板生清の”到来!「コンピュータを着る」時代”

環境情報誌『ネイチャーインタフェイス』(総監修)
NPO法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構 (理事長)

ウェアラブルで流通が変わる

2005-10-29 20:21:47 | ウェアラブルコンピューティング
今日は、物流業界におけるウェアラブル・コンピュータの活用についてお話します。

今年4月より、米ウォルマート・ストアーズ社流通センターに、RFIDタグ 『RFID』(Radio Frequency IDentification)付パレットの搬入が開始されました。現在フィールドテスト段階にあり、ウォルマート社の流通センターにRFIDタグ付きの商品を納入している業者は、130社以上存在します。過去1年間で同社の流通センターが受け取ったタグは約540万個。同社は来年1月までに、さらに200社の納入業者が加わると見ており、タグ付きの商品を受け取る準備も、約1000の店舗と倉庫で整えています。
各店舗で商品の在庫切れが過去12ヵ月で16%減少し、RFIDタグが付いている商品の在庫補充は、付いていない商品の3倍のスピードで可能とのことです。

「ウォルマート『RFIDタグで在庫補充が3倍効率的に』」 10/27 hotwired japan より 

小売業界において絶大な影響力を誇るウォルマートの動きには、ターゲットをはじめとする競合他社の中にも既に追従の動きが見られています。
ウェアラブル(装着する)・コンピュータの流通業界への普及がいよいよ実現に近くなりました。

日本でもRFIDを用い、人間がウェアラブルを身につけ、物流の現場を効率化する方法が実践されています。
たとえば、単眼のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)のメーカーとしても知られる島津製作所では、実際に同社の物流倉庫で、HMDを用いて、荷物に装着したRFIDタグからの在庫情報をチェックしたり、仕分け先の指示を受け取っています。ハンズフリーでいつでも在庫情報を確認できる上、仕分け時の作業ミスも防ぐことができます。

ところで、物流業界におけるウェアラブルの活用事例といえば、WINとウベパレットレンタルリーシング株式会社が共同開発した「パレット追跡システム」も見逃せません。
「パレット追跡システム」は、パレットにPHS端末を装着するだけで、定期的にパレットの追跡結果を知らせてもらえるというシステムです。
パレット(荷台)は物流の現場では必要不可欠なものですが、商品とともに倉庫から倉庫へと広範囲に移動するために、紛失が絶えなく、その損失額は業界全体で約数十億円ともいわれています。しかし、本システムを使用することで、パレットの紛失をなくすことが可能になりました。

本システムでは、PHSを用いているのが特徴です。バーコードやRFIDの管理とは異なり、リーダ装置による近接読み取りの作業が要らず、バッテリー寿命も半年と長いので、電池交換の手間が少なくすみます。またGPSのように衛星の電波を使うのではないので、倉庫内やトラック内にあっても、追跡が可能となっています。

これは移動するモノとつねに行動できる、ウェアラブル活用の好例といえるでしょう。

鳥インフルエンザから守るウェアラブル・コンピュータ

2005-10-27 19:09:55 | ウェアラブルコンピューティング
今日は中国、東南アジア、ヨーロッパで被害が広がっている鳥インフルエンザから我々を守るウェアラブル・コンピュータについてご紹介します。

各国で鳥インフルエンザの被害が広がっているというニュースが日々報道されています。

中国では、19日に内モンゴル自治区フフホト市でH5N1型に感染した家禽2600羽が死んだと発表し、25日には安徽省東部農村の鳥飼育場で毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザが発生、家禽(かきん)550羽が感染して死んだと発表しました。
また欧州やその周辺でも、今月に入ってから、ルーマニアやトルコ、ロシアでH5N1型のウイルスが確認されました。

鳥インフルエンザのもとになるウイルスにはいろいろなタイプがあるそうです。専門家によると、恐ろしいウイルスは、鳥から鳥へ感染するだけではなく、鳥から人にも感染し、さらにその人から他の人へと感染する毒性の強いタイプだといいます。
日本の厚生労働省のあくまでも試算ですが、鳥インフルエンザが流行すると、最悪の場合、日本人の4人に1人が感染し、死者は6万9千人~16万7千人と推計されています。

中国大陸ないし朝鮮半島からの渡り鳥が、鳥インフルエンザのウイルスを運んでくるのなら、あらかじめ現地で鳥を捕えてその行動を捕捉することが必要です。また渡り鳥の飛来する地域の鳥類についてもあらかじめ手をうっておくことも感染防止の対策となるでしょう。

