寂しがり屋のハーモニカ吹き。(障害者の日常生活)

監督。。。

構想15年、製作費20億円、オール北米ロケで、海外のスタッフ、キャストと共に押井監督が完成させた念願の企画「ガルムウォーズ」がいよいよ日本で公開されるとあり、大勢の観客で埋まった会場内。およそ300人近くの観客の中で、押井作品を初めて観るという人はたった1人だけ。そんな熱狂的なファンに向けて押井監督は「いつもお世話になっています」とあいさつし、会場を沸かせた。

 この日は主演のメラニーから寄せられた手紙を朴が代読することに。その手紙には、この作品を経て女優として成長できたことに対する押井監督への感謝が切々とつづられ、さらに「監督は私の中に眠る戦士の血を呼び覚ましてくれたのです。これからの押井監督作品に途方もない幸運が注がれることを、そしてまた監督にお目にかかれることを願ってやみません。そのときは涙を流さぬようにこれからも精進します」と本文が締めくくられており、そして最後には「押井監督を敬愛する者より メラニー・サンピエール(泣き虫)」と付け加えられた。

 それを聞いていた押井監督の瞳は心なしかうるんできたが、朴からそれを指摘されると、「ライトの具合だよ」と強がってみせる一幕も。「撮影中は、肺炎になりかけて倒れる寸前だったときもあった。そこでは代役を立てるつもりだったけど、本人がどうしてもやると言って最後までやりきった」と振り返った押井監督は、涙をこらえるように天を見上げ、やがてポツリポツリとメラニーへの思いを吐露。

 「メラニーは候補に挙がった中でも、むしろ下から何番目くらいの人だった。オーディションに来た時は誰も期待していなかったし。でも終わってみたらメラニーしかいないと思わせてくれた。ただ稽古はつらかったと思う。かなり体をしぼらないとあのスーツは着られない。オーディションの時も黒い髪のおかっぱで来て。『攻殻機動隊』の素子が好きだったんで、絶対にこの役を取るぞと。その意気を買った。ただあんなに泣く子だとは思わなかったけどね。今はいろんなことを思い出すね。お手紙も大好きな子でたくさんもらった」と柔和な表情に。。。

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