名張毒ぶどう酒事件は、4月5日に最高裁が「名古屋高裁の、再審開始決定に対する取り消し決定」について、審理不充分として名古屋高裁に差し戻しました。
これに先だつ、3月27日~28日にかけて三重県名張市で第28回現地調査が行われました。
参加者の感想文を掲載します。
名張毒ぶどう酒事件のことは、以前「銀の林」という連載小説で知り、救援新聞やニュースなどで読む程度でした。奥西さんが高齢(84歳)であること、一度は再審開始が決まったのに取り消されたことで、気になっていました。
現地調査に参加することが決まって、Kさんが、「黒と白ー自白・名張毒ぶどう酒事件の闇」というDVDを事前学習用に貸して下さり、7次にわたって再審請求をたたかっていることを知りました。
1日目の3月27日は事件学習会で、昭和62年作成のビデオ「証言」を見て、弁護団報告を聞きました。
事件の時代背景や土地柄、だいぶ前のビデオなので、今はない事件現場の公民館の映像も見ることができました。
弁護団からは、自白と住民の証言や物証の食い違い、それに対する検察の答弁も、第5次と第7次の再審請求で弁護団が提出した新証拠と、それらに対する検察の答弁について報告がありました。
証言は検察の介入で二転三転しているけれど、はじめの証言から物や人の動きを追っていくと、奥西さんが現場に一人でいて、ぶどう酒に毒を入れることはできなかったと思うし、唯一の物証とされる王冠についた歯型の鑑定も三次元的に測定すると、奥西さんのものとは一致しないのです。検察は自白を強いたうえに、証言や物証を自白と合わせるように歪曲しているのです。住民の方々も、正直に言ったのに責められて、証言を変えさせられて苦しかったと思います。死刑になるかもしれないのに自白したのだから、自白は信用できると、新しい証拠も受け入れようとしない検察と裁判官。自白偏重の裁判が冤罪を生むと思いました。
2日目は現地調査で、仕出し屋、酒屋と廻って葛尾に入りました。仕出し屋さんの証言を変えさせたときに、大きな自動車が前の道を通ると揺れて時計が狂う、とありますが、すぐそばにバス停があり、バスに乗る人は仕出し屋さんの時計を見ていたのに、1時間も狂うような時計を使うはずがありません。
葛尾では、ポイントに弁護士が立っていて、パネルも準備して説明してくれました。奥西さんが子牛を運動させた道をとおり、会長の家から公民館へ上がった所への石段を上がりました。一緒にいた婦人が、会長の家に雑巾をとりに行って公民館に帰るのに10分かかり、その間に奥西さんが一人だったということになっていますが、実際に歩いてみると10分かかりません。
のんびりした静かな山間の村でした。49年前、5名の死者と12名の中毒者をだす大事件が起きたなんて、本当かしらと思えました。住民の皆さんもまた心に深い傷を抱えることになった事件でした。奥西さんの再審無罪を1日も早く実現させたいと思いました。
○名張毒ぶどう酒事件については、「銀の林」「6人目の犠牲者」などの本、ウエブなどで知ることができます。
これに先だつ、3月27日~28日にかけて三重県名張市で第28回現地調査が行われました。
参加者の感想文を掲載します。
名張毒ぶどう酒事件のことは、以前「銀の林」という連載小説で知り、救援新聞やニュースなどで読む程度でした。奥西さんが高齢(84歳)であること、一度は再審開始が決まったのに取り消されたことで、気になっていました。
現地調査に参加することが決まって、Kさんが、「黒と白ー自白・名張毒ぶどう酒事件の闇」というDVDを事前学習用に貸して下さり、7次にわたって再審請求をたたかっていることを知りました。
1日目の3月27日は事件学習会で、昭和62年作成のビデオ「証言」を見て、弁護団報告を聞きました。
事件の時代背景や土地柄、だいぶ前のビデオなので、今はない事件現場の公民館の映像も見ることができました。
弁護団からは、自白と住民の証言や物証の食い違い、それに対する検察の答弁も、第5次と第7次の再審請求で弁護団が提出した新証拠と、それらに対する検察の答弁について報告がありました。
証言は検察の介入で二転三転しているけれど、はじめの証言から物や人の動きを追っていくと、奥西さんが現場に一人でいて、ぶどう酒に毒を入れることはできなかったと思うし、唯一の物証とされる王冠についた歯型の鑑定も三次元的に測定すると、奥西さんのものとは一致しないのです。検察は自白を強いたうえに、証言や物証を自白と合わせるように歪曲しているのです。住民の方々も、正直に言ったのに責められて、証言を変えさせられて苦しかったと思います。死刑になるかもしれないのに自白したのだから、自白は信用できると、新しい証拠も受け入れようとしない検察と裁判官。自白偏重の裁判が冤罪を生むと思いました。
2日目は現地調査で、仕出し屋、酒屋と廻って葛尾に入りました。仕出し屋さんの証言を変えさせたときに、大きな自動車が前の道を通ると揺れて時計が狂う、とありますが、すぐそばにバス停があり、バスに乗る人は仕出し屋さんの時計を見ていたのに、1時間も狂うような時計を使うはずがありません。
葛尾では、ポイントに弁護士が立っていて、パネルも準備して説明してくれました。奥西さんが子牛を運動させた道をとおり、会長の家から公民館へ上がった所への石段を上がりました。一緒にいた婦人が、会長の家に雑巾をとりに行って公民館に帰るのに10分かかり、その間に奥西さんが一人だったということになっていますが、実際に歩いてみると10分かかりません。
のんびりした静かな山間の村でした。49年前、5名の死者と12名の中毒者をだす大事件が起きたなんて、本当かしらと思えました。住民の皆さんもまた心に深い傷を抱えることになった事件でした。奥西さんの再審無罪を1日も早く実現させたいと思いました。
○名張毒ぶどう酒事件については、「銀の林」「6人目の犠牲者」などの本、ウエブなどで知ることができます。