将来的に、このようなケースにおいて鳥に装着するウェアラブルなセンサーが活躍するでしょう。
すでに私の研究室では、従来のアルゴスシステムに加え、PHSとGPSを使ったウェアラブルセンサーによる鳥類の行動、生態観測の実験に成功し、いまなお研究が進められています。

野生動物に装着して信憑性のあるデータがえられる実験端末の総重量は、動物体重の約4~5%と言われます。測定対象の体の大きさと距離にあわせて、最適な測定手段を選択することになります。
位置情報を得るだけでも本来、野生動物の生態に関する有益な情報を多く得ることができますが、健康状態情報、動作状態情報(体調、行動、移動速度、羽ばたき数、捕食など)を得ることにより、多くの部分が解明されます。

日本の環境省は、渡り鳥の日本への出発地のひとつ、韓国と協力して300羽の鳥類を追跡する準備をはじめています。そして、どんな鳥を対象にするのか、何を調査するのか、調査期間はどのくらいにするのかなどによって、装着装置のセンサー、通信方法、電源などを検討していくことになります。

最新のウェアラブルファッション

2005-10-24 20:35:39 | ウェアラブルコンピューティング
今回は、今まで皆さんの反響が多かった、
最新のウェアラブルファッションについてご紹介します。

2005年8月3日、ロサンゼルスにて開かれた
CGの国際会議・展示会『シーグラフ』が主催する年次イベント、
今年で4回目となる『サイバーファッション
の舞台では、数々の最新ウェアラブル・ファッションが披露されました。

ファッションショーには、10ヵ国から35組の出展者が参加し、
ウェアラブル・コンピューター、CAD/CAMで製作した宝飾品、
電子機器で装飾された服のデザインなどを披露しました。

日本のウェアラブル環境情報ネット推進機構(WIN)からも、
いくつかのウェアラブル・ファッションを展示しました。
そのうちの1つ、隠密行動をとる未来のジャーナリスト向けに
デザインされた、レトロ調トレンチコート『リポート・ザ・ワールド』には、
10台の隠しカメラが取り付けられていて、360度の全方位パノラマ画像が
撮影できます。
コート前面のポケットには小型コンピューターを収納でき、
指輪に組み込まれたスピーカーからは、位置情報に基づく地域データを
音声で受け取れます。
ヘッドマウント・ディスプレーは、オーストリアのスワロフスキー社の
クリスタルガラスでスタイリッシュに飾られています。

WINは、子ども向けの『ドッグ・アット・ウォッチ』のデモも行ないました。
手首に装着された犬ぬいぐるみのような機器に、GPSセンサー、
音声ダイヤル機能で親に発信できる携帯電話、装着者の安全を監視する
アラームセンサーが密かに搭載されています。
ウォッチ・ドッグは着信時や通話時などに犬の目の色や鳴き声が変化するなど
子供にとって楽しいインタフェイスとなっています。
最近の日本には、一昔前には考えられなかった物騒な犯罪が横行しています。
子供の安全を確保するための、ウェアラブル・コンピュータが活躍する日も
近いでしょう。

超小型無線ネットワーク端末「ネイチャーインタフェイサ」

2005-10-21 18:04:02 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

ウェアラブル・コンピューティング社会に必須となるアイテム
無線センサネットワークを構築するプラットフォーム、
超小型無線モジュールを紹介します。

現在のネットワークシステムは、自然系・人工物系とはまったく別の
世界に、人間中心の情報通信システムが構築されています。
これに対して、動植物を含めた自然が発する膨大な情報や、
人工物からの情報を取り込み、繋げることが、
将来のユビキタス・ネットワーク社会に求められる姿です。

温度、湿度、匂い、イオン、炭酸ガスなどの濃度分布を
動きながら検知する自走マイクロセンサ、大量情報を記憶するマイクロデバイス、
フィードバック制御系によって協調動作を行う無数のマイクロ情報群など、
多様なセンサ群による太い情報入力パイプを持つ「センサ無線通信システム」の
構築が必要となってきます。

こうしたセンサネットワークを実現するためのものとして、
NPO法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構では、ネイチャーインタフェイサシステムを
開発しました。
ネイチャーインタフェイサはエネルギー源、CPU、無線デバイスからなる微小な端末であり、
つまり究極の超小型情報ネットワーク端末です。

ネイチャーインタフェイサは、既にネイチャーインタフェイス株式会社
から販売されており
共同開発元アーズ株式会社では
組み込みコンサルティング、技術サポートも請け負っています。

