JALの施設である「安全啓発センター」へ行ってきた。
このセンターは、基本的にはJALグループ各社の研修施設であるが、
見学申し込みさえすれば、一般者へも公開して貰える。
とは言っても・・・参加者15名中、JAL関係者13名。。。
その他2名。。。俺と我が航空機の師匠ANAパイロットの山P。
昨年、俺の担当機が墜落炎上というショッキングなインシデントに遭遇。
それまでに社内外での航空安全研修やエマー訓練を経験していたものの、
恥ずかしながら、どこか絵空事のような気持ちがあり・・・。
あの事故の衝撃は、絶対に忘れることが出来ない。
”ショック”とは一言で表せない、もっと大きく深い思い。。。
そんな体験をした思いから、どうしてもこの安全啓発センターを
訪れてみたかったのである。
展示のメインは約20年前「1985年8月12日 JL123」事故、
すなわち乗員乗客500名以上の方が亡くなった「御巣鷹山墜落事故」について。
係員さんからの説明を聞き、事故機遺留品等を見学。
FDRの解析図をじっくりと拝見。
あの状況下での客室内状況が想像難くない。
今、我々が体感出来る、どんな厳しいジェットコースターにも
遠く及ばないフゴイド運動(*)、ダッチロール。
*:機体が波状に縦揺れを繰り返す飛行機の不安定動作のこと。
その中でも書き残した乗客の「遺書」、CREWの「アナウンスメモ」。
研修やマスコミ報道で耳にしたことのあるCVRと頭の中で重ねながら、
一つ、一つを拝読。
こんな事故は2度と起こしてはならない。
昨今、収益増加、コストカットの為に航空業界で推し進められる合理化。
安易な合理化が、現場への負担増、モチベーション低下へと繋がり、
”航空安全”への『脅威』となっている。
数値では表れない『脅威』。
運航者ではない自分が”航空安全”を担うことは、
その『脅威』を取り払うこと。
一人一人の思いが、「航空安全」へと繋がる。
そんな大切なことを、再認識させて貰えた、「日本航空 安全啓発センター」。
航空機を利用される皆さんも、一度は訪れてみては如何だろうか。
日本航空安全啓発センター
http://www.jal.com/ja/safety/center/center.html
東京都大田区羽田空港1-7-1 (東京モノレール「整備場駅」下車)
TEL 03-3747-4491 (要予約)
From KOICHI