日々不穏

吉法師の不穏な日々

モーツアルト今日の1曲・第2回

2006-04-13 13:01:07 | モーツアルト今日の1曲
 なんか、久しぶりになってしまったが第2回。
今回はモーツアルトの宗教曲「ミサ・ソレムニス ハ短調 K139<孤児院ミサ>」だ。

 第1曲「キリエ」の冒頭。バッハの「ロ短調ミサ曲」を思わせる荘厳な出だし。1768年、モーツアルト実に12歳のときの作品である!
<孤児院ミサ>という副題は、1767年から69年にかけてのウイーン滞在中、モーツアルト一家が新しくした孤児院教会のパルハーマー師より新装なった同教会のために依頼されて書かれたために付いた。
 詳しく書くと成立について謎の部分もあるのだが、ここでは省く。
初演は1768年12月7日、女帝マリア・テレジア臨席の下、この孤児院教会で行われた。
 ザルツブルク時代のミサ曲というと「戴冠式ミサK317」が有名だが、この作品もすでに大規模なミサ曲の内容を呈しており、もっと聴かれてもいいような気がする。

 演奏は、アーノンクールの斬新な解釈もいいが、ここではドイツ的な重厚さと厳格さをもったスタンダードな演奏として、ヘルベルト・ケーゲルの演奏を挙げておきたい。

庄司紗矢香の「メン&チャイ」

2006-04-13 12:37:43 | 音楽
  

 



 庄司紗矢香のメンデルスゾーン&チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトが出た。ミミタコの「メン&チャイ」を久しぶりに聴いたよ。
 パガニーニ国際コンクールでの史上最年少&日本人初の優勝から超メジャー・レーベルであるドイツグラモフォンとの異例の契約。それ以来快進撃の続く彼女。前作のプロコフィエフとショスタコーヴィチもこの若さで素晴らしい出来だったが、今回の演奏も思わず唸らされる。
 厳しく言えば、まだ確かに少し線が細いかもしれない。しかし、それを補って余りあるこの豊かな歌心はどうだ! この歳でこの演奏である。かつてムターが天才少女と呼ばれて、それ以後も才能を埋没させる事なく現在超一流のヴァイオリニストになっていることを思えば、彼女もそうなる可能性がひじょうに高いと言える。
 彼女は「しぼむ様な才能ではない」と見抜いたからこそ、グラモフォンのような大メジャーも獲得したのだろう。

 とにかくCDショップの試聴機でもいいから、一聴をお薦めする。その音色の虜になること間違いなし。