私は、この端末を自然、人工環境に組み込み、情報を無人で処理・収集し、
各種環境の高度化に役立てたいと考えています。

このようなセンサ端末の研究開発は、医療福祉、自然環境監視、生産および生活環境改善に
役立つとともに、将来のネットワーク社会の基本モジュールとなることでしょう。

お知らせ 
セミナー開催のご案内

ワイヤレスセンサネットワーク/システムの開発・技術動向と応用例及び今後の展開
 アーズ㈱代表取締役社長 佐藤 光氏 他
 11月29日(火) 9:40~16:45  東京(新宿)
(詳細はここから)

ICタグの情報インフラ実験、上野公園で13日より開始

2005-10-17 09:48:16 | ウェアラブルコンピューティング
ユビキタス情報社会の実現にともない、人と人、人とモノ、モノとモノが
ネットワークに繋がり、好きなときに欲しい情報が瞬時に取り出せる
世の中が実現しつつあります。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京・品川、坂村健所長)と
東京都、国土交通省は今月13日から、ICタグ(荷札)と情報通信端末を
使った案内システムの実用を目指した実験を始めました。

ICタグは大量の情報を盛り込んだゴマ粒大のICチップを載せたものです。
実験では、上野公園内の150カ所に埋め込んでおきます。
そして、携帯端末を百台用意して、観光客らに貸し出しています。

観光客は、動物を目の前に見ながら、端末で夜の生態や
出産の様子などを解説付きで楽しむことができます。
(2005年10月7日/日本経済新聞 朝刊 より)

もっと詳しく

ユビキタス社会によって、人と人、人とモノ、モノとモノが
繋がることに対して、我々日本人はそれほど抵抗がありません。
それは、八百万の神に代表される日本人の宗教感ともつながっていて、
万物に命が宿り、有機的に繋がることに対して寛容だからであり、
ここに西欧との大きな違いがあると言えます。

また、日本人は、印籠のように何か小さいものを持ったり、
身につけて歩くことを好み、
それがユビキタス社会を後押ししているという説があります。

日本ならではのユビキタス社会。そのカギを握るのが、携帯端末であり、
そこから進展するウェアラブルです。
ユビキタス社会を実現するカギは、人間がウェアラブル機器を持ち、
あらゆるコンピュータと繋がることにあるでしょう。

明日朝放送「NHKニュースおはよう日本」でウェアラブル・コンピュータ(スポーツウエア)を紹介

2005-10-13 18:51:01 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

先般2005年9月9日、日経産業新聞日刊にて
ウェアラブルコンピュータの具現化の一例として、
スポーツウエアへの適用が紹介されました。
(文末に内容を紹介します)

そして、当記事に興味を抱いた「NHKおはよう日本」
という報道番組の記者の方から、このスポーツウエアについて
詳しい取材を受け、放送の運びとなりました。


放送予定
NHKニュースおはよう日本 10月14日(金)朝7時50分頃~



記者曰く
「ジョギングやスポーツなど健康への関心が高まり、
かつスポーツの秋を迎える中で、情報機器の新しくユニ
ークな発展形として、興味深いニュースと考えています。」
とのことです。

今回、ひとつの記事が、もうひとつの報道に繋がりました。
どんな形であれ、「ウェアラブル」に関心を持った人が
何らかのアクションを起こしてくれるということこそ、
ウェアラブル・コンピューティング社会の実現に
一歩近づくということなのでしょう。


【日経産業新聞記事より(要約)】
「東京大学などの研究グループは、ジョギング中に天気や
体の状況などに応じて助言をしてくれるスポーツウエアを
開発した。
無線通信ができる小型のセンサーやパソコンなどをウエアに
組み込んであり、走るペースや水分補給などについて
音声で随時アドバイスする。

長期間着用した時の効果を確認し、2、3年後の実用化を
目指す。

東大の川原圭博助手と、ウェアラブル環境情報ネット推進機構
が共同開発した。
ウェアには心拍数、走る速度、気温、紫外線の強さを測定する
4種類のセンサーを装着。

無線通信で測定データをポケットの中の小型パソコンに送る。
あらかじめ設定しておく身長や体重、年齢などと組み合わせて、
自動的に最適なアドバイスを選択、耳元のスピーカーを通じて
知らせる。」

(『助言するスポーツウェア』2005.9.9日経産業新聞日刊」)

毎日新聞掲載「いつも身に着け健康管理/ウェアラブル・コンピューターって何?」

2005-10-11 21:04:14 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

10月8日(土)毎日新聞 朝刊に、先般の記事でご紹介した
ウェアラブル・コンピューティングによるヘルスケアシステムの具現化に
関する記事が紹介されました。
詳しい記事はこちらから

