日本語による診療 in Hanoi

Raffles Medical Hanoi(International SOS)の患者さんに医療情報を提供します。

Tet前後の私の診療につきまして

2017-01-23 16:39:58 | 日記
Tetが近づき、日本人の受診も次第に少なくなってきました。Tetにあわせ、内科、小児科と救急医療のトレーニングを日本で受けるため、下記の期間休診とさせてただきます。なお、クリニックは無休で代診の医師が診療いたします。
休診:1月27日大晦日〜2月4日(土)まで。6日(月)より通常診療となります。
宜しくお願い申し上げます。


ウイルス性胃腸炎再び流行

2017-01-17 22:43:38 | 日記
大人子供を問わず、ウイルス性胃腸炎が年末に続き第二のピークを迎えています。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱、頭痛です。薬も内服できないほど吐きつづけている患者さんには点滴の選択肢も考慮しますが、原則は内服治療です。予防は手洗いしかありません。家族内で感染が広がりますので、特に子供の吐物を処理する親御さんはご注意ください。

インフルエンザに対する誤解について

2017-01-06 13:15:58 | 日記
当院ではこれまでのところインフルエンザの患者さんはいらっしゃいませんが、今後日本からインフルエンザウイルスが持ち帰られ、ハノイの日本人コミニュティーで流行することが予想されます。インフルエンザに関して重要なのは、治療薬タミフルについての誤解です。なんと世界のタミフルの75%が日本で消費されているのです。WHOやアメリカ疾病予防管理センター(CDC)などは、健常者がインフルエンザにかかってもタミフルなどの抗ウイルス薬は必要ないとしています。欧米先進諸国やここベトナムにおいても、インフルエンザにタミフルは原則処方されていません。タミフルを内服しても、患者さんの入院や、肺炎・脳炎といった重症な合併症を減らすことはないというデータが明らかになっているからです。治療効果は、症状のある期間をわずか16時間短縮するにすぎず、その一方で比較的多くの患者さんに吐き気の副作用が見られることも理由です。インフルエンザは休養のみで自然治癒します。当院でもWHOやCDCのガイドラインに基づいた診療を行い、インフルエンザの患者さんには、原則解熱剤など症状を緩和する薬剤のみを処方いたします。ガイドラインでは、妊婦さん、気管支喘息、心臓病や糖尿病の方、高齢者、5歳以下の小児などについては、患者さんと相談の上タミフル処方を検討するとあり、当院でもそのようにいたします。日本の医療は最先端ではありますが、インフルエンザに関しては、日本だけが科学的根拠に基づかない診療を継続しているという現実をご理解いただければと考えております。