フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

萌え少女漫画回想録:第5回

2008年01月14日 | 行き当たりばったり的萌え少女漫画回想録

 岩川ひろみは、とても寡作なまま消えていった少女漫画家で、私がのちに思ったのは、「デビュー誌が違っていたら、もっと違う結果になっていたんじゃないか」ということだ。週刊マーガレットは当時、今でいう週刊少年ジャンプの少女漫画版みたいな存在だった。読者層は中高生がターゲットで、人気作家がひしめき、ジャンプと同じ集英社なのでおそらくアンケート重視の編集方針だっただろうことも想像に難くない。同時期の看板連載が有吉京子『SWAN』、山本鈴美香『エースをねらえ!』『7つの黄金郷』で、りぼんほど乙女チック路線ではなく、青春物や少女の成長もの、スポコン(スポーツに限らず、職業ものとか多かったかな・・・。柴田あや子の『まゆ子の季節』という美容師ものはおもしろかったな~・・・。)が中心だったように思う。(そういうところもジャンプを思わせる・・・)
 なので、耽美・BL系の岩川さんは、マーガレットのカラーに合わなかったのではないかと思う。いっそホラー系なら、のちに菊川近子さんが怪奇ものに転向していく(79年頃)ので受け入れる余地があり、生き残れたかもしれない。彼女のデビュー作は『ドラキュラの息子たち』なので(未読のため、ストーリーは不明。ホラーテイストのコメディか、耽美系かどちらかかなあ・・・)、そうしてみると、編集部としては美しい絵柄のホラー・サスペンス系作家として採用したのではないか。そう考えると、デビューしてすぐに横溝正史の『女王蜂』のコミック化、しかも連載をさせていることも納得できる。
 『女王蜂』の金田一耕介はさすがに岩川さんが描くと、たとえフケを飛ばしていても美青年(爆)です!男たちを夢中にさせるヒロイン大道寺智子、ぴったりです・・・美しいです・・・。横溝作品は他の作家さん方も少女漫画化されていますが、(JETさんがたくさん描かれてますよね。JETさんだと、陰影の強い、肉太の線のせいか、割と猟奇部分が前面に出る傾向があるかな・・・。好みが分かれるところです)横溝作品の耽美テイストが強調されて、私は大好きです。
 ちなみに、横溝作品は映画・テレビドラマ化もたくさんされていますが、私がいちばん良い!と今でも思っているのは、古谷一行が金田一耕介を演じた「横溝正史シリーズ」というテレビドラマですね!ちょうど77年~78年ということで、横溝ブーム真っ只中。岩川さんの『女王蜂』漫画化も、それに乗って、ということだったと思う。
 さて、横溝ブームもあって連載は成功したらしく(この作品だけコミックスになっているので・・・)、次の作品は少し自由に描かせてもらったのではないかと思われる。彼女の趣味・嗜好が前面に出た作品で、『魔女幻想』もマーガレットでは異色だったが、それ以上に異色だったのが、週刊マーガレット78年1号掲載の『青い薔薇の夜に』だった。
 手元に作品が残っていないので、私のおぼろげな記憶のみに頼るため、違っていたらお許し願いたい。
 主人公の美少年(16か17歳だったと思う)青樹(セイジュ)は、養父母が死亡したため、実の父に引き取られる。そこには兄たち(3人いたっけなー。2人だったかもしれん・・・。すべてタイプの違う美形だったv)がいた。父は大学で植物学を研究しており、青い薔薇を創り出すのが夢で、息子達にも色にちなんだ名前をつけていた。(ごめん・・・思い出せない。黄と赤と白が名前の一字に使われていたんだっけな・・・。やっぱ兄は3人だったかなあ・・・)だが父は、青樹にはひどくそっけなく、青樹は自分だけ養子にやられていたことといい、自分だけ薔薇にはあり得ない色が名前に使われているし、自分は父に嫌われている・・・と落ち込む。しかしそんな青樹に兄たちは優しく接してくれ、可愛がってくれた。養子先で虐待されていた青樹は(焼け火箸で殴られて、首に火傷のあとがあったりするの・・・。そんな設定にも萌えた、当時のワタクシ・・・)広い家の庭には、父が大切にしている温室があり、そこは息子たちさえ立入禁止になっていた。