指、腕、腰などに日常的に装着できるヘルスケア・ネットワークの
センサーとして、すでに商品化には、三菱商亊系のエム・シー・メディカル社、松下電器、
セコムなどが乗り出しています。

・血中酸素飽和度と脈拍を測定できる指輪型パルスオキシメータ-
・アルツハイマー症状を早期発見できる眼球速度センサー、体動加速度センサー
・高齢者の転倒、徘徊防止のためのセンサー内臓GPSシューズ
・脳梗塞防止の脳波センサー

等が、技術的に実現しています。

今後の課題としては、測定制度の信憑性、確実性、
安全性、個人データの保護など技術的な問題に加え、
保険治療としての対象となるか、
これらの機械を装着して生活することに、
抵抗を感じるかという「使う側」としての問題があります。
中でも「使う側」の問題は、一般に普及するか否かのカギを握っていると言えます。

私は、本ブログを通じて、生活者(ユーザー)を中心とする、
様々な視点から、新しいニーズ、指摘、意見などを収集できたらと
思っています。
本システムに関わらず、私の発信した記事などから
何か感じることがあれば、どんな些細なことでもお聞かせ頂ければ幸いです。



最先端のウェアラブルコンピュータを体験しよう

2005-10-06 09:42:37 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。オープン早々、コメントを頂いてありがとうございます。

「ウェアラブルは知っている。だけどまだまだ先の技術」
「ちょっとどんなものか、着てみたい。体験したい」
そんな風に思う方は、最先端のウェアラブルコンピュータを体験できます。

ITとエレクトロニクスの国際展示会に発展したCEATEC JAPAN 2005が、
4日から8日まで、幕張メッセで開催されています。

ビジネス&ソサイエティーゾーンでは、
これまで個別に展示してきた特別展示を
「ユビキタス・スタイル・パビリオン
見えてきた、最適なネットワークソサイエティー」として集約し、
進化するユビキタス社会のさまざまなサービス・ソリューションを
一堂に並べて紹介しています。

ウェアラブルコンピュータはすでに、レース、医療、
イベントなどさまざまな現場で活用されています。
その実例を体験することもできます。

また、HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)展示コーナーでは、
各社HMDを実際に見られます。

コンピュータを装着することで、あらゆる「現場」でコンピュータの持つ
情報収集・計算・提示などの機能を動きながら活用することができます。
ウェアラブルコンピュータを体験しに訪れてみては如何ですか?

健康を管理する「着るコンピュータ」2

2005-10-05 10:55:48 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

今回は、前回お話した「ウェラブル(着られる)・コンピュータ」における
健康管理について更に詳しくお話をしましょう。

高齢化社会が進み、自らが健康管理をしなければならない時代、
今後の医療スタイルに求められるのは、

「病気になってから病院に行く」
ことではなく、

「日常的な健康管理や病後のケアから、
緊急時におけるケア、医療体制までが、保証される仕組み」
に変わってきています。

もうすこし具体的にいうと、
「あらかじめハイリスクな人(主に高齢者や、持病のある人)に
ウェアラブルなセンサーを装着して生活してもらい、
バイタルサイン(生体情報)をリアルタイムにモニターし、
病変(バイタルサインの変化)を早期に捕らえて病院に搬送する」
というものです。

このシステムを、私達は、「バイタルケアネットワークシステム」
と名づけ、現在、NPO法人WINによって技術開発を進めています。

これまでに、数々の生体センサーが発案され、
まさに頭の先から足の先まで、
皮膚温度や脈拍はもちろんのこと、
脳波から眼球の運動、体動加速度、血流量、足圧まで
全身の生体情報が計測できるようになりました。

体中に装着されたセンサーから、バイタルサインが取得され、
ウェアラブルPCから、「センサーサーバ」にデータが送られます。
そしてそれらの情報を、センサーサーバで一元管理し、分析を行うことが
できるのです。



もっと詳しく
隔月刊 総合環境情報誌 ネイチャーインタフェイス no.14 次世代のヘルスケア

健康を管理する「着るコンピュータ」

2005-10-03 18:28:15 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

平成17年10月1日(土)19:00~19:44 に放送された
NHK教育テレビ「サイエンスゼロ」では、
衣服などにコンピュータを組み込み暮らしの様々な場面に役立てる
「ウェアラブル(着られる)・コンピューター」の実現例について
幾つかご紹介をしました。

番組でも紹介したとおり、ウェアラブル・コンピューティングでは、
様々なサービスを実現可能とします。
上記放送時には、時間の関係上、充分にお話をできませんでしたが、
それらのサービスの中で、優先順位の第一と上げられる
「健康」への貢献は注目すべきでしょう。

