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映画 トロイ TROY

2020-11-30 13:44:17 | 日記

映画 トロイ TROY  と  映画 赤壁

今回から、映画「赤壁 REDCLIFF」が、映画「トロイ TROY」2004年製作と、とてもよく似ている点を挙げて、何故なのかを検証していきたいと思います。

映画「トロイ TROY」は、総製作費が200億円という超大作で、2004年5月に公開されました。

題材になっているのは今から3,000年以上前、古代ギリシアの詩人・ホメロスの叙事詩「イリアス」と「オデュッセア」で伝えられているトロイ戦争(トロイア戦争)で、「トロイの木馬」やギリシャ最強の戦士「アキレス」の名前を聞いたことがない人はいないでしょう。

 

監督ウォルフガング・ペーターゼンは、ホメロスの『イリアス』からインスピレーションを受けたといっています。この「トロイ戦争」のテーマは過去に何度も映画化されていますので、監督は、ホメロスの「イリアス」という最も古い資料に立ち返ってインスピレーションを得られたのであろうとわたくしは思います。

公開前から最も話題となったのは、ブラッド・ピットがギリシャの英雄アキレスを演じたことです。そして、トロイの王子パリスと絶世の美女ヘレンが主役ではなく、アキレスとブリセイスに焦点を当てていることです。

え?ブラッド・ピットがギリシャの戦士アキレス??と思いますよね!!  しかし、ブラッド・ピットはこの役を演じる為に1年以上肉体改造を行ない、筋骨隆々になって、今までにないキャラクターにチャレンジしたそうです。 かっこいいけれど、なんだか、ギリシャではなくローマの戦士みたい!!

でも、アキレスは紀元前5世紀の壺絵などにも、このブラッド・ピットのいで立ちとそっくりな甲冑を着た絵柄がありますから、監督さんは壺絵なども参照しておられることがよく分かります。

 

 

 


映画「赤壁」「レッドクリフ redcliff」

2020-11-27 13:32:37 | 日記

映画 赤壁 レッドクリフ redcliff

映画「赤壁」は、呉宇森ジョン・ウー監督が、陳寿(233-297年)の「三国志」を100億円超の製作費をつぎ込んで映画化した超大作です。

アメリカ、中国、日本、台湾、韓国から100億円の製作資金を集め、香港、 中国、台湾、日本、モンゴルから集めた豪華キャストで映画化された「赤壁」は「レッドクリフ」という別名が象徴するように、アジアだけでなく、欧米市場、いや世界を視野に入れたマーケティング戦略で作られているように思います。

映画「赤壁 レッドクリフ」は、陳寿の「三国志」という歴史書を主軸にしているとは言え、一般大衆が知っているのは中国文学の四大古典小説とされている羅貫中の「三国志演義」ですから、面白おかしくストーリーを展開した「三国志演義」の話の方を取り入れて赤壁の戦いを描いていくのは当然と言えます。

魏・呉・蜀の三国が鼎立していた西暦200年頃の中国・三国時代を舞台に、80万の軍勢を率いる曹操の魏軍と、たった5万の呉の孫権、蜀の劉備による連合軍が「赤壁」で対決した三国志史上最大の合戦“赤壁の戦い”を描くことが主題であることは、今更書く必要もないほど皆様の方がよくご存じです。

『レッドクリフ PartI』原題:赤壁 が2008年、

『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』原題:赤壁2 決戦天下が2009年に公開されました。興行成績も評価も大変好調だったようで、呉宇森ジョン・ウー監督も安堵されたことでしょう。

上の二枚の画面には、主役が描かれています。

重要な主役である諸葛孔明役に日本人の金城武さんが出ているというのも嬉しいことです。この「三国志演義」を一番良く読んでいるのはおそらく日本人でしょう。といっても、人口比率でです。そして、漫画本も入れてのことです。

周瑜: 梁朝偉 トニー レオン

小喬:林志玲 リン チーリン

諸葛孔明:金城武 かねしろ たけし

曹操:張豊毅 チャン フォンイー

 

陳寿の「三国志」では、魏の曹操が主役のように見えます

それから約1000年を経て編纂された「三国志演義」では、諸葛孔明に  重点が置かれています。

蘇軾の「赤壁賦」では、周瑜に焦点を当てています。

面白いでしょう?この観点からの記事を書いてみたいと思います。

 

 


赤壁賦の謎

2020-11-20 17:48:26 | 日記

赤壁賦 あゝ赤壁賦 赤壁賦

 

下の静物画は17世紀のフランスの画家ジャック・リナール(1597-1645)が

1638年の作品「赤壁賦」の描かれた中国製の鉢に盛られた果物や花です。

ジャック・リナールは大層気にいったと見えて、丁寧に見事に描いていますね。

 

絵は3点とも一部分です

 

上の静物画の鉢や茶碗に描かれている蘇東坡の「赤壁賦」は、その後も、殆ど

上図のものと同じデザインで統一されて描かれています。

これと同じような鉢は大英博物館にもありますし、日本にはずいぶん沢山あります。

 

「赤壁賦」の詩を書いたのは、蘇軾(そしょく 1037~1101)という人です。

11世紀後半の宋(北宋)の政治家、文章家で、号を蘇東坡(そとうば)といいます。

 

『前赤壁賦』は、宋の時代(1082)旧暦七月十六日夜、

蘇軾は友人と長江の赤壁の下に舟を浮かべて清遊して、

「この赤壁で覇を競って大激戦をした魏の曹操や呉の周瑜の栄枯盛衰」を偲びつつ、

自らの身の上に比べ、人間は儚いものだと詠じ、だが名月と清風を得て楽しんだと

いう感慨を詠ったものです。

『後赤壁賦』は、同じ年の旧暦十月十五日の夜、蘇軾は二人の客人と風雅な話を

しているうちに、酒と肴を調達して、再び赤壁まで月見に出かけたことを

題材としています。

 

「赤壁」とは「この赤壁で覇を競って大激戦をした魏の曹操呉の周瑜が活躍した」と

いう場所なのです。映画「赤壁」または「レッド・クリフ」でおなじみです。

この映画の話を次回いたします。

そして「赤壁」の場所は、今年世界中にその名を轟かした「武漢」の近くなのです。