母親は庭の池に入水自殺したと聞かされており、それが自分を生んだ直後だったことから、自殺の原因は自分で、それで父に自分は嫌われているのではないかと悩み、ある夜、母が愛したという温室に忍び込むが、そこで父に見つかる。彼を見つけた父の様子は明らかにおかしく、母の思い出や、どんなに自分が彼女を愛していたかを語り、「おまえに母親が死んだ本当の理由を教えてやろう」と池のほとりへ連れ出す。「こうしてみると、お前は本当に彼女にそっくりだ・・・」と父は青樹に口づける。(うきゃー!)「あんなに愛したのに、おまえは他の男と・・・!」他の男と恋仲になった母は、父から逃げ、駆け落ちしようとしたのだ。青樹はその男の子どもだったのだ。「だからあの夜、私は彼女を私から逃げられないようにこうして・・・」父は彼の首を絞め、池の中に頭を沈める。窒息して意識を失う青樹。そこへ兄たちがやって来て、父は逃げる。水の中の青樹を見つけてうろたえる長兄に、次兄は「貸せ!人工呼吸くらい習ってる!」と叫んで抱き上げる。(じ、じんこーこきゅーっすかー!とここでまた萌えるワタクシ・・・。もちろんそれはマウスツーマウスでございますね!しかし、その場面は飛ばされて←オイッ)目を覚ました青樹。「良かった・・・」と彼を抱きしめる次兄(確か彼の名に黄色の字がついていたような・・・。どんな名前じゃ!)。その背中越しに青樹が見たのは、燃え上がる温室だった。その中からは笑う、狂った父の声が。温室はなぜか、青い炎に包まれ、さながら父が心血を注いで生み出そうとしていた、青い薔薇のようだった・・・。
 という話だった。細かいところは本当にうろ覚え。父に会ったのは温室でじゃなくて庭でだったかもしれない。長兄と次兄も逆だったかも?まさに耽美JUNE・・・(BLって感じじゃないよね・・・)。
 この主人公青樹が、美少年で!さらさらストレートヘアが肩までのおかっぱで、白いシャツが良く似合う、暗い翳を背負った正統派美少年でした・・・。
 やおいで私のツボの1つに肉親・血縁ネタ(別にカップリングとか恋愛関係でなくても、そういうトラウマがあったり、ややこしい血縁関係があったりとか)があって、この作品はそのツボに当てはまったんですな・・・。父の歪んだ愛憎、兄たち(主に次兄)とのほのかな愛とか!それに絵が私の好みだったんだと思う。多分、池田理代子さんにいちばん影響受けてるかなーという感じです。
 ともかく、この「父親にキスされて殺されかける、不幸な生い立ちの」美少年が、それ以後、私にとって「理想の美少年」になっていくわけです。たくさんの美少年をそれまでもその後も見てきたわけですが、世間が認める美少年のジルベールもエドアルドもアランもトーマも、その他私が書き散らしてきたアニパロ・マンパロのキャラクターたちも、私にとっての「理想の美少年」とは言えず、このたった数十ページの短編の主人公、どマイナー作家のどマイナー作品のキャラクターが、なぜそこまで私の心をとらえてしまったのか、分析はしてみれど、「これだ!」という確定的理由は自分でも見つけられません・・・。逆にたった一度読んだきりで、情報量の少なさ故にその後自分の中でキャラクターを作り上げ、「理想」にしていったのかもしれない。それでも、そこまで執着させたこの作品、この作家を、私は今でも大変愛しています。できればもう一度読みたい。読んだら「記憶と違う」とがっかりするのかもしれませんが、だからといって青樹が(しかしこのネーミングもすごいっす・・・。おかげでアニメにおける「理想の美少年」をオリジナルに転換するときにアレンジして使っちゃったよ(笑))私の「永遠の理想の美少年」であることに変わりはないでしょう。
 岩川ひろみさんの作品は今まで紹介した他に、調べた限りでは
 77年『Nocturne~夜想曲~』
 78年『青春綺想曲(ラプソディ)』(この話も結構それっぽい。ある音楽学校のライバル同士の男子生徒2人の話で、片方が病気で死んじゃうんだけど、どう読んでもそいつは、もう一人のことが好きだったとしか思えん・・・)『6月の雨の森』『イザベラ』
 79年『人形の城』
 となっています。連載含めてたった9作(推定)。本当に、せめて「少女コミック」か「花とゆめ」でデビューしていたらなあ!と思わずにはいられません・・・。