「ウェアラブル・コンピュ-ティング」の実現により
我々は人間にとって最も重要な、「健康」を管理することができます。

すでに65歳以上の人が5人に1人、10年後には4人に1人。
良くも悪くも、これが日本の実情であり、将来像です。

お年寄りは自分で自分のヘルスケアをしなければならない時代です。
常に自分の健康状態を把握し、危険を察知しておくことが望ましいでしょう。
とはいえ、健康状態を、客観的に計測する機械、すなわち
血圧計や心電図をぶら下げて生活するわけにはいきません。

日頃テレビで元気な姿を見せていた野球の長島茂雄さんが、
2004年脳梗塞で入院されました。
彼は日頃から健康管理に人一倍気をつけていたそうですが、
それでも、突然の異変には対応できませんでした。

実は、倒れる人というのは、数日間~少なくとも数分前までに
何らかのサインが現れるそうです。
もし、「ウェアラブル」なセンサー(ジャケット、リストバンド、眼鏡などとして装着)
により、皮膚温度、脈拍、脳波などを日常的にチェックしていれば、
危険な兆候を予め察知することも可能になるのです。

特に、健康に変化が現れ易い高齢者を対象に、
このサービスは画期的といえるでしょう。


健康を管理する「着るコンピュータ」・・この話はまた次号にて(^^*)




上記内容をもっと詳しく知るには・・
『コンピュータを「着る」時代』板生清 文春新書




板生 清 テレビ出演「実現間近!”着るコンピューター”」NHKサイエンスZERO

2005-10-02 00:29:59 | ウェアラブルコンピューティング
こんにちは。

昨日、平成17年10月1日(土)19:00~19:44
眞鍋かをりさん、 熊倉悟(くまくら・さとる)さんの
出演するNHK教育テレビ「サイエンスゼロ」に、テレビ出演しました。

衣服などにコンピュータを組み込み、
暮らしの様々な場面に役立てる「ウェアラブル(着られる)・コンピューター」の実現が
「5年後には広く一般に浸透する」といわれるほど、間近に迫っています。

番組では、実際にウェアラブルが可能となっているものを幾つか紹介しました。

例えば

1.運動の内容や心拍数を感知して運動方針をアドバイスするスポーツウェア
 (これを着ればトレーナー要らず!万人がオリンピック選手・・か??)

2.ウェアラブル・ディスプレイシステム実用例
 (すでに流通・製造業界などで使用実績があり。眼鏡型ディスプレイが、
  在庫等のありかをリアルタイムに示す)

3.記憶装置
「記憶」の映像データの中から、思い出したい記憶を自動的に検索する仕組
 (ウェアラブルコンピュータを装着して生活すれば、「記憶」という作業までコンピュータが担うのだ!!)


ここまで来ると、もはやSFの世界に近いと感じる方も多いのでは(^^*)
しかし、これらは既に技術的に実現されたモノであり、
ひょっとすると数年後には私達にとっても
「あたりまえ」のものになっている可能性がありますね。

今回の放送を逃してしまった方も、ご安心下さい(^^)
再放送 があります。


再放送 10月05日(水)午前00:00~教育




来たる!「コンピュータを着る時代」

2005-10-01 23:00:23 | ウェアラブルコンピューティング
はじめまして。
私は板生 清と申します

私は、企業の研究所に24年間、大学に12年間在籍して、
その間、研究・開発・マネジメント・教育全般に携わってきました。

コンピュータの性能がますます高性能になり、小型に軽量になれば、
やがてコンピュータは持って運べる「モバイル」から
装着「ウェア」する時代になります。
「ウェアラブル」な時代になると、私達の生活はどう変わるのか、
また、どう変わるべきなのか・・・

例えば・・・
腕時計のような小型センサーを人が身につけて、位置情報を送ったり、体調をモニ タリングしたりして、事故防止や体調管理に役立てます。動物、植物から、交通、生 産現場、病院、人、人工物などさまざまな物や場所をネットワークして、情報を活用 するシステムを構築します。
またダムなどの遠隔監視を行い、情報管理することで防 災につなぐこともできます。

私は、近い内に実現する「ウェアラブル・コンピューティング」時代を描き、
その活用方法を提案していくのが、使命だと感じているのです。

来たる「コンピュータを着る時代」を、
多くの人達と一緒に描きたい・・そんな思いから、ブログを開設しました。


関連リンク
特定非営利活動法人 ウェアラブル環境情報ネット推進機構 NPO法人WIN(理事長)
機関紙「ネイチャーインタフェイス」(総監修)