「飢えや労役によってもっと苦労する(から)」など。
一回で正解する生徒は少ないので,くどくど説明せず,「惜しい!5点。」というようにサッと点数を付けなければならない。生徒が持ってこなくなったら,「間違えても,再チャレンジ!それで力が付く!」と趣意説明もする。

発問5 黒板の答えがどうして正解なのか,分かる人?

いないので,補助発問を入れる。

発問6 虎は,何人を殺しましたか。(3人)

ここで,気づく。

説明3 政治がひどいと,それ以上の危害があるのですね。 



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螳螂之斧(故事)

2008-09-26 21:57:02 | 教科書・漢文

(C)Two-Way/高校/国語/古典/漢文/故事

「螳螂之斧」(故事)の内容を一字読解で理解させる(高校1年・国語)

TOSS茨城NEVER  坂本佳朗(rekisi_sotuken@hotomail.com

「螳螂の斧」とは,「自分の弱さをかえりみず強敵に挑むこと。はかない抵抗のたとえ」(*1)として知られている故事成語である。そのもととなった故事を,一字読解で理解させる。ごく簡単な問題を,何問も何問も出す。

指示1 一行ずつ空けて,ノートに,マル1からマル20。

発問1 マル1。題名は何ですか。漢字で書きます。(螳螂之斧)

発問2 マル2。何という人が出てきますか。二字で書きます。(荘公)

発問3 3。どこの国の人ですか。一字で抜き出します。(斉)

生徒が慣れたら,「マル3。」→「3。」と,言葉を削る。言葉が少なくなるほど,発問が聞き取りやすい。注釈の1を見ると,「斉-春秋戦国時代の大国。」とあるから,国の名前だと理解できる。

発問4 4。荘公は,何をしに行ったのですか。「【  】猟」という形の熟語で答えます。(狩猟) 

「猟す」は,「狩り」と言い換えた方が,分かりやすい。設定の部分なので,多めに出題しているが,その分テンポを落とさない。

発問5 5。荘公の前に,何が現れましたか。一字で答えます。(虫)

発問6 6。「(足を)挙げて」を,別の漢字で言い換えなさい。(上げて)

「漢文では,簡単な漢字に直せる字は,直して考えます。」と説明。大事な読解技術である。

発問7 7。一学期の復習!「将博其輪」を,書き下し文にしなさい。(将に其の輪を博たんとす。)

一字一句,漢字とひらがなを間違っても×である。ただし,本文の下に書いてあるので,生徒は見て良い。全員できるので,「やるな!次が本番だ!」と煽る。

発問8 8。マル7を,現代語訳しなさい。(今にもその輪を打とうとする。)
板書2 【 三字 】其の輪を打【 二字 】とする。

再読文字の現代語訳を問う。問いを単純にするため,そのまま訳せば良い部分は,板書する。
句法なので,覚えているかどうかだけが問題。できた生徒をほめる。

発問9 9。「御」とは,誰ですか。漢字二字で答えます。(御者。)


注釈の3番,「御-御者。馬を扱って馬車を走らせる人。」を参照すればよい。
正解した生徒に,「どこで分かりますか?」と聞く。「下の注です。」と,最近では当たり前になってくる。

発問10 ということは,マル10。「其の輪(を博たんとす)」とは,何の輪ですか。漢字二字!(馬車)

出てくる順番が逆だが,「其の御」が分かってから,初めて「其の輪」が分かる書き方になっている。
「車輪」という答えが生徒から出されたが,「車輪の輪」という言い方はできない。

発問11 11。「其の御に問」うたのは誰ですか。(荘公)


マル2を参考にすればよい。この場には,御者以外は「荘公」しかいない。

発問12 12。「此れ何の虫ぞや。」を訳します。「や」だけ訳しなさい。
板書3 「これは何の虫【一字】。」

「や」の訳に限定する。「古典の『や』は,『か』と訳すことがあります。」と,「疑問」の句法を説明する。

発問13 13。「対へ」たのは誰ですか。(御者)

発問14 14。「所謂」の読みを,現代仮名遣いのひらがなで答えなさい。(いわゆる)

「現代仮名遣い」なので,「『は』と書いた人は×です。」と告げる。

発問15 15。虫とは何だったのですか。虫の名前を答えます。(かまきり)

発問16 16。「却」の意味を表す,二字の熟語を作りなさい。(退却)


発問17 17。螳螂の動ける方向を,矢印で示しなさい。
板書4  ○   ・
    〈敵〉 〈螳螂〉


本文の主旨に合わせ,「螳螂」を小さく描く。「進むを知りて却くを知らず」なので,「←」を書ければよい。

発問18 18。御者は,螳螂の性質を,どのように考えましたか。漢字二字を,白文で抜き出します。(軽敵)

「白文で答えよ。」という形式の問題にも慣れておく。また,「白文で二字」と指定しないと,ここは答えが一つにならない。「性質」を問う問題であったので,あまり簡単ではない。できた生徒を指名。

発問19 19。荘公のセリフ,「此れ(人たらば)」は,何を指していますか。漢字でもひらがなでも構いません。(螳螂/かまきり)

発問20 20。「車を廻らして之を避く」。螳螂を避けたのは,螳螂をどのように評価したからですか。漢字四字の白文で抜き出しなさい。(天下勇武)

説明 荘公は螳螂を,「勇武」,つまり,「勇猛な武将」にたとえたのですね。
発問21 どのようなところが「勇武」なのですか。(敵に向かって進んでいくところ。)

発問22  「螳螂の斧」とは,現在,良い意味で使われていると思いますか。

挙手をさせる。話の流れから,「良い」の方が多くなる。
「先生は教えないから,辞書で調べても良いですよ。」と告げて授業を終える。

使用教科書 『新精選国語総合』(明治書院)
参考文献 *1 『大辞林第三版』(2006)三省堂 松村明(編)
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