岩川ひろみ作品データ(すべて集英社)※は幸田未読
『ドラキュラの息子たち』※(デビュー作) 1976年 週刊マーガレット52号
『Nocturne~夜想曲~』※ 1977年 プチマーガレット春の号
『女王蜂』 1977年 週刊マーガレット15~23号
『魔女幻想』 1977年 週刊マーガレット45号
『青い薔薇の夜に』 1978年 週刊マーガレット1号
『青春綺想曲』 1978年 週刊マーガレット11号
『6月の雨の森』※ 1978年 プチマーガレット夏の号
『イザベラ』※ 1978年 週刊マーガレット増刊11月号
『人形の城』※ 1979年 週刊マーガレット増刊11月号
このデータに関しましては主に
こちら(リンクあり。別ウィンドウ開きます)と古書店のデータを参考にさせていただきました。

 うーん、『青春綺想曲』、一方が金髪のお坊ちゃん(名前なんだったかなー、ハンスだったか・・・?)、もう一方が黒髪のチョイ悪風(全く名前覚えてない・・・すまぬ)で、チョイ悪の方がお坊ちゃんを好きだったんだけど、お坊ちゃんはぜーんぜんそれに気づかず、「君(つきあってた彼女だったか婚約者だったか)のために弾くよ」なーんて、悲惨・・・。チョイ悪の方は最後死ななかったかも。病気でもうピアノを弾くことができず、退学したんだったかもしれない・・・。ほんと記憶力ナッシングだなー。

やっぱり「Capeta」はいい・・・v

2008年01月14日 | オタクな日々
 やっと昨日月マガ立ち読みましたよ!(しつこいようだが買え・・・。そういえば昨日、私が毎週見ている「とことんハ○ナ」というテレビ番組では再生紙を取り上げていたのだが、そこで出てきた紙の見本、いわゆるわら半紙に色をつけたものとして、週刊誌の最後の目次ページ、しかも雑誌名がわからないようにほんとに右端の部分がちら、と映されたが、週マガだった・・・。なんで週ジャンじゃないのかなー・・・。ADが買ってるのがそっちだったのかなー(笑))
 「Capeta」、カペタの天才ぶりに私もノブもぶるぶる震えちゃうよ!しかし、加賀美さんってば、最初リョウの方を推してステラに入れたくせにさー、いつの間にか「(カペタを)経歴に傷がつかないようにじっくりステラで育ててからF3へ」なんて考えていたなんて、おいおい、もうそんなにカペタに惚れこんじゃったの~?リョウ、全然出番ないですが(このままカペタがF3行っちゃったら、一切なさそうだ・・・)、リョウの立場はいったい・・・?
 それはおいといて、何より嬉しかったのは田中さんが、ちゃんとノブを「カペタのパートナー」として認めてくれていること!カペタにFSRSの試験を受けさせてくれって直談判に来たときから、ちゃんとノブのこと見ていてくれてるんですね!ノブはこのまま勉強してがんばって、レースのこと以外ではぽよよんのカペタのマネージャーになると信じてるよ!そして9巻4本目の表紙(サーキットの柵に腰かけたレーシングスーツ姿のカペタと、その横でヘッドフォンつけてスタッフと話をしている、チームの制服を着ているノブ、という図)が確定の未来だと信じてるから!(しかしその後ろに見えるもなみちゃんが気になる・・・。バリ○リ伝説の歩惟ちゃんみたいに一緒にチームの一員として回ってるんじゃないだろうな?いやいや、多分、「私にもスタッフ通行証寄こしなさいよ!」とちゃっかり制服までいただいたに違いない・・・。それともマネージャーのノブが、日本国内レースでのキャンギャル(←これ、死語?)として契約(半ばもなみの押しかけ・・・)したのか・・・?それが奈臣は気に入らなくて、「おめー、オレと婚約してるのに、何であいつのチームと契約するんだ(不機嫌)」「そんなの私の勝手でしょ!私はかっちゃんを応援してるんだから!あんたは敵!」とか痴話げんかするのよ・・・と妄想は膨らむばかりだ!)
 は~~まだまだカペタとノブのカップル・・・いやいや友情(白々しい・・・)からは目を離せません!